| 2004年度神戸市予算(案)の分析 2004.3.10 文責 あわはら富夫 1、2004年度当初予算額 予算額 前年比 一般会計 8226億円 (+2.3%) 特別会計 1兆2689億円 (+3.8%) 合計 2兆 915億円 (+3.2%) ・全体予算が対前年比3.2%の伸びになっているが、公債費が対前年に比べ579億円(前年比14.5%)増額されたことが大きな要因で、公債費に係る各局の費用も差し引くと、実質的には対前年163億円(対前年比1.2%)減の減額予算になっている。 |
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| 2、歳入並びに歳出について @、(歳入の特徴) ・市税収入は6年連続の減で、前年度より2.5%減で64億円も落ち込んだ。そのうち固定資産税が12億円、市民税個人分42億円でその合計が64億円で減少分のほとんどを占める。土地神話の崩壊と不況によるリストラと失業がその原因だ。98年度3000億円に迫っていた市税収入と比べると今年度で550億円も落ち込み、1989年度の水準に落ち込んだことになる。 ・地方交付税は1110億円と対前年で17億円減となっているが、実際には国の三位一体改革による地方交付税の改革によって臨時財政対策債の減額も含めて173億円が当初予算見込みより減額されたことになった。また、国庫補助負担金の改革で32億円が減額され、税源以上で25億円の増はあるものの、国の三位一体改革で180億円減の影響を受けたことが昨年12月の3000人職員削減の「行政経営方針」の発表となった。 |
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| ・地方交付税は1110億円で歳入総額の13.5%を占め、ちなみに、震災前の平成6年には地方交付税が410億円で、震災復興で地方交付税が増えたこともあるが、それ以上に神戸市の財政力が落ちていることを証明している。地方交付税額では政令市で札幌に次いで2番目に多い自治体になっている。神戸市は必要性の議論よりも地方交付税の裏打ちがある事業には積極的に手を上げてきたことが、地方交付税への過度の依存招き、国による地方交付税改革で、173億円もの影響を受ける大きな要因になっている。 ・国庫支出金の9.7%増は、生活保護の増加にため。 |
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| A、(歳出の特徴) 1,目的別内訳 ・民生費については前年比3.9%の増だが、そのほとんどは生活保護など扶助費の増。その他、教育費や土木費・住宅費や商工費、農政費などはシーリングの実施などでほとんどが横ばいか減少している。 ・都市計画費は29.9%の増だが、復興区画整理事業などの予算を前倒ししたため。 |
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| 2,性質別内訳 ・生活保護費と児童福祉費などの扶助費が今年度も昨年に引き続き75億円近くも増えている。長引く不況と震災の影響で、生活保護が飛躍的に増加し、補正予算を組むことがあたりまえのような状況になっている。 ・借金払いである公債費は1647億円と前年度に比べて3.0%伸びとなっている。今年度がピークと聞いている。 ・平成5年度で2733億円あった投資的経費は782億円と2000億円近くも減少しています。 また、物件費・補助費等の経費も平成11年度1764億円であったものが平成16年度予算案では1149億円と615億円も削減されている。投資的経費といって学校や市営住宅や道路補修など日常的な市民生活につながるものも多く、これが極端に減らされるという |
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| ことは市民生活に大きな影響がでることを意味する。建設局では管理する道路路線が増えているにも関わらず道路補修費が平成11年に25億円あったものが、平成15年予算では22億円に削減されている。また、生活文化観光局では市民文化振興財団への補助金が平成10年10億円が平成14年には8億2千万円に削減、また、各区民センターの自主事業予算も平成10年に14億6千万円あったものが11億2千万円と3億円もの削減が行われている。教育委員会では青少年科学館や博物館などの運営に対しても、一般財源の投入実績をみると平成10年に9億5千万あったものが平成15年では6億円にまで減ってしまっている。そのため、資料代が大きく削減され展示物の購入などにも影響がでている。また一方、2700億円を越える過去の投資的経費はが、維持管理費を増大させ、また公債費を増やし、現在自由に使える財源を圧迫している。そして、人件費、扶助費、公債費の義務的経費の構成比が52.1%と財政の硬直化がすすんでいる。 |
