議会あれこれ 

2010年度第1回定例市会

 都市計画総局 交通局 消防局 みなと総局 産業振興局 総括質疑 議案討論

予算分科会質疑

都市計画総局
1、都市計画総局所管の外郭団体のあり方について
 平成21年6月に総務省から「第3セクター等の抜本的改革の推進について」の指針が示された。財政健全化法に対応して、この指針が示され、自治体として平成25年までに集中して第3セクターの整理、再生を行わなければならないことになった。
 中味を見させていただいたが、神戸市の外郭団体にとって大変な内容だ。例えば、赤字補填での公的支援は認めない、資金調達での損失保障は認めない、短期貸付けを反復かつ継続的に実施する支援の見直しが指摘されている。
 都市計画総局所管の団体では、損失補償している団体が、住宅供給公社300億円、短期貸付けを反復している団体は、都市整備公社175億円、住宅供給公社は30億円だ。
 また、今回の包括外部監査報告でも、土地開発公社は土地先行取得の役割は終わったと解散の検討を示唆され、住宅供給公社も住宅供給の役割を終わったことなどから、そのあり方の検討が指摘されている。
 住宅供給公社では今回、業務を市へ戻すなどの職制改正が提案されているが、一方、特優賃管理業務や民間借上の丸抱え管理などでは、更に赤字が膨らむ状態もあり、総務省の指針をクリアーするのは難しいのではないか。どんな検討が行われているのか、見解を
 また、3外郭団体の統一した中期計画がすでに始まっているが、統合を検討しているのか。見解を

答弁
 住宅供給公社については、有識者で検討委員会を開き、住宅供給は終了し、借り上げ特優賃などでの負担が増えており、そのあり方を検討すべきといわれている。また、土地整備公社については法人形態そのものを変えないといけなくなっている。また、土地開発公社は包括外部監査報告で土地先行取得の役割が終わったと、解散を提言されている。それぞれ、取り巻く環境は厳しく、企画庁政局所管の外郭団体検討委員会で検証が行われており、この4月には何らかの指針が示されてくると考えている。
 また、統合についてはそれぞれの設置の法律があり、統合するには乗り越えなければならない課題がたくさんあるのでないか。

再質疑
 土地整備公社についての法人形態の変更とはどういうことか。

答弁
 公益法人か法人かの選択をしなければならなくなっている。

2、市営住宅家賃の減免見直し問題について
 昨年4月から家賃の減免制度が大きく変更された。それにより、家賃が上がり、中には生活保護基準以下の生活を強いられる世帯もでてきている。先日、相談があり、その方は70歳を越える高齢女性で1人暮らし、年収は84万4790円。すでに、生活保護基準にあるが、生活保護を受けず頑張ってこられた。ところが、今回の減免制度の見直しと震災特例の終了で本来家賃が上がり、減免も7割減免から5割減免になった。それゆえに、家賃が9300円から16900円になってしました。それに、共益費を含めると2万円を越え、家賃を除いた生活費が月に5万円と、とうとう生活保護を決断せざるを得なくなった。この人の場合は、すでに生活保護基準を満たしている人であるけれども、生活保護基準を上回っている人に中にも、家賃の上昇で生活保護基準を下回ってしまう逆転現象が起きているのではないか。そのような実態を把握されているのか。見解を
 生活保護基準以下の収入者はもちろん、逆転現象者が起こっている世帯については、減免制度を見直すべきでないか。

答弁
 従来は政令月収方式での家賃算定だった。この場合、所得の種類や家族をを含めた控除などもあり、正しく居住者の生活実態を反映していないもので、公平さに問題があった。 今回の制度は生活保護基準を下に算定させていただいたが、生活保護制度とはちがい、その人の生活全体を把握したものでない。したがって、今回の制度で生活保護基準と逆転した現象が出ているのは事実だが、制度上この方法しかなく見直すつもりはない。

