2005年3月28日
すべての元凶は神戸空港


神戸空港の建設財源が枯渇 切り捨てられる福祉と市民生活
爆弾を抱える新都市整備事業会計 医療産業都市構想は「ギャンブル」
財布は違っても持っている人は1人 市民から「遠ざかる」市民病院の移転
すでに始まっている財政破綻 神戸空港建設がすべての元凶
危機に瀕する神戸市財政


神戸空港の建設財源が枯渇
 建設財源である1037億円の土地処分が進まず、2005年度末で新都市整備事業会計から341億円の一時借入れや、当初予定の起債1743億円から1998億円と255億円も増額せざる終えない状況になっています。そして、2005年度予算で土地処分が985億円予定であったものが248億円しか売れる予定はなく、737億円もの誤差が出ています。一方で空港島埋立て工事は当初計画で2780億円であったものが100億円削減され、2680億円になるとの見通しであることが市会で報告されています。2005年度末での埋立て事業費は2398億円となり、今後の事業を進めるには、みなと総局長は今後282億円の財源手当が必要と答弁しました。この財源手当てには、起債をこれ以上増やせないということで、新都市整備事業会計からの借り入れや国費、土地処分で対応するとしています。

 しかし、既に、建設財源であった旅客ターミナル用地や貨物ターミナル用地、駐車場用地も売却から賃貸そして開港後に先送りされるなど、予定収入400億円は宙に浮いています。また、新交通ポートアイランド線が8両編成になる時期は明示されず、16年度の処分対象で、建設財源になっている鉄道車庫用地210億円も、このままでは当面入らないでしょう。また、ヘリポート予定地についても12.8ha、346億円の土地処分が予定されていますが、現状のヘリポートを移設したとしても3haにしかならず、残りの10haを一体どうするのかについても、大きな疑問です。

 今、私が書いたこれらの事業は、いずれも民間に対する土地処分でなく、神戸市が直接間接に関与した部分の土地処分です。当初これらだけは、「最低でも土地処分ができる」と神戸市が思っていた部分がこんな惨状ですから、民間への土地処分は期待できるはずもありません。したがって、過去の開発事業の起債償還のために蓄積してきた新都市整備事業基金に手をださざるをえなくなってきているのです。しかも、今後2009年から2011年までに3年間で空港島だけで1289億円もの起債償還を行わなければならないのです。

 わかりやすく言えば、マンション業者が100戸入居予定のマンションを建設する計画を立てたが、その建設資金が足りないということで、建設をしながら、できてもいない部屋を30戸予定売却をして、その資金に充てるということで建設を始めた。ところが、実際に売れたのは5戸程度で、建設資金が枯渇し始めた。応援する言ってくれた同族会社も親会社も不況だと言って応援資金をくれない。とうとう、今まで建設してきたマンションのリニューアルや過去の借金の返済のための留保資金から借り入れなければならなくなってきたと言うのが今の空港建設財政の現状ではないでしょうか。
 したがって、神戸市が「打出の小槌」のように期待している新都市事業会計はどうなっているのでしょうか。
爆弾を抱える新都市整備事業会計
 公共デベロッパーに象徴される神戸の開発行政を支えてきたのは新都市整備事業です。
新都市整備事業会計は平成12年度末実績で基金や現金預金で使えるお金は1859億円ありましたが空港埋立がピークを迎えた平成15年度では1322億円にまで減り、今年度では1100億円程度にまで落ち込んでしまいました。

新都市整備事業会計で使える現金と預金(単位:億円)

基金での現金 現金・預金 合計
平成11年度 874 705 1579
平成12年度 933 926 1859
平成13年度 892 769 1661
平成14年度 878 582 1460
平成15年度 853 469 1322

 そして、平成17年度末見込の企業債は3677億円になり、このまま店じまいをすれば逆に、2000億円を超える借金を抱えるということになります。したがって、ポーアイ二期や複合産業団地、そして空港関連用地、宅地分譲などが進まなければ2000億円の不良債権の土地を所有するということに。平成17年度の土地売却収益見込は250億円(前年度147億円)で前年度よりは改善されていますが、平成元年度には土地売却収益の実績が890億円あったことを考えると640億円を越える減収となっています。平成15年度は17億円そして平成16年度決算では24億円、平成17年度予算では純利益は5億円にまで落ち込んでいます。民間への土地売却はポーアイ2期に限らず、好調だった西神での宅地分譲も進んでいないことが大きな原因になっています。