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| 3、財源対策 (2003年予算での財源対策) 205億円 @公債基金からの繰替運用 50億円 A財産収入 50億円 B地域再生事業債 50億円 C企業会計からの支援(新都市15、水道15) 30億円 D職員給与の削減 25億円 平成12年度からの財源対策の実績 |
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| ・財源対策の基金は12年度で底をついた。公債基金(1600億円)の繰替運用も14年度 予算で底を着いたが、今回は14年度決算分の残りが50億円ありそれを充てたということ。公債基金繰替運用上限の500億円まで残り約80億円。 ・財産収入で今回50億円を計上したが、これで処分できる普通財産(公有地)は約160億円(平成13年度)で、一昨年85億円、昨年50億円予算を財産収入に充てていることを考えると、今回でほとんど底をつく状況だ。大口の土地処分が終わっていることを考えると、ほとんどが小口の土地で50億円を確保できるかどうかの見通しも不確かと言えそう。売れる見通しと言うよりも歳入の最後の調整をこの財産収入で行ったということか。 ・企業会計からの支援は今回は30億円。新都市整備事業会計から通常は35億円の支援が続いていたが、ここ3年間で24億円、18億円、12億円と減額され、今年度は15億円になった。神戸空港の建設で多額の起債を発行し、宅地分譲も進まず、ポーアイ2期での土地処分もうまくいかない中で、15億円しか見込めなかったというところか。したがって、今年度はなんと水道会計から15億円を新たに借り入れるという措置をとった。阪神水道企業団の琵琶湖再開発等の既事業への繰出し金分を一般会計が従来は負担していたが今回はその負担を水道事業者にしてもらうということらしい。これも今年度だけの措置なのかこれからも継続されるのかは不透明だ。 ・また、平成15年度予算編成後の収支不足は162億円で、昨年12月での三位一体の改革で180億円の影響が、それに市税収入の減少などで22億円など、平成16年度予算編成前の収支不足は合わせて364億円になっていた。その対策として、恒久的収支改善策として経常的経費のシーリング40億円、臨時予算のシーリング60億円、臨時予算査定減等で38億円。また、企業会計の負担区分の見直しで66億円(下水道事業55億円、病院事業11億円)の支出の削減を行った。そして、特別枠の新規事業で45億円を予算化したことで結果として159億円の恒久的な歳出の削減が昨年度の恒久的収支改善に上乗せして行われた。それに、財源対策として上記の歳入増対策が行われ205億円を確保して、364億円の収支不足額対策を行ったということだ。今後市税収入が更に悪化することが予想され、経常経費の削減は既に限界に達しており、三位一体の国の財政改革が今後も続き、神戸市財政への影響は不透明なことから、残された財源対策は極めて難しい状況だ。 |
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| 4、市債について @今年度の発行額と公債費 1,(市債) ・一般会計で612億円で前年度584億円から28億円増に。 ・特別会計・企業会計については借換債を含めて1759億円(前年度1607億円)と対前年152億円増の市債を新たに発行。一般会計も含めて2371億円と対前年比8.2%増の市債発行となっている。昨年12月の行政経営方針で市債発行を抑える内容が強調されているが残念ながら今年度予算でも市債の発行が180億円も増えているのである。 空港島埋立てなど新都市整備事業会計で354億円(前年度346億円)の市債を新たに発行。平成16年度末残高見込みでの神戸空港関連の港湾事業会計とこの新都市整備事業会計の両事業でなんと1年間の神戸市の一般会計予算に近づく7366億円(平成15年度末残高7327億円)を越える借金を抱えることに。一般会計でいくら市債の発行を抑えようとしても、収益事業でたくさんの市債を発行する仕組みになっている。 2,(公債費) ・一般会計での公債費は1648億円(前年度1600億円)。市税収入が2445億円で、市税収入の67%(前年64%一昨年は58%)。つまり収入の約7割が借金返しに。家計でいえば20万円の収入で14万円がローンの返済に回るということなる。 ・企業会計・特別会計では起債の償還が今年度2050億円(前年度1779億円、一昨年度1224億円)。借換債を除けば一般会計・公債基金からの繰入と合わせると3698億円(前年度3379億円、一昨年度2934億円)も借金返しすることになる。 市税収入を1200億円も超えた借金返しが行なわれているということだ。企業会計が破綻すれば、20万円の収入では払えきれない状況になるということである。 |