質疑
 神戸市全体では、今回の減免制度の見直しで、逆に生活保護者を増やし、財政負担が逆に増えているのでないか。先ほど紹介した人と同じ条件で、年収が104万円の場合、生活保護基準は超えているが、減免制度の変更で、家賃が16900円となり、生活費は70000円しかなく、保護基準の77000円を下回ることになる。政令月収方式からの変更にクレームをつけているのでなく、生活保護基準前後の人々が一番被害をこうむっており、対策を検討するべきだ。

答弁
 確かに、実態は理解できるが、生活全体を把握するすべが、我々にはない。生活保護制度などで考えてもらうしかない。

意見
 確かに、住宅での質疑では限界があるのかもしれない。減免制度の変更が難しければ、生活保護基準以下や逆転現象が起こっている世帯では、住宅扶助を適用するよう市長に、総括質疑で質疑したい。


交通局

1、自動車事業のありかたについて

 市バス交通調査の19年、20年の調査資料をいただいたが、現状を全体把握されただけで、将来の公共交通をどうして行くのかの方針が見えない。平成21年にも調査が行われているが、それも市街地の長大路線の調査などだ。これら調査に基づいて、事業効率を高めるとの視点で。運行本数をみなすことが提案されている。
 事業効率を高めるという視点でなく、新たな乗客需要をどう生み出してゆくか、総合交通体系をどう作り出すか、などの視点が必要でないか。ここ3年間の市バス交通調査ではそんな視点が見えない。見解を

答弁 
 交通量調査は、現状を把握し、事業効率に見合った、路線の再編成に寄与してきた。特に、21年度調査は、旧市街地の長大路線や北区の郊外路線の交通量調査で、東西路線と南北路線の関係なども調査している。 

再質疑
 第69回交通事業審議会で改善型地方公営企業を目指すべきと諮問されている。そこでは、完全民営化方式なども議論されたようだが、「公共サービスについての最終責任は行政にあるとして、特に、坂が多く、山手の方にも多くの高齢者が住んでいる神戸の地理的な特色を考慮すると、今後ますますバスへの依存が強まると考えられ、最も身近な市民の足としてバスのサービス水準の維持は重要である」と公営交通に維持の重要さが諮問されている。
  過去3回の交通量調査では実態を把握するだけで、交通事業審議会が言う「特に、坂が多く、山手の方にも多くの高齢者が住んでいる神戸の地理的な特色を考慮すると、今後ますますバスへの依存が強まると考えられ」という、需要をどう掴み生かすかとの視点が欠如している。
 更に、先の交通審議会の諮問で「「市営交通」に対しては、ただ単に利用者という受身でなく、市営交通を積極的に利用することにより支えるという主体性を市民や地域が持てるような、真の市民・地域との協働・連携も欠かせない。今後はそのような仕組みづくりも工夫されるべきとしている。」交通量調査では、更に、市民との協働の視点がどこからも出てこない。
 そこを、工夫した交通量調査が行われるべきでないか。乗客増をどう作り出すのか。市バスへの市民の期待どこにあるのか。改善型公営企業であるなら、総合交通体系の中での、政策的な視点をもった交通量調査を行うべきでないのか。見解を

 また、それに合わせて、時間短縮や神戸の地理的特色を生かした路線の発掘など、実証実験を行うべきで、その費用については一般会計からの補助で賄うなど財政的な工夫もするべきだ。

答弁
 今までも、須磨などで問題がでた路線などでは、路線の方向性を見定めるなどで、調査を行った。こんな調査のあり方も検討したい。

再質疑
 問題がある路線でなく、積極的に乗客を発掘できる条件がある路線で生かしきれていないところや、路線の新設で新たな乗客を発掘できるところなど、公共交通としての役割を自覚した交通量調査のあり方を質疑している。

