議会あれこれ


2004年3.29本会議請願討論
 私は新社会党神戸市会議員団を代表して、請願第35号、請願第38号から請願第41号、請願第43号から請願第45号の以上8請願について委員長報告に反対して、請願に賛成する立場で討論いたします。
 これら請願はいずれも、神戸空港の建設に関わるもので、関西三空港の分担の話合いの情報の公開を求めるものや、環境問題、財政問題、需要予測の見直しなどを問題として、神戸空港の中止を求めているものなどです。
 神戸空港は着工され、事業費ベースで7割を超える埋め立てが行われ、既に連絡橋もほぼ完成して、来月からは陸路での空港島の乗り入れが可能になると言われる状況にありながらも、市民の中には神戸空港建設に反対する声は強く、特に、環境問題や需要予測や財政見通し、そして空域調整問題などに未解明・未解決の課題があり、請願陳情が毎回の特別委員会に多数寄せられています。
 財政問題では、建設財源である1037億円の土地処分は依然として進んでおらず、委員会では、平成16年度予算ベースと公表財政計画での比較を質疑したところ、土地処分は公表財政計画ベースでは985億円の予定であったものが、現状では137億円しか売れておらず、848億円もの誤差がでていることが明らかになりました。これでは、建設そのものに支障をきたすということから、局長は、当初予定の起債を1743億円から2014億円と271億円も増額したこと、また一方事業費では公表財政計画ベースでの2526億円を、2290億円と236億円を現状で圧縮していることを答弁しました。しかし、この事業費の圧縮は、2780億円の空港島埋め立て事業総体を圧縮したものになるかどうかは質疑の中でも依然として不明であり、局長も今後650億円の財源手当の必要を認め、土地処分と新都市整備事業からの一時借入れなどで対応したいとのことでした。
 しかし、既に、建設財源であった旅客ターミナル用地や貨物ターミナル用地、駐車場用地も「小さく生んで大きく育てる」方針で、予定400億円は宙に浮いています。また、新交通ポートアイランド線の延伸も当初建設予算であった1200億円はどこかに消えてしまい現在では560億円に圧縮されています。8両編成になる目途はたたず、16年度の処分対象である鉄道車庫用地210億円を新交通が手当てする可能性は皆無と言わなければなりません。また、ヘリポート予定地についても12.8ha、346億円の土地処分が予定されていますが、現状のヘリポートを移設したとしても3haにしかならず、残りの10ha一体どうするのかについて、大きな疑問です。また、滑走路の用地代の国庫補助についても、国の財政事情の中でいつ入るのかの目途はたっていません。今、私が述べたこれらの事業は、いずれも民間に対する土地処分でなく、国や神戸市の直接間接に関与した部分の土地処分です。 当初これらだけは、最低でも土地処分ができると思っていた部分がこんな惨状ですから、民間への土地処分への期待は皆無と言わなければなりません。
 新都市整備事業会計には基金も含めた1400億円近くの現金預金がありながらも、市債残高は既に3675億円もあり、ポーアイ2期での起債の償還が既に始まり、毎回借換えで先送りせざるをえない状況がでています。このまま土地処分ができず、ポーアイ2期や空港島埋め立て事業での起債の償還が重なってきた時には、起債の償還ができないというような事態が起こりかねないといわざるをえません。新都市整備事業で起債償還ができないということになれば、アジュール舞子事業のように一般会計から償還財源を求めざるをえないという事態になり、それは直接神戸市財政総体の破綻を意味します。極めて危険な現状といわざるをえません。
 また、需要予測も、ロジットモデルのパラメータ値は所用時間や時間価値が異常に低くなるように設定され、しかも需要予測範囲が関西全域に拡張されたことからなんと2015年の神戸空港の需要予測は706万人にもなったのです。神戸からの需要は87万人にたいして、大阪府北部は287万人、そして京都府からは神戸よりも多い110万人も需要があるというのです。しかし、神戸空港の発着枠は1日60回の制限があることからオーバーフロー旅客272万人を差引き、最終的な2015年度の需要予測は434万人となるというのが最終結果です。ところが、この需要434万人でも東京便を例に取るならば、神戸市からの乗客は16.5%に比して大阪府北部から乗客は62.4%にもなるというのです。伊丹空港があるのに豊中や高槻、箕面から神戸空港に東京へ行くために、神戸市よりもたくさんの人がくるでしょうか。こうなった原因はパラメーター 値をあまりにも低く設定したからです。神戸空港需要予測の再見直しが必要です。