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(平成16年度市債収入及び年度末現在高) 単位は千円
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| A、市債の現在高と推移(神戸市都市経営の破綻) ・2004年度末見込で市債残高は3兆2031億円(前年度末見込3兆2672億円。市債残高は前年度641億円減ることに。赤ちゃんまで入れて市民一人あたり220万円の借金を抱えることに。 ・今年度の一般会計の公債費は過去最高の1648億円。ところが元金償還見込みは783億円、そして、減債積立金は420億円で、435億円は利子の支払いだけで消えていくことになる。バブル前の利子の高いものも抱え、いくら公債費を積んでも利子の支払いだけで消えていく仕組みになってしまっている。今回、職員のリストラ、経常経費の削減、市民福祉制度の切捨てや公営企業への負担区分の見直しなどで、収支不足額364億円の解消が行われたが、それをはるかに超える金額が一般会計の利子の支払いだけで消えていってしまうということである。バブル期の事業の付けである利子払い等で435億円が消えていくことを考えると、過去の財政運営の反省が必要だ。過去の借金の返済で、現在の市民が苦しむという構図になっている。神戸市を支えてきた起債主義がこういう形で破綻しているということだ。世代間公平論を主張していた神戸市当局の起債主義肯定論は過去の借金で今の世代が苦しむという現実となっている。 |
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平成14年度末現在市債会計別利率別現在高(単位:千円,%) |
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B、公債費比率と起債制限比率について |
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・12年度で23.4%13年度で24.2%、14年度で24.7%、15年度見込みで25%を超え、今回の予算で26%を大きく越えることになる。20%を越えると一般単独事業債が起こせなくなる。自治体財政の破綻を食い止めるためにある手法で、一般会計の市債が対象となるが、企業会計など収益事業の市債については計算の対象とならない。今年度の予算を見ても起債制限比率を押し上げる一般会計の市債の発行額は減らそうとしているが、起債制限比率の計算に含まれない企業会計など収益事業については市債の発行を抑える必要はなく、したがって空港事業や港湾事業、新都市整備事業、高速鉄道事業などではまだまだ市債が発行できると言うことだ。神戸の場合、本来であれば一般単独事業債は認められないところだが、震災特例で認められている。震災がなければ起債制限で大変になっているところだ。財政的には震災を理由にして、通常事業を震災復興事業に含めて、補助率の高い事業に仕立てそして、起債制限比率が20%を超えても特例で一般単独事業債が認められるなど、震災に財政運営が助けられているというのが実態だ。 |
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5、企業会計収支の現状(単位は百万円 ) |
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| ・8会計の内5会計が赤字予算。特に港湾事業会計は今回黒字予算になっているもののこれは土地売却などの臨時収入があったもので経常的には赤字であり、実際には3691億円の企業債を抱え、ポーアイや神港突堤など空きバースや背後地などの売却処分ができなければ大変なことになる。新規バースができるたびに、古いバースが空いていくという仕組みそのものを見直すことが必要だ。六甲アイランド南高規格バースを中止しようという矢田市長の公約はこの辺から出てきているということだ。港湾関連用地だけで70ヘクタールが売れ残っている。