答弁
 交通量調査など工夫してみたい。

2、地下鉄海岸線での長期収支計画について
 平成19年3月地下鉄海岸線事後評価報告書によると、地下鉄事業長期収支試算結果が敬老・福祉パスの利用実態に合った負担金を考慮した結果と考慮しない結果が示されている。考慮した場合単年度収支均衡は損益収支で平成23年に資金収支では平成29年。考慮しない場合は単年度収支均衡は平成55年。資金収支は平成57年度となっている。
 今回の敬老優待乗車制度が改変されて、事後評価段階と状況は変化している。新ためて、地下鉄の長期収支の現状に合った試算を行い、市民への説明責任を果たすべきと思うがどうか。

答弁
 新たな計画を策定している次期で、長期財政見通しを立てたい。それは、山手線、海岸線を一緒にした地下鉄事業全体の長期見通しになる。

再質疑
 地下鉄海岸線だけでは財政的長期見通しは立たないということか。

答弁
 そうだ。


消防局
 
1、消防団へ団員確保対策について
 今回の神戸市消防団条例改正の趣旨は、確保が難しくなっている消防団員を入団しやすくすることである。そのため在学要件を追加することにより、大学生等を消防団に任用できるよう任命要件を拡大する議案がある。
 神戸市消防団条例の任命条項には、(1)当該消防団の区域内に住所を有し、又は勤務していること。(2)年齢が18歳以上であること。(3)身体が強健であること。と定められており、欠格条項にも国籍条項は明記されていない。したがって、外国籍消防団員は神戸市において条例違反となることはなく、受け入れは可能なはずである。消防団員を増加させるため、定住外国人にも募集をかけてはどうか。
ご見解を

答弁
 最高裁判例や消防庁の過去の見解をみると、公権力の行使に関わる行為を行う消防職員はもちろん消防団員に外国人を採用することは難しい。ただ、消防庁は平成17年に行われた消防審議会で、外国人の入団を認めているのかという質問に「活動は、公権力の行使をしないという範囲であることを、外国人にご了解をいただいた上で、入団については地元の市町村、消防団と相談するよう話をしている。」と回答している。実際、定住外国人の消防団員を受け入れている市もある。たとえば、2009年4月には九州の宮崎市でコロンビア国籍のバリトバレラ・デイシー・ミリアムさん(44)が消防団員として入団している。そして、三田市でも米国オレゴン州出身デイビット・へプラーさん(49)が三田市消防団に入団している。これは、機能別消防団という考え方で、公権力の行使に関わらない機能で入団を認めているようだ。ただ、消防団団長会議で、この機能別消防団の検討など相談を行ったが、今はその時期でないとの立場だ。したがって、外国人の採用は難しい。

再質疑
 消防団の機能そのものが今、大きく変わりつつあるのでないか。ポーアイでも画期的な学生も含めた消防団ができあがっている。地域特色を持った消防団があってもいいのではないか。特に、中央区にはたくさんの定住外国人が住んでいるし、震災の時にも助け合った。また、朝鮮学校では地域の避難所になって、国籍を超えた助け合いが行われた。関東大震災で起こった朝鮮人などの虐殺事件とは大きな違いだ。国際的にも、神戸は評価されている。この神戸だから、できることではないか。この成果を、消防団への定住外国人採用に結びつけてはどうか。見解を。

答弁
 しかし、最高裁判例や消防庁の見解がある以上、公権力の行使に当たる行為が消防団には認められており、従って、採用は難しい。また、機能別消防団に議論は未だすすんでいなく。消防団に入らなくとも、防災コミュニテイ活動などで外国人の協力をしていただいたら思っている。ただ、言われる意味は非常によくわかるし、検討するべき課題と思っている。消防団長会議でもその趣旨を伝えたい。

意見
 今日は、公権力の行使とは何かとの議論はさけて質疑させていただいた。地方公務員の場合公権力の行使はあたらないという議論もある。地方公務員の採用事態でも国籍条項を撤廃している自治体もある。ただ、国籍を超えて助け合った神戸だからこの議論を越えられる思う。差別や偏見のない平和な社会を作る意味でも大切でないか。