 海洋環境問題では、神戸大学の讃岐田研究室を中心とした市民グループが2001年から3年間、夏季に独自の海洋環境調査を行ない、神戸空港の埋立工事で既に潮流への影響が出始めていることを明らかにしています。また、神戸市環境局が提示をした1992年度から2002年度に至る11年間の空港島東側での溶存酸素についての経年変化のグラフを見ても、空港着工後、護岸の建設が進む時期と見合って、空港島東での溶存酸素が急激に減少して、環境悪化が裏付けられています。この件について、空港整備本部や環境局はこの3年間が高温で雨が少なかったことを根拠に、空港島の埋立てが原因でないと答弁してきました。しかし、高温や降雨量の減少が、低層水温にいかに影響したのかが重要であり、環境局の資料でも、この時期の低層水温に目だった変化はみられないのです。また、2003年の環境局の調査での速報値では、低温多雨であった今年7月の調査でも六甲アイランド南での低層DO値は0.6ppmと、平成4年以来の7月データーと比べても最も悪い結果がでています。「高温少雨の気候であったから、低層DO値が減少した」との当局の説明は今回の環境局の調査結果で低温多雨の気候でも同じDO値の減少がでたこことで、完全に崩壊しました。したがって、空港島東側での低層での溶存酸素の低下は、気候条件でなく、空港島建設によるものと考えるのが至当といわなければなりません。環境アセスのやり直しを求めるものです。
 最後に関西三空港の役割分担についてです。
 局長は委員会質疑で「関空は国際拠点空港、大阪空港は国内基幹空港、神戸空港は神戸都市圏を中心とした地方ローカル空港」との位置づけで、既に役割分担は終わっていると強弁されました。また、2003年2月に発足した大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市、国交省による「関西三空港懇談会」でも、その基本に基づいてお互いの空港がより活性化することを話し合うことになっているとも答弁されました。
 しかし、関西三空港の役割分担が出てきた背景には、自民党の野中広務氏の「神戸空港は不要と小泉首相に進言」発言や太田大阪府知事や扇前国土交通相の「関西3空港は必要ない発言」や、関西財界を中心とした「神戸空港の必要性への疑問」が大きく作用していることは明らかです。したがって、国土交通省航空局が主催する第4回航空に関する懇談会では、関西三空港の機能をどう分担するかがテーマとなって話し合われ、関経連の秋山会長は「神戸空港に路線が移ると、伊丹空港への路線が減り、更に関空への国内便が伊丹空港に流れてしまうなど、悪循環になる。市場原理に任せるならば、関空への国内線が減り、結果として国益的にも損になる」と神戸空港の位置づけを明確にするよう求めています。また、鳥海座長代理にいたっては「神戸空港についても、埋立をしてしまったから事業を進めるということは、民間企業では通りません。作ったことによって、会社がおかしくなるというのであれば、今まで投資は投資として、中止するべきです。地方に行くと、そのような投資はたくさんあります。先日の長崎に行ってきましたが、埋立されたところが全く使われず、空き地になっていました。ですが、空き地で残すのも、一つの解決方法です。日本人は、総括することは忘れがちですが、今後のためにも、是非、行政が総括するべきです。」とまで言い、神戸空港の中止にまで言及しています。この懇談会自体は局長が言うように役割分担の結論をだすものではありませんが、神戸空港の必要性そのものの議論が再燃していると言っても過言ではなりません。しかも、この会議は、局長が3空港の役割が既に決まったもと言った昨年2月の発足後の、11月13日に開かれています。
 私たちが神戸空港の一番の問題点は関西で3つも空港が必要なのかどうかであり、この問題が神戸市民的にも関西財界も含めた関西全体の中でも整理されていないと言うことではないでしょうか。しかも、来年2月には中部国際空港が開港して、関西そのものがより落ち込むのではないかとの危惧からより深刻な問題として提起されてきていると言うことです。神戸空港の必要性の議論を避けてきたことがここにきて大変な現状を生み出しているのではないでしょうか。空港島は出来ても空港としては機能し得ないものになるのではないでしょうか。したがって、既に空港島は出来上がってきましたが、今だに未解決・未解明の過大が山積みであり、即刻中止するべきです。
 以上の理由で、請願第35号、請願第38号から請願第41号、請願第43号から請願第45号の以上8請願について委員長報告に反対して、請願に賛成する立場での討論といたします。賛同をよろしくお願いいたします。