公共専用バースの3割以上が空きバースになっている。 ・公共デベロッパーに象徴される神戸の開発行政を支えてきたのは新都市整備事業だ。 新都市整備事業会計は平成13年度末実績で基金や現金預金で使えるお金は1661億円あり、それが神戸市の破綻財政を支えている。しかし、平成16年度末見込の企業債は3674億円になり、このまま店じまいをすれば逆に、2000億円を超える借金を抱えるということになる。したがって、ポーアイ二期や複合産業団地、そして空港関連用地、宅地分譲などが進まなければ2000億円の不良債権の土地を所有するということになるわけだ。今年度の土地売却収益見込は147億円(前年度185億円)で、89年度には土地売却収益の実績が890億円あったことを考えると740億円を越える減収となっている。平成14年度決算では、平成13年度決算の純利益19億円から平成14年度では26億円と一旦改善されたが、平成15年度は17億円そして平成16年度予算ではわずか6億円の純利益にまで落ち込んでいる。民間への土地売却はポーアイ2期に限らず、好調だった西神での宅地分譲も進んでいないことが大きな原因になっている。ポーアイ2期での土地処分が進まず、起債の償還ができず平成13年度には108億円平成14年度には132億を2年間で240億円も借換えする財政措置をとらざるおえなくなっている。また、流動資産から流動負債を引いた資金残高も平成10年度に875億円あったものが平成14年度では321億円とこの5年間で554億円も減少している。平成16年度予算で基金が1272億円ありながらも企業債の未償還残高が3674億円もあり、既にポーアイ2期の償還が始まっており、土地処分が進まない中で結果2年間連続で240億円も借換えで償還を先送りせざるおえない状況であり、これに、空港事業にかかるポートアイランド沖事業での起債1790億円の償還が始まれば、長期金利の上昇が予想される市況情勢の中でいつまでも借換債では対応できない時期が来ることが予想される。これまでのように土地処分が進まなければ、この唯一好調に見えるこの新都市整備事業が、神戸市倒産の誘引になる可能性が高まっている。 ・高速鉄道事業は平成16年度末市債残高は2413億円となり、海岸線は開業して今年で3年目を迎えるが1日の乗降客が34000人と、当初見込み80000人(計画段階は130000人)からほど遠く、収支も今年度52億円(前年度62億円)の赤字を見込んでいる。海岸線開業19年でランニング黒との見通しは大幅修正を迫られることになる。また、当年度未処理欠損金は1062億円で15年度1008億円で、毎年50億円も膨らんでいる。 ・自動車事業会計は3年続きの赤字予算。そして今年度は23億円の赤字予算。地下鉄海岸線の開業に絡んでバス路線の全面見直しを行なったが財政的な効果は見られなかったということだ。そして、職員の不祥事や事故が多発して、交通局の体質そのものが問われる事態となっている。一般会計からの繰出し基準の見直しで一般会計からの補助金が更に減らされ、新たな経営計画が発表され、14年度から18年度で自動車事業で234人の削減、路線の民営委託化などが検討され、組合には大量の人員削減と民間委託の提案がなされていると聞く。しかも、未処理欠損金が295億円あり、自動車事業の位置づけそのものの検討が求められる。 ・病院事業会計は昨年の黒字予算から今回は7億円の赤字予算に転落。繰出し基準の見直しで病院職員の退職金負担が一般会計補助からはずされたことが原因。病院事業会計は今後中央市民病院のリニューアル問題が大きな課題に。医療産業都市構想を支えるために中央市民病院が先端医療センターと隣接するポーアイ2期への移転を市長が表明。中央市民病院は、現在でも建設時の残債を100億円残し、累積欠損金は平成14年度末で327億円にのぼっている。この移転新築は600億円とも700億円とも言われる新たな事業費をもたらすことに。建設と運営資金を節約するためPFI方式や独立法人化などが検討されているようだが、無から有は生れないことを肝に銘じるべきだ。市民の健康を守ることに全力をあげるべきの市民病院が産業政策優先の病院に変更されるのでは危惧が広がっている。 ・水道事業会計も今回から赤字予算。今回の赤字は従来一般会計が負担していた琵琶湖再開発事業などへの阪神水道企業団への負担金を水道事業に肩代わりさせたことが原因。財源対策の水道事業からの15億円の支援がこれにあたる。しかも、これが今年度だけの措置なのか明らかでなく、これが通年化すれば当然水道事業会計を悪化させることは明らかであり将来の市民負担増につながることになる。 ・下水道事業会計は今年度も赤字予算。