みなと総局
1、包括外部監査報告の指摘について
 平成18年度包括外部監査報告で新都市整備事業会計が原価集計が行われていないことが指摘され、土地売却収益の4%をみなし利益としてそれを控除して、土地売却原価とする手法では、すべてのプロジェクトが完了するまでは実際の損益が確定せず、土地造成勘定として、残され続け、全体として健全財政かどうか確定できないとの指摘がなされた。
 実際、土地売却でいくら値引きが行われても、必ず4%がみなし利益とされ、それを控除した金額が土地売却とされれば、年度的にはいつも利益が出ているけれども、実は原価集計をしてみたら、会計が成り立っていなかったということにもなりかねない。との指摘でもあります。
 そして、今回の平成21年度の包括外部監査報告では、新都市整備事業の6大プロジェクトのうちすでに大半が終了したり最終段階を迎えていることを理由に、プロジェクト別に区分経理を導入し、土地造成勘定の区分経理を実現し、土地造成勘定の健全性が測定できると提案されている。
 土地造成勘定について、プロジェクト別に区分経理を導入することを検討するべきと思うがどうか。
見解を。

答弁 
 長期に及ぶ事業では、現在の財政手法が合理的であり、個別事業での区分経理をすることは、様々な事業事態の絡みもあり難しい。できる限り、市民に損益がわかりやすい財政手法については、包括外部監査からの指摘もあり検討してゆきたい。

再質疑 
 問題は市民への説明責任を果たしているかという問題だ。平成21年度予定で起債が3396億円存在している。しかし、基金での現金預金が、平成20年度末で1927億円ありそれを差し引くと、1500億円の資金不足だ。会計上、値引きしないでしかも保有土地が
売れれば、問題は解決する。しかし、今の会計手法では、値引きして売っても、必ず利益が生まれ、全体としても成り立っているのかわからない。特に、プロジェクトごとの損益にたっては完全にどんぶり勘定だ。これで、市民への説明責任を果たしたことのなるのか。

答弁
 現在の財政手法で問題があるとは考えていないが、市民にできる限りわかりやすいものにしてゆきたい。

2、海上アクセスについて
 ベイシャトルの乗客が増えているということだが、一方借り入れ金の償還が平成22年度だけで18億円。平成23年度には18億円。平成24年度には5億円を返済し、更に29億円が残る。これら、借り入れ金の返済はどうするのか。また、昨年6月に総務省から第3セクターの抜本改革の推進についての指針が示された。そこでは、反復での貸付は認めないとなっているが、この第3セクターの総務省指針とはどう整合性とるのか。
 また、海上アクセスの収支を見ると、駐車場事業が平成18年度は約1800万円、19年度は1億1千万円、20年度では1億9千万円と利益を計上している、海上運送事業者というより、駐車場事業者だ。しかも、市から開発管理事業団や埠頭公社が賃借し、海上アクセス会社に丸投げしたもの。また、市から直接海上アクセスというものもある。ポーアイや空港島だけでなく六甲アイランドまでが海上アクセスになるのは理解できない。
 また、海上アクセス社が受けながらも、駐車場業務は、業務が分割されて、数社の民間業者が実際業務を行っている。海上アクセス社にノウハウがあると言われたが保険業務、業務を分割し発注するノウハウであり、これは駐車場事業のノウハウでなくピンはねのノウハウと揶揄されても仕方がないのではないか。 
 いくら、黒字にしたいといっても、このような利益の付け替えというような手法は行うべきでないと思うがどうか。
 また、市や開発管理事業団、埠頭公社などとはすべて、随意契約か。

答弁 今年度が10年償還の借り入れの返済の年になっており、返済は難しいく会社とは先送りについて話し合っている。また、第3セクターの指針についてだが、破綻ということで整理か再生を求められることになる。すでに、外部監査で、早急な対策を指示されており、今その途上だ。
 丸投げではないかということだが、海上アクセス社では、損害保険や車庫証明などの仕事は直接行っており、一部を民間企業に委託しており、丸投げではない。
 また、随意契約は2箇所だけで、あとは入札だ。