ポーアイ2期借換えの金額(単位:億円)
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度(予定) 平成17年度(予定)
108 132 128 154 117
(平成13年から平成17年まで合計639億円が借換えに)

 ポーアイ2期での土地処分が進まず、起債の償還ができず平成13年度には108億円、平成14年度には132億、平成15年度では128億円そして平成16年度予算(予)では154億円、平成17年度(予)で5年間で639億円を借換えする財政措置をとらざるをえなくなっています。また、流動資産から流動負債を引いた資金残高も平成10年度に875億円あったものが平成17年度予算では190億円とこの8年間で685億円も減少しています。

 平成17年度予算では、基金が1271億円ありながらも企業債の未償還残高が3677億円もあり、既にポーアイ2期の償還が始まっていますが、土地が売れない中、借換えで償還を先送りせざるおえない状況が続いています。これに、空港事業にかかるポートアイランド沖事業での起債1998億円の償還が始まれば、年間の償還額が多額になることが予想されます。長期金利の上昇が予想される市況情勢の中でいつまでも借換債では対応できないことは明らかです。これまでのように土地処分が進まなければ、神戸市が一番期待を寄せるこの新都市整備事業が、神戸市を倒産に追い込む大きな爆弾となります。

財布は違っても持っている人は1人
 神戸空港住民投票直接請求運動や空港裁判で、神戸市当局は、「空港事業と福祉や教育など市民の生活に関わる事業はそもそも会計が違う。影響を与えることはない。財布が違うんだから」と、よく言われました。確かに、空港事業は本体事業で一部一般会計部分もありますが、ほとんどは土地造成とその処分で賄う収益事業である新都市整備事業会計です。そして、福祉や教育は私たちの税金や国の補助金や地方交付税などで賄う一般会計です。したがって、会計(財布)が違うのはその通りです。自治体財政の破綻を食い止めるためにある手法である起債制限比率も、一般会計の市債が対象となりますが、企業会計など収益事業の市債については計算の対象とならない仕組みになっています。ちなみに、この起債制限比率が20%を超えると、特養ホームの建設等の一般単独事業債が起こせなくなります。神戸市は既に起債制限比率が24%を超えています。したがって、今年度の予算を見ても、起債制限比率を押し上げる一般会計の市債の発行額は減らそうとしています。しかし、起債制限比率の計算に含まれない企業会計など収益事業については市債の発行を抑える必要はなく、したがって空港事業や港湾事業、新都市整備事業、高速鉄道事業などではまだまだ市債を発行し続けています。

起債制限比率の推移(平成12年~17年)
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度見込み 17年度見込み
起債制限比率 23.40% 24.20% 24.70% 25.80% 26%程度 24%程度

 しかし、新都市整備事業で土地が売れなければどうなるのか。いつまでも、借換えで引っ張ることは、新たな借金を増やすことになります。また、民間であれば売れない土地は不良債権ということになります。自治体といえどもいつまでもこの状態を放置をするわけにはいかないことは自明です。そうなれば、起債の償還財源に一般財源を投入しなければならない時期が必ず来ます。そのとき、財布が違うと言えるでしょうか。この2つの財布を持っているのは別人ではなく、神戸市そのものだからです。一つの財布で足らなければ別の財布からまわすことになるのは当然のことです。財布は違っても持っている人は同じです。逃げは許されません。
すでに始まっている財政破綻
 2002年に関空アクセス「K-JET」が廃止されました。第3セクターである航路運営の「海上アクセス」とターミナル管理の「神戸航空交通ターミナル」の累積損失は172億円で、神戸市は両社に毎年の経営赤字分を10億円づづ融資を続け、その額は累積で110億円にもなっています。2つの3セクは、資産、人員の整理後も存続させ、神戸空港開港後の2006年には再開し、神戸市貸付分については37年をかけて返済することになっていました。ところが、神戸市は三セクでの再建を実質あきらめ、民間業者に委託し、経営が悪化した場合は10億円の損失補償までするというのうのです。需要予測も行わず、経営が失敗することまで見越して、損失補償までして、請け負ってくれる業者を探すということです。まさに恥の上塗り言わなければなりません。

