議会あれこれ


2004年第3回市会(企業決算)本会議反対討論

 私は新社会党神戸市会議員団を代表して
決算第2号 平成15年度神戸市港湾事業会計決算
決算第3号 平成15年度神戸市新都市整備事業会計決算
決算第4号 平成15年度神戸市病院事業会計決算
決算第5号 平成15年度神戸市自動車事業会計決算
について、以下の3点の理由で反対討論を致します。
 その第一の理由は、過大投資の弊害が明らかになっているにも関わらず、空港建設事業の推進など開発優先姿勢を改めなかったことです。

 新都市整備事業会計は委員会質疑によれば基金や現金預金で使えるお金は2003年度末で1322億円あり、2001年度末の1661億円に比べ340億円あまり減少しています。しかも、2003年度末で企業債は3175億円になり、このまま店じまいをすれば逆に、1850億円あまりの借金を抱えるということになります。したがって、ポーアイ二期や複合産業団地、そして空港関連用地、宅地分譲などが進まなければ1850億円の不良債権の土地を所有するということになるわけです。2003年度の土地売却収益は148億円で、1989年度には土地売却収益の実績が890億円あったことを考えると740億円を越える減収となっています。民間への土地売却はポーアイ2期に限らず、好調だった西神での宅地分譲も進まず、複合産業団地にいたってはわずかに1千uが売れただけと言う惨憺たる現状です。
 ポーアイ2期での土地処分が進まず、起債の償還ができず2001年度には108億円、2002年度には132億、2003年度では128億円そして2004年度予算では154億円で4年間で523億円を借換えする財政措置をとらざるをえなくなっています。また、流動資産から流動負債を引いた資金残高も1998年度に875億円あったものが2002年度では321億円とこの5年間で554億円も減少しています。これに、空港事業にかかるポートアイランド沖事業での起債2014億円の償還が始まれば、年間の償還額が極めて多額になることが予想されます。
 委員会では借換えによる金利負担の問題など局長をただしましたが、局長は「借換えも一つの手段であり、ポートアイランド沖事業の起債の償還にも活用していく」旨の答弁もありました。しかし、景気の回復は逆に言えば、長期金利の上昇を意味し、今後上昇が予想される市況情勢の中でいつまでも借換債では対応できないことは明らかです。定期借地方式や様々なインセンテイブをつけた土地処分をはかつても、基本は分譲であり、その目途は全く立っていないと言わなければなりません。これまでのように土地処分が進まなければ、神戸市が一番期待を寄せるこの新都市整備事業が、神戸市を破綻に追い込む大きな爆弾となります。神戸空港事業の中止など開発優先市政を今こそ転換するべきです。

 反対の第二の理由は、市民の声を聞かず、新築移転ありきで「中央市民病院の医療機能」の検討を進めたことです。
医療産業都市構想の中、先端医療センターと中央市民病院を隣接させようと2002年から移転の話がでてきました。そして、一年間かけて懇話会が開かれ、昨年3月に懇話会報告がだされ、この懇話会で私や市民代表は、「現状の市民病院は将来の拡張を前提に設計されており、改修で現状の医療ニーズに十分答えうる。したがって移転の根拠が不明確だ」「住民の利便性からも現地改修が望ましい」「神戸市の財政事情が大変な時に多額の移転建設費用をだすことは市民感情からも認められない。しかも、起債の未償還がまだ100億円もある。財政上移転は無理」などの主張を行いました。そして、最終的に懇話会は昨年3月に移転と現地改修、そして2案併記の答申をだしたのです。