再質疑
 直接の駐車場業務は、ほとんど民間に分割して、発注されている。海上アクセスでなくても開発管理事業団でもやれる仕事でないか。利益の付け替えといわれても仕方がないのではないか。

答弁
 議会の付帯決議に従って、海上アクセス社の仕事の一貫として利益の見込める仕事をしているわけで、利益の付け替えとは考えていない。
 


産業振興局

1、みのりの公社、株式会社神戸ワインと第3セクター抜本改正について

 平成21年6月に総務省から「第3セクター等の抜本的改革の推進について」の指針が示された。自治体として平成25年までに集中して第3セクターの整理、再生を行わなければならないことになった。赤字補填での公的支援は認めない、資金調達での損失保障は認めない、短期貸付けを反復かつ継続的に実施する支援の見直しが指摘されている。
 みのりの公社も株式会社神戸ワインも短期貸付けを反復かつ継続的に行われている。その額も、36億、30億など巨額だ。その額が減ってきている現状でない。
 株式会社神戸ワインは、フルーツフラワーパークの指定管理者を何とか受けられたようだが、ここの指定管理しか仕事がないわけで、指定選定のたびに存続そのものが問われることになる。今回は指定管理は受けられ、1難去ったが、今度は短期貸付けの反復が止められれば、これも成り立たない。また、みのりの公社も同じ状況だ。観光行政のまさに失敗策だが、今後の方向をどう考えているのか見解を
 
 また、神戸ワインを扱ってるのはみのりの公社。神戸ワインという名前がついているが、株式会社神戸ワインは、フルーツフラワーパークの指定管理者として、ホテルの運営などテーマパークと農業振興の仕事をしている。名前だけを見ると非常にわかりにくい。市民はもちろんここにいる市議会議員の中でも、混乱している人が多いと思う。
 酒税法の関係で、生産者が販売者をかねられないということで株式会社神戸ワインを設立したが、今は酒税法が改正され、みのりの公社が神戸ワインを生産し販売している。この際、それぞれ公社、会社の名前を変更してどうか。以前の質疑で局長も賛同され、次期とタイミングを検討すると答弁されたが、検討結果はどうか。見解を 
 
答弁
 検討委員会の報告もあり、短期を長期に変えるなど検討しいてる。平成20年度神戸ワインも7000万円赤字で、今年度は黒字にしたかったが、インフルエンザで難しい。みのりの公社もワインの販売に力を入れており、その成果も出てくるのではと思っている。とにかく、黒字化をはかることを当面めざしたい。
 また、株式会社神戸ワインの名称変更の問題だが、昨年、わかりやすい名前に変更したいと答弁させていただいたが、思いは同じだ。ただ、先ほどの答弁でもさせていただいたが、やっと指定管理を獲得したところで、何とか黒字化をはかりたい。それを優先させたい。

再質疑 
 名称は、黒字化の記念でさせていただくと受け止めさせていただく。
 ただ、株式会社神戸ワインは、非常に不安定だ。指定管理の指定変えのたびに、雇用問題や、倒産問題がでてくる。株式会社神戸ワインを存続させるのであれば、フルーツフラワーパーク以外の事業展開を考えるべきではないか。また、みのりの公社との合同などで、農業振興などの方向性を見出すべきでないのか。その中で、名称変更も展望できるのでないか。