 2005年度から3年間、ポーアイ2期と複合産業団地の分譲価格を最大5割値下げすることになりました。この2年間、神戸市関連施設以外ではほとんど売却が実績がなく、起債の償還を借換えせざるをえない状況が続いていました。対象はポーアイの製造工場用地と業務施設用地の48ha、複合産業団地の74ha。割引率を一律3割と設定し、業種や雇用数を考慮して2割の割引を追加するというものです。しかし、造成地での分譲価格は造成に要した費用を基に算出する原価主義のため、土地を売却すれば赤字につながる可能性もあります。期間を3年間に限定していますが、一度値下げしたものを元の価格で処分できないことは自明のことです。

 また、2002年度予算でフルーツフラワーパークの施設買取費として79億円が計上され、この内60億円は公債費基金からの借入れ運用(借金)となっています。そして、この60億円についても関連外郭団体との統合によってでた余剰地(農業公園)売却で回収するとしています。その一括返済が2007年度に迫っていますが、農業公園は福祉や農業振興などに制限された市街地調整区域であり、その売却先も限定されることになり、2007年までにこの60億円が捻出できる可能性は極めて厳しいといわねばなりません。

 そして、アジュール舞子事業についても元利償還総額が194億円で、償還済み額が101億円で、その内一般財源が1998年から2005年までに、既に79億円が投入されています。こん後も2006年度まで、一般会計から9億円の投入されることから88億円の一般財源が最終的に投入されるよ予定になっています。本来この事業は土地造成して、これを売却して、事業費を賄うと言うことで、神戸空港で神戸市が言ってきた「一般財源は基本的に使わない」「市民には負担をかけない」ということでした。ところが、造成した土地が売れず、このように市民の税金である一般財源を投入せざるを得ない事態になっているということです。
 このように、バブル時代にはじめた第3セクター事業やCCZ事業がことごとく失敗に終わり、そのツケに多額の資金(市民の税金)が既に使われています。
危機に瀕する神戸市財政
 2005年神戸市予算の歳入をみますと市税が2500億円で、98年度の3000億円と比べると500億円も落ち込んでいます。一方歳出をみると過去の市債の借金返しである公債費が1466億円です。したがって、市税収入の58%が借金返しで消えていくことになります。

 2005年度の予算編成も75億円の財源不足を生じ、公債基金繰替え運用や土地処分、新都市整備会計からの支援、職員給与の削減でようやく穴埋めがおこなわれました。しかし、公債基金(1600億円)の繰替運用も公債基金繰替運用上限の500億円まで残り約103億円です。土地処分も、処分できる普通財産(公有地)は約160億円(平成13年度)で、15年度85億円、16年度50億円、今年度で25億円を予算措置していますから、今回でほとんど底をつく状況です。行政財産を普通財産に変えて売却しています。本来、地域のコミュニテイなどにとって有効な利用ができる小学校や高校が統合され、廃校になった学校用地が、民間業者に売却されました。例を挙げるならば、小野柄小学校が洋服の青山に、赤塚山高校の一部が東急不動産なでです。

また、新都市整備事業からの支援は今年度5億円。新都市整備事業会計から通常は35億円の支援が続いていたが、ここ4年間で24億円、18億円、12億円、15億円で、今年度は5億円になってしまいました。神戸空港の建設で多額の起債を発行し、宅地分譲も進まず、ポーアイ2期での土地処分もうまくいかない中で、5億円しか見込めなかったということです。

経常経費の削減は既に限界に達しており、三位一体の国の財政改革が2006年度に生活保護等の補助率引き下げの動きがあり、また同じ年度に固定資産の評価替えあり、神戸市のように生活保護予算の大きいところで、しかも固定資産税に大きく依存している都市は深刻な影響を受ける可能性があります。

