☆畸人郷編集人の極私的日記 (2002年9月)☆
9月30日(月)
遊び疲れが残っているが、仕事も残っている。仕事を片付けるため残業をし
たので、今日は書くことは何もなし。
9月29日(日)
午後からSR大阪例会があった。今年の江戸川乱歩賞の評定である。断言す
るが今年の乱歩賞は駄作である。図書館で借りてまで読む必要はない。来年に
期待したい(と言う言葉も虚しい)。
3日間の疲れのため、2次会で切り上げ帰宅した。帰りの地下鉄ではずっと
寝ていた。
9月28日(土)
東京での二日目である。朝から世田谷文学館に出かける。今回は「西脇順三
郎展」をやっていた。この文学館は2回目だが、本当に素晴らしい。これは掛
け値なしである。東京に行く機会があったら、ぜひ行って下さい。新宿から京
王線で「芦花公園(ろかこうえん)」下車徒歩7分程度である。月曜日が定休
日だったと思う。
午後からはROM(Revisit Old Mysteries)のコンベンションがあった。
凄いメンバーばかりである。コンベンションでは、ミステリ談義に時を忘れた。
話をできなかった方もいたが、本当に素晴らしい一時だった。次回もぜひ開催
して欲しい。若かりし頃夢にまでみたミステリ談義とは、このコンベンション
のためにある言葉である。何度でも言うが本当に楽しく、素晴らしい時間だっ
た。
東京駅で森脇氏を含めてミステリの話で盛り上がり、新幹線で帰宅した。疲
れのせいか、東京駅停車中に寝てしまい、新幹線が動き出したのを知らなかっ
た。一度目が覚めたのが新横浜であり、次に目が覚めたら名古屋だった。
9月27日(金)
仕事を昼から休んで東京へ出かけた。鮎川哲也賞の受賞パーティに参加する
ためである。午後2時過ぎの新幹線だったため会場に着いたのは開始時刻ぎり
ぎりだった。今年は畸人郷会員の参加者も多く例会ができそうな勢いだった。
しかし、鮎川哲也氏の死去は何と言っても寂しい。誰もが感じるとおり、一
つの時代が終わったのだ。「黒いトランク」「憎悪の化石」「黒い白鳥」「り
ら荘事件」等々、傑作と呼ばれるものは数え切れない。時間を見つけて再読し
てみたい。
氏の著作を血眼になって探し歩いた時期があった。今はその日も遠い。
9月26日(木)
仕事の帰りに閉店10分前の新刊書店に飛び込んだ。
国書刊行会「世界探偵小説全集」の「レイトン・コートの謎」、晶文社から
「ウィッチフォード毒殺事件」が出ていた。また、白亜書房から「コーネル・
ウールリッチ傑作短篇集」全6巻の1冊目が刊行されていた。「日影丈吉全集」
も出ていたし、もはや破産宣告寸前である。
9月25日(水)
HMMの発売日である。今月の特集はジェフリー・ディーヴァーだが、これ
はパス。
マージェリー・アリンガムの「無邪気な人求む」(前編)が期待だ。次号は
エド・マクベイン特集(マクベインの来日がなくなったのは残念)だが、こち
らも楽しみだ。もっと、もっと87分署シリーズを宣伝しても良いのではない
かと本気で思う。
今月号の表紙はNYだが、ワールド・トレード・センターが写っているのが
痛々しい。
9月24日(火)
明日は健康診断のため、今日はおとなしく寝ることにします。
9月23日(月)
畸人郷の例会の日には出ていたらしいが、創元推理文庫「家蠅とカナリア」
を購入した。これは「別冊宝石」で読んだことがあるが、さっぱり覚えていな
い。この新刊で再読しようと思う。「家蠅とカナリア」は何度も近刊予告が出
たのになかなか出版されなかったので心配したが、とうとう出た。よかった、
よかった。ジル・マゴーン「踊り子の死」も同時発売である。マゴーンも今ま
で駄作がないので楽しみだ。創元推理文庫は今月「退職刑事T」(都筑道夫)、
「死のある風景」(鮎川哲也)と話題作ばかりである。この調子で出していっ
て欲しい。
9月22日(日)
今日は夜に第1回神戸アコースティックタウンのコンサート(2日目)を見
に行った。出演者は杉田二郎、木村充揮(憂歌団のヴォーカル)、及川恒平
(小室等の飛び入りがあった)、高田渡(!!)(伴奏は何と坂庭省吾)そし
て加川良(!)であった。
木村充揮は「別れのブルース」が絶品で、これ以上のパフォーマンスはまず
望めまい。ギターもうまいのには驚いた。
及川恒平の「雨が空から降れば」「面影橋から」の2曲(もちろん小室等と
演奏した)は涙が出るほど良かった。この日一番の素晴らしさであった。もち
ろん拍手が一番多かったのは「面影橋から」である。全盛期の声は全く衰えて
いない。
高田渡も絶好調で「仕事探し」「トンネルの唄」「アイスクリーム」「グラ
バー軒」「生活の柄」の5曲を演奏した。初めて生でみる高田渡にしびれてい
たのはここに書くまでもないだろう。そして加川良「教訓T」。いいねえ。い
いねえ。
高田渡は案外背が低く、筆者くらい(160p)ではあるまいか。それにし
ても、全員オーラが出ていましたよ。
最後はもちろんアンコールがあったのだが、演奏したのは「花はどこへいっ
た」(これは明らかに選曲ミスである)だったが、高田渡は全く歌っていなか