答弁
 検討委員会の提言の中でも、そのことも提起されているので、そのような方向で検討してみたいと思っている。


総括質疑

1、朝鮮学校の授業料無償化について

 高校授業料無償化法案が国会で審議されている。この法案は、すべての高校はもちろん高校課程に類する各種学校にも適用される。しかし、各種学校に含まれる朝鮮学校を対象外にしようとの動きが強まり、鳩山首相も容認する姿勢だと報道されるにいたり、今注目が高まっている。兵庫県では、朝鮮高級学校の生徒達が民主党県連に対象にするよう要請し、また国連人権差別撤廃委員会でも取り上げられるなど、対象からはずすことに批判の声も上がっている。外交問題を子どもの教育問題にすりかえるべきでないと思う。
 朝鮮高級学校が全国で12校あり、その一つが神戸市の垂水区にある。神戸市は、朝鮮人が多く住み、震災でも朝鮮学校を避難所に提供するなど地域とのつながりも深い。神戸市も朝鮮学校に助成を行うなどその門戸を大きく開いてきた。本来、国の話であり、所管は県になることは十分承知している。今朝の一部報道では、政権内部で、朝鮮学校も含めるとの方向で動いているとの報道もなされているが、住民の安全と福祉、健康を守る立場にある市長として、朝鮮学校を無償化の対象とするよう表明するべきと思うが、見解を。

(小柴副市長)
 国で今法案審議が行われており、その動向を見守りたいというのが、市の立場です。

 再質疑
 市長は幼いときに苦労されて、苦学して大学を卒業された聞いている。また、人権問題や平和問題にも感心が高いことを私は知っている。しかも、国際化を標榜する神戸市長である。関東大震災では、流言卑語が飛び交い当時、朝鮮人や中国人が襲撃されるという事件が起こった。しかし、阪神淡路大震災では、逆に、朝鮮人も韓国人も中国人も国籍を超えて助け合ったことが、国際的にも高く評価された。
 こういう経験を持つ神戸市長として、対立を煽るようなことをするのでなく、是非とも無償化の対象に朝鮮学校も含めるよう声をあげていただきたい。是非とも、市長に答弁をいただきたい。
(矢田市長)
 拉致問題が底流にあり、このようなことが問題になっているように思う。私の私見を言わせてもらえるならば、高校無償化そのものに異論がある。本来、生活的に苦しいものを援助すべきで、そのための将学金制度があった。高校無償化そのものに異論がある。

意見
 人権差別の問題として聞かせていただいたのに、今の答弁では残念だ。

2、市営住宅の家賃減免について
 昨年4月から家賃の減免制度が大きく変更された。それにより、家賃が上がり、中には生活保護基準以下の生活を強いられる世帯もでてきている。
 都市計画総局の質疑では、「生活保護基準と逆転した現象が出ているのは事実だが、制度上この方法しかなく見直すつもりはない。」というものだった。
 確かに、政令月収方式より今の制度の方が現実の生活に見合った家賃査定方式になっているが、ただ、生活保護基準前後の世帯で逆転現象が起こり、結果として生活保護世帯を増やす結果となっている。
 国民健康保険等が医療や介護の自己負担分で限度額定めているが、その限度額が適用されたままでは、生活保護受給の対象になってしまう場合、限度額をい下げることで生活保護を受けなくて済むようにする境界層措置という制度がある。
 これと同じような考え方を、今回の減免制度での家賃上昇で生活保護基準を下まわってしまう境界層の適用するべきでないか。結果、生活保護の受給を回避し、市の財政負担も軽減されるのではないか。
見解を
(石井副市長)
 境界層措置と生活保護は制度的に異なるものであり、所得の低い世帯についてはそれぞれで負担の軽減を図っているのでご理解いただきたい。

(あわはら議員・意見)
 先日、相談があり、年収が104万円の方で生活保護基準は超えているが、減免制度の変更で家賃が16,900円となり、生活費は70,000円しかなく、保護基準の77,000円を下回ることになる。政令月収方式からの変更にクレームをつけているのでなく、生活保護基準前後の人々が一番被害をこうむっており、対策を検討するべきだ。したがって、一つの考え方を提示させていただいたが、境界層の世帯に、何らかの対策が必要なことは事実だと思う。