しかし、これ以上の臨時財源対策には限界があり、極めて難しい状況です。1993年度から臨時財源対策が行われていますが、その総額は2005年度予算までに5560億円にもなります。この13年間でなんと1年の一般会計予算の約3分の2が臨時対策財源で消えたと言うことです。そして、人件費、扶助費、公債費の義務的経費の構成比が51%と財政の硬直化が進んでいます。そして、経常収支比率は100を超えており、神戸市が自由に使えるお金は底をついているということです。
切り捨てられる福祉と市民生活
 1993年度で2733億円あった投資的経費は782億円と2000億円近くも減少ています。また、物件費・補助費等の経費も1999年1764億円であったものが2004年度予算では1149億円と615億円も削減されています。投資的経費といって学校や市営住宅や道路補修など日常的な市民生活につながるものも多く、これが極端に減らされるということは市民生活に大きな影響がでることを意味します。

建設局では管理する道路路線が増えているにも関わらず道路補修費が1999年度に25億円あったものが、2003年度予算では22億円に削減されています。また、生活文化観光局では市民文化振興財団への補助金が1998年度10億円が平2002年度には8億2千万円に削減、また、各区民センターの自主事業予算も1998年度14億6千万円あったものが11億2千万円と3億円もの削減が行われています。教育委員会では青少年科学館や博物館などの運営に対しても、一般財源の投入実績をみると1998年度、9億5千万あったものが2003年度では6億円にまで減ってしまっています。そのため、資料代が大きく削減され展示物の購入などにも影響がでています。

 また、2004年度予算では、敬老祝い金がとうとう88歳と100歳のみに支給されるよう変更されました。また、小児ぜんそく等調査事業も昨年12月で廃止。児童館も民間委託に。生活保護での夏期、冬期見舞金が廃止。また、墓園使用料、保育料、経費老人ホーム、受講料、病院初診加算額、六甲山牧場入場料、高校・幼稚園授業料など「ゆりかごから墓場まで」軒並み大幅値上げが行われました。また、2005年度には老人医療制度の見直しも県と協調して行われます。不況と失業が一層深刻になる中、市民の健康と福祉を守る責務を持つ自治体として、これ以上の福祉の切捨てと値上げは許されません。
今後10年間240億円を支出する
  医療産業都市構想は「ギャンブル」だ

 医療産業都市構想は、臨床病床を持つ先端医療センターが2003年度から本格稼動しています。理化学研究所が運営する発生・再生科学総合研究所も本格的な研究活動が始まり、いくつかの医療関連企業が進出または進出を決定するなど、構想から具体化に移りつつある段階となってきました。GE横川メディカルシステム株式会社が来年6月を目処に、西日本統括拠点をポートアイランド2期へ移転しますが、ポーアイ2期のビルの一室で事足りる規模であり、他の進出企業についてもほとんどがビルの一室でありアンテナショップの域をでていないのが現状です。

 また、医療産業都市構想が市内中小企業の振興に大きな役割を果すことが笹山前市長のこだわりでした。しかし、医療器械・器具ではあまり目立った開発成果は見られず、先端医療センターに納入したものがほとんでで、事業化できる目途は全く立っていません。
 そして、医療産業都市を国から支えてもらうための医療特区も混合診療や外国医師の参入問題など規制緩和になるのでないかと神戸市医師会が反対しており多くの問題を残しています。

 医療産業都市構想には、現在既に、国費も含め、ハード、ソフトを合わせて総額 755億円のお金が投入されています。その内、 119億円が神戸市の一般財源として私たちの税金が投入されています。


医療産業都市での投資額の内訳(単位:億円)
その他 合計
施設整備等 154 148 21 323
研究費など 365 365
基金など 22 45 67
総投資 541 193 21 755
(市負担分のうち一般財源は119億円)

 当局は設備投資はほぼ終わっていると説明していますが、先端医療センターの運営費は毎年12億円を一般財源から負担するとしています。しかも、空港新産業特別委員会での答弁では12億円を最低でも20年間は必要ということで、これらを計算するとなんと240億円も一般財源として持ち出すことにな李ます。これには研究者の人件費などが含まれておらず、研究が本格化するときには外国からも研究者を招く必要があり、この人件費も今後膨れていくことは確実です。新たな研究資材や医療機械の購入を継続しなければ十分な研究が行えないことから実際には、これら研究がパテントを取って、市に金が還流されるまで、一体いくらの投資をしなければならないのか、当局は明らかにしていません。