特に今年度は一般会計からの繰出し基準の見直しで一般会計から補助が55億円の削減されることに。これで一般会計からの補助はほとんどなくなることに。この対応策として、みなし償却の適用の拡大や雨水処理経費の見直し、企業債の一括償還などの工夫がなされた。ただみなし償却には問題もある。この手法によれば、減価償却費が減少するため収支は好転するが、資金的には補助金等相当額が会計内に蓄積されないため、改築・更新時に再度の財源措置が必要になるということだ。当局は国の動向が改築・更新などに国の補助が廃止されることは当面ないだろうとの判断でみなし償却を行ったということだが、国の補助金削減の方向が今後も続くことからこれも不透明といわざるを得ない。当面は市民の負担増は回避するとの答弁がなされているが、赤字が蓄積していくことには変わりなく、更新が集中する時期での資金不足が心配される。 |
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| 6、特別会計 ・市街地再開発事業についても、平成12年度で市債残高が582億円であったものが、平成15年度末には1044億円に膨れ上がり、更に平成16年度末には1121億円にもなる。今年から、新長田駅前での復興再開発が本格化することになり、平成16年度までに更に積みあがることになる。再開発は保留床を売却することによって事業費を生み出す手法であり、土地が上がるということが前提になった手法である。したがって、バブルが崩壊して土地神話が崩れている今の状況の中で、保留床が高く売れて事業費が還てくることになるのか多いに疑問といわなければならない。売れ残ることが予想されるものが賃貸に移行する現状にあり、事業費が還えってくることはますます難しくなってきている。新長田再開発事業については、これからの事業については当初計画の見直しが大きな課題であり、また市債残高が今後どれだけ膨れ上がっていくのか財政計画についても明らかにするべきである。海のポーアイ2期と陸の市街地再開発事業はある意味で同じ現実に直面している。 ・海岸環境整備事業会計での、アジュール舞子事業については元利償還総額が194億円で、償還済み額が平成14年度末累計で57億円で、その内一般財源が平成10年から14年末で、既に54億円が投入されてる。償還残額は償還が終わる平成18年まで、まだ137億円も残っている。今年度は東側利便施設の売却収益として28億円が経常された。今回の措置は土地利用を見直し福祉施設や学校用地にまで用途を広げるものであり、当初の枠組みの大きな変更と言える。28億円売却が成功しても、残りの100億円については今だ目途が立たずこのままいけば、更に一般会計からのお金を投入することになる。本来この事業は、土地造成して、これを売却して、事業費を賄うと言うことで、一般財源は基本的に使わないということだった。このままいけば、一般財源で海に公園を造っただけの事業になりかねない状況がでてきているということだ。そうであるならば、当初の財政計画を変更して、市民に一般会計からの負担を求めざるを得なくなったことを明らかにして、財政計画の変更を市民に明らかにするべきだ。このように、バブル時代にはじめた第3セクター事業やCCZ事業がことごとく失敗に終わり、そのツケに多額の資金(市民の税金)が使われている。これと同じようなことが新都市整備事業で始まれば神戸市財政は大変なことになります。 |
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| 7、今年度予算の主要施策の問題点について @綱渡りの財源対策は実質市民負担への転嫁 2003年度予算編成後の収支不足は162億円。ところが、小泉首相の三位一体改革の影響で、2004年度予算では更に180億円の影響がでることが明らかに。また、財政状況の変化による22億円の収支不足も含めると、2004年度予算編成前の収支不足額は364億円に。したがって、下水道事業や病院事業の負担区分の見直しをはじめ、経常経費や臨時予算の削減などで159億円の経費を削減。また財源対策として公債基金から50億円をはじめ新都市整備事業から15億円そしてなんと水道事業会計から15億円の支援を受けることに。水道事業にそんな余裕があるなら高いと言われている水道料金の見直しこそ優先されるべきだ。また、土地処分で50億円職員給与の削減と地域再生事業債の発行で総額205億円の財源対策が提案されている。売れる土地も底をつき、公債基金からの借入れもこれが最後。また、下水道事業の負担区分の見直しは近い将来、下水道料金の値上げを意味し、水道事業からの支援も含め、今回の収支不足対策は新たな市民負担への道を開くものだ。 