あわはら富夫議案討論

 私は新社会党神戸市会議員団を代表して先ほどの委員長報告に対し、予算第1号議案,予算第4号議案,予算第12号議案から予算第12号議案にいたる3議案,予算第16号議案,予算第17号議案,予算第20号議案から予算第23号議案にいたる4議案、および関連議案の内、第12号議案に反対する討論をいたします。
 2010年度予算案は、景気後退で個人市民税や法人市民税の大幅減がありながらも、新政権の誕生で、前政権の三味一体改革から地方主権の流れの中、地方交付税が増加し、収支不足が20億円となり、退職手当債など赤字公債を発行することなく、財産収入確保なでで収支均衡を保っています。
 しかしながら、臨時的な財源対策手段は枯渇しており、また、不況での生活苦が広がる中、扶助費が伸び、義務的経費は高い比率を維持しており、財政構造の硬直化・弾力性の低下は依然として続いています。
 一方市債残高は、この間の行財政改革や市民サービスに係る制度の見直しなどで、一般会計では大幅に減少したものの、空港島造成事業を抱えた新都市整備事業や新長田再開発事業などでは多くの起債が残されており、借換えなどで一時しのぎをしても、今後土地の売却や保留床の売却が進まなければ、起債償還財源が枯渇し、一般会計にも大きな影響を及ぼすばかりか、将来に大きなツケを残すことになりかねません。
 
バブル崩壊後も、起債・土地処分・償還との発想を変えず、空港造成事業や市街地再開発事業を進めてきたことが、このような危うい状況を作り出してしまっています。過去の起債主義に対する明確な反省が必要です。
 また、六甲シンフォニーホールでの土地先行取得や基金土地での保有で208億円の含み損を抱え、包括外部監査で指摘されるまで、議会での説明がなかったことなども含め、バブル崩壊後の財政運営が土地神話に惑わされていたと言わざるを得ません。

 このような財政上の問題点の指摘の上に立って以下、反対の理由を述べます。

 
その第一の反対理由は、景気後退が続く中、市民の暮らしを守る施策が不十分だからです。
 サブプライムローンの崩壊からはじまった世界不況は、日本では第2次デフレ現象となり失業者があふれ、景気は大きく後退しています。事実、今回の予算でも70億円の扶助費増がその大きな表れです。
 私は、特別委員会の都市計画総局や総括質疑で昨年から実施されている市営住宅家賃の減免制度の見直しで、「家賃が上昇し、生活保護基準以下になってしまう世帯や、生活保護基準者であるけれども生活保護を受けずに暮らしている世帯が結局、生活保護を受けざるを得なくなってしまうケースが出ている」ことを問題にしました。工夫はいるとは思いますが、生活扶助予算を増やさないためにも、このような人々を救う施策が必要だと思うのです。
 また、国民健康保険事業でも近年、加入者に低所得者や高齢者が増加し、保険料を払えない世帯が増え、収納率も低下しています。一般会計から国保への繰入を増やして、低所得者の保険料を引下げ、収納率を高めるなどの施策を検討されてしかるべき時ではないでしょうか。
 そして、敬老優待乗車制度が一昨年、乗る度負担制度に変更され、激変緩和措置が今年9月で終わり、10月からはバスが均一区で50円が100円に、地下鉄では小児料金に約2倍に負担が増えることになります。激変緩和措置のときでも、バスで36.6%減、地下鉄で26%減となっていますが、今年10月以降は更に利用者減が予想されます。
 敬老優待乗車制度の乗る度負担制度は、高齢者の社会参加の後退、高齢者の健康維持への障害はもちろん、市場や商店街の営業にも大きな悪影響を与えています。新社会党は乗る度負担制度でなく、最悪でも見直しを行った政令都市並のフリーパス制度の検討を行うことを求め続けてきました。検討を前提に、10月からの負担増は見送るべきです。
 しかも、今回の交通局市バス中央営業所での料金抜き取り事件は、当初5万円の被害と報じられていましたが、当局の調査で被害額は12月だけで50万円近くにもなり、いつからこの犯行が進行していたのか全く不明の状況となっています。平成17年以前の鍵管理名簿はなく、10年以上前から犯行が行われているとしたらその被害額は、千万単位にもなってきます。現状から見て、組織的な犯行の可能性が高く、交通局の体質が問われているといっても過言ではありません。
 徹底調査すると交通局長は答弁しましたが、全容の解明を行い、その責任の所在を明らかにするまで、この9月での敬老優待パス激変緩和措置終了の市民合意を得ることは極めて難しいのはないでしょうか。

