震災は今も続いている


震災から10年を検証する

                               2004年4月14日  あわはら富夫
1、我々が検証する視点

・優先された資本復興。後回しにされた人間復興。
・神戸市復興・活性化推進懇話会による「復興の総括・検証」報告での「震災は既  に終わった」との立場の検証に対し、震災はまだ続いているとの立場に立った検証。
・震災を透して見える自治体の役割とこの国の姿を明らかにする。

2、検証すべき課題

・被災者の生活再建は進んでいるか。
・復興住宅での高齢化と1人暮らし。
 孤独死は平成15年度末で兵庫県で251人(神戸市は173人)
・震災特例の家賃減免措置の打切りの恐怖。
 入居6年目から10年目まで減免の幅が減り、11年目から一般住宅と同じ家賃に。
 入居時期の早い住民は06年秋から一般減免に移行することに。
・強制退去問題 
 この5年間で激増。神戸市復興住宅での強制退去98年度は14件が02年度76件
 と5倍に。神戸市の場合、減免措置の更新時に滞納があれば、家賃減免措置を取 消すなどの措置を行っていることが、数を増やす要因になっている。
・民間家賃補助制度 
 基金事業で10年で打切り
・残された県外避難者
 登録304世帯の声
・元の街に帰れない

・進まぬ住宅再建は
・住宅再建が進まぬ高齢者。
 借り入れが出来ない。
・再建ローン・2重ローンの返済での生活苦。高い年齢
・利子補給のみの支援策の限界
 その利子補給も05年3月末で終了。
・解体撤去費の公費負担とは何だったか。
 修繕費への公費負担がなされなかったことの問題。
・現行法の制約 
 建築基準法の問題
・都市計画税の減免が来年1月1日で廃止。
 固定資産税や不動産取得税の減免など各種震災減免も、05年3月末までが適用  期間。

・増大する失業者
・平成12年の国調では失業率6.4%。大都市平均を0.5%上回っている。
・震災を利用した大手企業の便乗リストラ。住友ゴム、JR鷹取、神戸製鋼、川鉄
・四兆円を越える震災復興公共投資の行く先
・行政としての失業対策は。
 復興基金による仕事支援事業のみ。これも既に打ち切られている。

・倒産する中小零細企業
・減らない倒産件数。増える負債金額。
・銀行迂回融資の限界。直貸し制度の必要。
・地元に還元されなかった震災復興事業。
・災害復旧融資の一割返せず。 融資総額5383億円。2003年度で400億8400万 円が代位弁済。すべての保証の代位弁済率を3.4%上回っている。今のところ返 済据え置き期限は毎年延長されている。
・ポーアイ2期でのベンチャー企業への賃料減免など。大型プロジェクトを進める  行政とのギャップ。医療産業都市構想。空港等

・ボタンの掛け違いが続く震災復興区画整理・市街地再開発事業
・強引な都市計画決定による今だ市民合意なき事業
・土地神話が前提の事業手法の限界が露呈。進まぬ新長田再開発事業。
 総事業費2711億円。中高層ビル40棟を建設する計画。事業計画が決まった  19haの事業費2058億円のほぼ半分を保有床の処分金で賄う。既に18棟が完成。
 実際に、売れたのは1%にも満たず、99%が賃貸に。海のポーアイ2期、陸の新 長田の再開発か。
・震災復興になじまない区画整理、再開発事業。
・復興基本計画の間違い

・生活再建に役立たなかった被災者支援法
・すべての被災者を救うものになっていない。
・被害程度による制限。解体に限定の間違い。
・年齢・所得制限による差別。
・金額の絶対的不足
・仕事、商売など生活の糧を失ったことに対する手立て
・単なる福祉法にしてしまった政治の貧困

・被災者支援法改正での居住安定支援制度の問題点
 ・住宅本体への支給が見送りに
 ・年齢、年収制限はそのままに。
 ・すべては、付帯決議で4年後に、またもや先送りに

・神戸市の姿勢について「復興の総括・検証」報告書の問題点
・震災は終わったとの立場。
・残された課題は、すべて一般施策に解消。
・貫かれる勝ち組発想。
・「安全・安心」「健康」「交流・融合」医療産業都市構想と空港、集客。観光都市  にかける。
・忘れ去られた人間復興
・12月から市長選を意識した震災10周年イベント

3、検証と今後の方向

・復興住宅調査
・雇用と生活についての調査
・人間復興の政策作りの必要
・すべての被災者を救う公的支援法の制定
・資本の復興を優先する国、県、市の現実を浮き彫りにする。