A建設財源枯渇の神戸空港関連予算新たに329億円 建設財源である1037億円の土地処分が進まず、既に新都市整備事業会計から225億円の一時借入れや、当初予定の起債1743億円を1790億円と約50億円も増額せざる終えない状況になっている。そして、平成15年度ベースで土地処分は550億円不足するにいたっている。既に、建設財源であった旅客ターミナル用地や貨物ターミナル用地、駐車場用地も売却から賃貸そして開港後に先送りされるなど、予定収入400億円は宙に浮いている。また、新交通ポートアイランド線が8両編成になる時期は委員会答弁では明示されず、16年度の処分対象で建設財源になっている鉄道車庫用地210億円もこのままでは宙に浮くのは明らかだ。1037億円の建設財源である土地処分の内、土地処分の実績は平成15年度ベース当初計画の676億円が128億円しかなく、平成16年度ベース当初計画985億円も土地処分のあてはなく、今年度も国の用地代が入らない見通しで、850億円を超える財源不足がでることは明らかだ。 わかりやすく言えば、マンション業者が100戸入居予定のマンションを建設する計画を立てたが、その資金が足りないということで、建設をしながら、できてもいない部屋を30戸予定売却をして、その資金に充てるということで建設を始めた。ところが、実際に売れたのは5戸程度で、建設資金が枯渇し始めた。応援する言ってくれた親会社も不況だと言って応援資金をくれない。とうとう、今まで建設してきたマンションのリニューアルや過去の借金の返済のための留保資金から借り入れなければならなくなってきたと言うのが今の空港建設財政の現状だ。 しかも、国の用地代164億円がすべて平成17年度までに入らなければ、国の補助金適正化法との関係で、神戸空港の平成17年秋開港も危ぶまれる状況にあると言わなければならない。委員会で局長は、「国土交通省が神戸空港を認めているのだから、補助金が入らないと言うことがあっても、補助金適正化法に矛盾しない手立てを国土交通省が考えてくれるだろう。17年秋開港は実現できるものと期待しいる。」と答弁したが、上物の国からの補助金33億円を今回予算に計上したが、17年までに用地代164億円のすべてが入る可能性は、国の小泉構造改革による補助金制度の見直しの中で極めて厳しい状況だ。 |
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また、従来の需要予測の変更が行われたがこの新しい需要予測の結果に市民からの反発が広がっている。今回は便数も含めたロジットモデルでの予測を行なったということだった。しかし、今回のロジットモデルのパラメータ値は所用時間や時間価値が以上に低くなるように設定され、しかも需要予測範囲が関西全域に拡張されたことからなんと2015年の神戸空港の需要予測は706万人にもなった。神戸からの需要は87万人にたして、大阪府北部は287万人、そして京都府からは神戸よりも多い110万人も需要があるというのだ。しかし、神戸空港の発着枠は1日60回の制限があることからオーバーフロー旅客272万人を差引き、最終的な2015年度の需要予測は434万人となるというのが最終結果だ。ところが、この需要434万人でも東京便を例に取るならば、神戸市からの乗客は16.5%に比して大阪府北部から乗客は62.4%にもなるというのである。伊丹空港があるのに豊中や高槻、箕面から神戸空港に東京へ行くために、神戸市よりもたくさんの人がくるなどありえないことだ。神戸空港需要予測の再見直しが求められる。 Bポーアイ2期への移転ありきの 中央市民病院基本構想・計画策定 先端医療センターと中央市民病院を隣接させようと平成14年からら移転の話がでてきた。そして、一年間かけて懇話会が開かれ、昨年3月に懇話会報告がだされ、この懇話会で新社会党の代表や市民代表は、「現状の市民病院は将来の拡張を前提に設計されており、改修で現状の医療ニーズに十分答えうる。したがって移転の根拠が不明確だ」「住民の利便性からも現地改修が望ましい」「神戸市の財政事情が大変な時に600億円もの移転建設費用をだすことは市民感情からも認められない。しかも、起債の未償還がまだ100億円もある。財政上移転は無理」などの主張を行った。また、神戸医師会も「現地で改修するべき」と私たちと同じ主張だった。そして、最終的に懇話会は昨年3月に移転と現地改修、そして外来を現在地に残すとの3案併記の答申をだした。 そして、突如の2月の「移転方針報道」、そして矢田市長の3月3日の本会議での「私としては先端医療センターと隣接するポーアイ2期が望ましい」との発言が飛び出し、この間の懇話会の議論がどうなったのか。