 
第2点目の反対理由は厳しい財政状況でありながら、アジュール舞子事業やベイシャトルに多額の市税が投入されることです。
 アジュール舞子事業は当初195億円(現在は203億円)の起債事業で、造成した土地の処分ですべて償還し、市民には負担をかけないと言うものでした。ところが、土地売却が進まず、平成9年から償還財源として一般財源が投入され、平成19年度末で81億円もの一般財源がすでに投入され、今回の予算案でも1億7千万円の一般財源が予定さています。
 当局は、一般会計で公園用地として買い戻すとの対策の方向を打ち出しています。しかし、現在賃貸されている土地が購入されたとしても、公園整備費の市持ち出し分と起債償還の一般財源を合計すれば110億円の市税が使われたことになります。
 すべてを土地売却で賄うとした事業が、結果203億円のうちその半額を超える110億円の市税投入になってしまうことは問題です。市民に負担をかけないといった事業の失敗を市税投入で補うことには反対です。
 また、海上アクセス(ベイ・シャトル)は、今年度、約1億円の市税投入が予定されています。海上アクセスはすでに170億円にせまる累積赤字を計上しています。みなと総局の必死の努力で、乗降客は増加しているものの、その収益の多くは付帯事業の駐車場管理業であり、別に海上アクセス会社しかできない事業ではありません。
 市民からに批判をかわすために、何が何でも黒字に見せようと逆に多額の補助金の投入や形を変えた資金融通が行われています。
 しかも、累積負債の内、1996年から2000年に貸し付けた63億円は返済期限が10年間延長され、今年度返済予定の18億円についても、返済の先送りを検討していることが、みなと総局の審査で明らかになりました。将来の返済計画の見通しは、極めて難しい状況と言わねばなりません。
  
 
第3点目の反対理由は神戸空港の当初計画が大きく破綻していることです。
 開港4年目を向えた神戸空港は、開港後一度も搭乗者数が重要予測に届かず、空港管理収支、空港関連土地処分に大きな影響がでています。
 22年度予算では管理収支は日航の撤退などがあり、実質5億6千万円の赤字で、昨年に引き続き財政調基金の取り崩しでしのいでいますが、基金の残りも1億2千万円で、今後、起債償還が増大することから、市税投入なしでは成り立たない会計になってしまうことは明らかです。
 また、空港島造成事業での起債償還が22年度で650億円になりますが、財源の土地処分が全く進んでいないことから、とうとう200億円を借換えで先送りすることになりました。今後、ポーアイ2期の起債償還も加わることから、来年度からも借換えが行われることは確実で、その利子負担の増大や次世代まで負担を残すことになり、大きな問題です。
 このような八方塞の状況の中、矢田市長は、関空3空港の一体運用で、その活路を見出そうとしていますが、関空会社が抱える1兆1,000億円の有利子負債をどうするかなど、国土交通省や大阪府、兵庫県のそれぞれの思いがあり、運営主体や伊丹空港の存廃なども絡み、橋下大阪府知事からは「神戸空港は失策」と批判される始末です。
 何度も言いますが、多くの市民は、このような状況を冷ややかにみています。それは、神戸空港の是非を求める住民投票を市長と議会の「与党」会派がつぶしたことが原因です。
住民投票さえ行っておれば、たとえ建設を認める結果になっていたとしても、その責任は明確になり、この現状をどうするかを市民全体で英知を結集することが可能であったと思うのです。矢田市長は、神戸空港の失敗を認め、市民に謝罪し、今後についての意見を求めるべきではないでしょうか。
 最後に、そのことを付け加えさせていただいて、新社会党神戸市会議員団を代表しての討論といたします。