 いくら、新しい薬品や医療技術を開発しても競争は世界であり、一日パテントが遅れれば、それにつぎ込んだはお金が100億円であっても無駄金になるということです。ある意味では、医療産業都市構想は「ギャンブル」そのものです。 一地方自治体が手をだす産業ではありません。アメリカでは軍事も含めた産・学・軍が一体となった国策として医療産業の育成が行われています。
市民から更に「遠ざかる」市民病院の移転
 医療産業都市構想の中、先端医療センターと中央市民病院を隣接させようと2002年から移転の話がでてきました。そして、一年間かけて懇話会が開かれ、昨年3月に懇話会報告がだされ、この懇話会で私や市民代表は、「現状の市民病院は将来の拡張を前提に設計されており、改修で現状の医療ニーズに十分答えうる。したがって移転の根拠が不明確だ」「住民の利便性からも現地改修が望ましい」「神戸市の財政事情が大変な時に多額の移転建設費用をだすことは市民感情からも認められない。しかも、起債の未償還がまだ100億円もある。財政上移転は無理」などの主張を行いました。また、神戸医師会も「現地で改修するべき」と私たちと同じ主張を行いました。そして、最終的に懇話会は昨年3月に移転と現地改修、そして外来を現在地に残すとの3案併記の答申をだしたのです。

 ところが、突如の昨年2月の神戸新聞の「移転方針報道」、そして矢田市長の3月3日の本会議での「私としては先端医療センターと隣接するポーアイ2期が望ましい」との発言が飛び出し、7月には移転前提の「新・中央市民病院基本構想案」が明らかにされました。建設地はポーアイ2期の先端医療センターの隣で、建設費は400億円(土地代は別)。病床を現在の912床から600床と300床も削減し、経営形態は独立法人化を検討というもの。そして、医療産業都市構想での臨床部門との位置づけが明確にされています。

ところが、現在の中央市民病院は、建設時の残債を100億円残し、累積欠損金は2005年度末で339億円にのぼっています。今でも借金まみれの市民病院なのに、400億円にのぼる建設費はどこから出てくるのでしょうか。また、、医療産業都市構想の臨床部門との位置付けの中で、市民が気軽に利用出来ない先端医療と産業化に特化した市民病院になるということです。今でも、ベット数が少なく、待機待ちが多いのに、更に300床も減ることは、より市民にとって入院することが難しくなります。市民にとって距離が遠くなるだけでなく、気軽に利用しにくい市民病院になることは明らかです。

そもそも、現在の市民病院は将来も改修して長く使えるようにと、当時の宮崎市長が、わざわざ空き階をつくり、改修時にはその階を利用しながら改修できるようにあらかじめ設計されています。そうであるのに、なぜ移転新築なのか。それは、医療産業都市構想と深く結びついています。医療産業都市の中心をなす先端医療センターでは臨床部分が弱いこと、また資金的な手当ても難しいことから、中央市民病院と一体化することでこの問題を解決しようということです。

 成功するかどうかわからない産業化のために市民の健康と安心、そして利便性が後回しにされようとしています。市民の健康を守ることに全力をあげるべきの市民病院が、産業政策優先の病院に変更され、名実共に市民から「遠ざかる」ことを意味します。
神戸空港建設がすべての元凶
 爆弾を抱える新都市整備事業。神戸空港の建設を着工前に中止していれば、ポーアイ2期の土地が売れなくても、新都市整備事業の基金、現金などで起債は十分に償還できたはずです。逆に、空港の工事着工をしたばかりに、是が非でもポーアイ2期の土地処分を行わなければならない状況に陥っています。

空港需要と土地処分のために医療産業都市構想がぶち上げられ、それがより大きな破綻を準備し、しかも市民の健康の要である市民病院までが移転しなければならないという状況になっています。すべての、元凶は神戸空港です。神戸市の幹部の多くも、空港がうまくいかないことがわかっているから、次々に活性化策を提案し、その度により大きな深みにはまっていくという構図になっています。今からでも神戸空港は中止するべきです。