中央市民病院は、現在でも建設時の残債を100億円残し、累積欠損金は平成14年度末で327億円にのぼり、25億円の不良債務も発生している。しかも、本隊の一般会計も病院会計への繰出し基準を見直さざるおえない状況だ。建設や運営についてはPFI方式や独立法人化も検討されるようだが、これらすべて検討段階であり今回基本構想、計画の策定予算として5000万円が計上されている。しかも、その検討の最重要の課題は立地問題であったはずだ。ところが、市長の私見でのポーアイ2期への移転発言は、これからの検討内容の可能性を極めて狭めるものだ。一職員の発言でなく、政策決定の最高責任者がこれから検討してもらうと自らが提案した予算案の審議中に検討課題の結論をだしてしまうなど前代未聞だ。検討の結果が現地改修になった場合、市長はどう責任を取るのか。医療産業都市を成功させるとの名目で市民の健康や利便性などを横に追いやっていいのか。憤りを感じる。 C市民参画3条例案は単なる市民「合意調達機関」か 今回の予算審議で大きな焦点になるのは市民参画3条例案と個人情報保護条例の改正案についてです。特に、市民参画3条例案については、多くの市民から、住民投票の手続きが明記されていないこと、提出意見の処理方法のあいまいさ、外部評価の「市民から」「市民の目線」など基準があいまいなこと、外部評価委員の選任が当局任せであるなどたくさんの問題点が指摘されている。このままの内容では、市民の意見が反映することになるとは思えず、単なる「合意調達機関」になる恐れさえある。 D福祉施策の後退と値上げラッシュ 今回の予算案で敬老祝い金がとうとう88歳と100歳のみに支給されるよう変更に。また、小児ぜんそく等調査事業も今年12月で廃止。児童館も民間委託に。生活保護での夏期、冬期見舞金が廃止。また、墓園使用料、保育料、経費老人ホーム、受講料、病院初診加算額、六甲山牧場入場料、高校・幼稚園授業料など軒並み大幅値上げが提案されている。不況と失業が一層深刻になる中、市民の健康と福祉を守る責務を持つ自治体の責任として、これ以上の福祉の切捨てと値上げは見送るべきだ。 E医療産業都市構想に今後20年間、毎年12億円総額240億円も投入 医療産業都市構想は、臨床病床を持つ先端医療センターが平成15年度から本格稼動している。理化学研究所が運営する発生・再生科学総合研究所も本格的な研究活動が始まり、いくつかの医療関連企業が進出または進出を決定するなど、構想から具体化に移りつつある段階となってきた。GE横川メディカルシステム株式会社が来年6月を目処に、西日本統括拠点をポートアイランド2期へ移転するが、ポーアイ2期のビルの一室で事足りる規模であり、他の進出企業28社についてもすべてがビルの一室でありアンテナショップの域をでていない状況だ。また、進出企業に10年間無償で土地を貸しつけるパイロットエンタープライスゾーンも6haの募集に対して、2社で3haの応募しかなく、無償貸与でこの結果だからポーアイ2期の土地処分は極めて難しい状況だ。医療産業都市構想が市内中小企業の振興に大きな役割を果すことが期待されているが、医療器械・器具ではあまり目立った開発成果は見られず、先端医療センターに納入したものがほとんでで、事業化できる目途は全く立っていない。医療産業都市を国から支えてもらうための医療特区も混合診療や外国医師の参入問題など規制緩和になるのでないかと神戸市医師会が反対しており多くの問題を残している。 先端医療センターが昨年から稼動しているが、施設で市は154億円を既に投資をしている。一般会計に関わるものは市債を含めると154億円中86億円にもなっている。さらに今年度は、17億円の予算がが計上されている。当局は投資はほぼ終わっていると説明しているが、先端医療センターの運営費は毎年12億円を一般会計から負担するとしている。しかも、空港新産業特別委員会での答弁では12億円を最低でも20年間は必要ということで、これらを計算するとなんと240億円も一般会計から持ち出すことになる。これには研究者の人件費などが含まれておらず、研究が本格化するときには外国からも研究者を招く必要があり、この人件費も今後膨れていくことは確実だ。それに新たな研究資材や医療機械の購入を継続しなければ十分な研究が行えないことから実際には、これら研究がパテントを取って、市に金が還流されるまで、一体いくらの投資をしなければならないのか、当局は明らかにしていない。 |
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