 ところが、突如の2月の神戸新聞の「移転方針報道」、そして矢田市長の3月3日の本会議での「私としては先端医療センターと隣接するポーアイ2期が望ましい」との発言が飛び出し、6月には移転前提の「新・中央市民病院基本構想案」が明らかにされました。
 委員会質疑では、懇話会のときに検討された、短大利用型や増築型の改修案で現在の市民病院の構造上の機能を生かし、できるだけ再利用できるものは利用するとした最小案は、今回の構想案の検討時から全く排除されていたことが明らかとなりました。その最小案でいけば、開院時までの総投資は220億円ですみ、今回の移転案よりは150億円以上安く済むことになります。実際は、土地代や残債など計算に入れれば300億円近く安く済むことににもなるのです。しかも、現在予定されている医療水準をある程度確保することは可能です。
 総括質疑で、非常に厳しい神戸の財政状況を考えたとき、構想案作成時は検討されなかったこの最小案の改修案をもう一度検討すべきでないかと質疑したところ、助役は「懇話会報告でも、一時期の資金問題だけでなく、病院機能なども総合的に判断すべきとの指摘もあった。これを踏まえ、今後質の高い病院が求められ将来を見据え、財政的なことだけでなく、利便性なども考え、基本構想を決めた。」と答弁されました。今回の構想案では先端医療センターの臨床の役割が強調され、どうも財政面の検討が非常に不十分にしか行われていないのではないかと思えるのです。また、今回の構想案では改修案を最大案の建設工事費を高めに設定して、移転案では懇話会資料で提出された内容よりも更に安く設定して、あまり違いがないような意図的な操作が行われたのではないかとの疑念も持たざるを得ないのです。
 更に構想案ではベット数については912床を600床程度にするとしています。しかし、市民病院の機能として先端医療センターの臨床部分を受け持つということになれば、更に通常医療のベット数が実質的に減ることになるのでないでしょうか。市民が気軽に利用出来ない先端医療と産業化に特化した市民病院になるんじゃないかとの心配の声も上がっています。市民にとって距離が遠くなるだけでなく、気軽に利用しにくい市民病院になることは明らかです。市民の健康を守ることに全力をあげるべきの市民病院が産業政策優先の病院に変更され、名実共に市民から「遠ざかる」ことになるんじゃないでしょうか。新築移転ありきの新構想案を今こそ見直すべきです。

 反対の第三の理由は、市バス路線の復活を求める市民の声に十分に答えていないからです。
 地下鉄開業に伴うバス路線の全面見直し以来、とりわけ中央区、兵庫区、長田区の住民を中心にバス路線を復活して欲しいという声が広がりました。わずかな期間の間に四万人を越える署名が集約され、自治会や婦人会など地域の諸団体かも廃止短絡されたバス路線の復活を求めました。結果、神戸市は一万人アンケートの実施や交通量調査などを行い、山手線への交通振興のバス乗り入れや若干の路線の再見直しが行われました。しかし、多くの市民が望んだバス路線の復活とはほど遠く、多くの問題を依然として積み残したままとなっています。
 特に、今年度は、神戸市交通事業の経営改革プランに基づいた大改革が実施されていますが、その根幹は営業所の民間委託や路線委譲そして大幅な人員削減等、身を削るというものです。この改革でバス事業に将来性が見えたかというとほど遠いと言わねばなりません。その証拠に、市長部局への配置転換を希望する交通局職員が予定を大幅に超えるなど、職員自身が交通局の将来性に希望を見出していないということです。
 今回の改革で、18年度の収支均衡は実現しても300億円の累積欠損金の解消にはほど遠く、バス事業の将来という視点にたって再検討が今求められているのではないでしょうか。場当たり的でなく、市長自らが、民間交通の担当する部分、公営交通でなければ出来ない部分、地域的なものや福祉的なもの、地形的なもの、他市や県や国との関係など、総合交通体系を早急に政策的に整理して市民に提起する必要があるのではないでしょうか。
 その上に立って、公営自動車事業の位置づけを行うべきときです。場当たり的な対応では限界に来ているということです。早急な総合交通体系の確立も求めるものです。

 以上、3点の反対理由を述べ、公営企業決算の決算第2号、決算第3号、決算第4号、決算第5号の新社会党議員団を代表しての反対討論と致します。議員の皆さんのご賛同をお願いいたしまます