震災は今も続いている
新社会党兵庫県本部の震災11年にあたってのアピールです。
阪神・淡路大震災から11周年を迎えました。超高層・新築マンションや再開発ビルが建ち並び、住まいや店舗は再建され外面的には順調に復興しているように見えても、その内情は「復興」とは程遠い現実が続いています。 県内の復興公営住宅では、65歳以上の高齢化率は43.8%と、県平均の17.7%を大きく越え、入居世帯の3分の1が単身高齢者世帯で全国平均を大きく上回っています。
さらに、震災による倒産や失業に加え、長引く不況が住宅再建ローンや二重ローンに追い打ちをかけています。国・自治体が被災者に貸付けた災害援護資金の返済も不況や破産者の増加で進んでいません。被災した市町の域内総生産は93年度を100として03年度は95に留まり、一人あたり県民所得も93年度に比べ03年度は1割も減少し、震災前水準への回復はほど遠い現状です。
行政は震災10年を区切りに、復興住宅の家賃軽減策など被災者支援施策の打ち切りを進めました。しかし、いまだに生活やくらしの再建は進んでいません。1年前に「被災地生活実態調査委員会」が復興住宅約2千世帯を対象に行った調査では、震災前と比較した家計状況は「回復不可能」「減少」が合わせて8割以上を占めています。11年を経て被災地では新たな不安が生まれ、ますます格差が開きつつあります。
阪神・淡路大震災の経験や運動で「被災者生活再建支援法」がつくられ、一昨年には「移住安定支援制度」が創設されました。しかしながら支援金は住宅解体費用や家財道具購入費などが対象で、住宅本体の建築・補修費は対象外です。しかも年収や年齢、使途に厳しい制限があります。そのため、一昨年の台風23号で兵庫県内で支援金が支給されたのは全半壊世帯の内4割以下、新潟県中越地震では3割以下にとどまっています。
そのため、自治体は独自の制度を設け被災者の公的支援に立ち上がっていますが、国は自治体の救済策に依存すべきではありません。「住まい」は生活基盤回復の基礎です。国家の責任を明確にした「支援法」の抜本的な見直しが必要です。
地球温暖化で自然大災害が相次ぎ、また今世紀に日本列島が地震の活動期に入り今後30年以内に南海・東南海地震が50〜60%の確立で起こると予想されています。どこが次の「被災地」になってもおかしくない状況です。このような将来の大災害に備えるためにも、今こそ大震災の教訓を生かして、住宅再建支援制度などすべての被災者の生活基盤回復のための法律を国は早急につくるべきです。
いま全国の自治体では「有事」に備えた国民保護計画づくりが進んでいます。外交努力や人智で防げ、起こる可能性の極めて少ない戦争に備えるより、近い将来必ず起こり避けることのできない地震・津波などの自然災害対策の強化・充実が国や自治体の当面する責務です。阪神淡路大震災をはじめ、JR福知山線事故、アスベスト問題、耐震偽造事件など日本の安全神話がことごとく崩れさろうとしている今、「有事」よりも国民の安心・安全を守る立場から、これらへの対応をより早急に強化すべきです。
震災11年の節目を機に、新社会党は今後も市民や被災者の立場に立った震災復興の「総括・検証」を市民とともに進め、人間のくらしや生活が最優先される「復興」をめざします。また、「被災者生活再建支援法」の抜本的な見直しを求め、国の責任を明確にした被災者の公的支援強化を求める運動の先頭に立つ決意です。
2006年1月17日
新社会党兵庫県本部