ったのは当然と言えば当然だろう。ともかく素晴らしい一夜であった。
ついでに書いておくと、この日アマチュアグループによる「フォーク・ヒス
トリー・コンサート」があった。オーディションを通過した6グループによる
演奏会だった。この6グループは舞台で演奏したのだが、ホールの外ではオー
ディションに合格しなかったグループによる「フォーク・リレー・ライヴ」が
行われた。
実は、筆者はこの「リレー・ライヴ」に出演したのである。オーディション
は当然受かるはずもなく、あ〜あと思っていたのだが、ヤマハから連絡があっ
て「リレー・ライヴ」をやるから出演しませんかという話に軽い気持ちで応じ
たのであった。この顛末は書くと非常に長くなるので、別のところで書きたい
と思っているが、ともかく面白い体験だった。何よりも音楽をやっている人に
知り合いが出来たのが大きい収穫だった。
筆者はグループではなく、一人で出演した。演奏した曲は「失業手当」(高
田渡)である。
9月21日(土)
畸人郷の例会の日である。例会は夕方からなので、その前に「ゴッホ展」を
見に行った。初期のゴッホのトーンの暗さにまず驚いた。やはり、後期の作品
の明るさが好きだ。展示室の後半の方になってようやくゴッホらしくなってき
た。しかし展示品から言って、この入場料は若干高いのではないかと思う。
畸人郷の例会は、いつものとおりの盛会であった。相変わらずのミステリ・
SF談義に花を咲かせて、これもいつものとおり終電で帰宅した。
9月20日(金)
仕事を早く切り上げ古書店に行くと、ペンギンブックスが山のように積んで
あったので、真剣にチェックした。
ジョン・バカンが数冊あり迷わず買う。しかし、最も嬉しかったのはパトリ
ック・ハミルトンの「Hangover Square」であった。この本は、初期のポケミ
スの後ろに着いていた刊行予定目録に載っていた本である。邦題(仮題)は
「二日酔広場」だったと記憶する。少し分厚いので、読めるかどうかはわから
ないが、チャレンジはしてみるつもりだ。ペンギンブックスは全部で18冊買
った(もちろんほとんどがミステリである)。1冊100円だったので、18
00円という安価な買い物だった。
9月19日(木)
今日は新刊書店が空いている時間帰宅できなかった。新刊は出ていないのか
もしれないが、行けないとなるとやはり気になる。なお、職場近くには新刊書
店は皆無で、昼休みに新刊をチェックしに行くことは不可能である。
9月18日(水)
新刊書店へ行くと、光文社の雑誌「ジャーロ」が出ていたので買った。ヘン
リー・スレッサーの追悼号である。あれだけの才人なのに誰も騒がないのは悲
しい限りだ。早川書房もポケミスの「うまい犯罪、しゃれた殺人」「ママに捧
げる犯罪」をもっと宣伝すべきである。
「ジャーロ」の冒頭の第2回「本格ミステリ大賞」贈呈式レポートの14ペ
ージの写真で大笑いしているのは伊藤さんではありませんか。お元気そうで何
より。同ページには日本推理作家協会賞受賞者の写真も掲載されており、光原
百合さんの顔も見える。
9月17日(火)
今日は新刊書店にも行かず健康的(?)な生活であった。
9月16日(月)
今日も一日家にいた。片づけを継続して実施中。会誌を作成しなければなら
ないのだが、なかなか進まない。明日から頑張ろうと思う(きっと明日も同じ
ことを思っているだろう)。
9月15日(日)
相変わらず暑い。三宮方面に出かけたいが、金欠のため動きがとれない。仕
方がないので、部屋の片づけをしている(もちろん1日や2日で終わるような
状態ではない)。今度こそ大量に本を処分して、部屋を部屋らしくするつもり
だ。しかし、「おっと。こんな本を持っていたのか」と片づけは、遅々として
進まないのですね。
9月14日(土)
今日は朝早くから起きて伊吹山に行って来た。日本百名山の一つである。九
合目までドライブウエイがあり、頂上までわずか20分だが、頂上には雲がか
かっていて、登山をした気分になった。往復のほとんどを運転したためバテバ
テである。
光文社文庫の10月の新刊に「ロック傑作選」があった。とうとう戦後の探
偵雑誌の傑作選も刊行が始まった。期待するところ大である。全部で何冊出る
のだろうか、採り上げられる雑誌は何なのだろうか。本当に楽しみである。
9月13日(金)
ちくま文庫「超短編アンソロジー」(本間祐 編)を購入。これは楽しみで
ある。はさみこみの広告に「内田百闖W成」(全12巻)があった。第1回は
10月11日発売の「阿房列車」(1100円 税別)である。
創元推理文庫「その死者の名は」(エイザベス・フェラーズ)を読了。残念
ながらトビー・ダイクものの中では出来の悪い方である。残りの1冊に期待し
たい。
9月12日(木)
ポケミス「マネー、マネー、マネー」が出た。エド・マクベインの87分署
シリーズである。何度でも言うが、このシリーズは本当に面白い。「警官嫌い」
から始まってほとんど駄作がないのが驚異的である。87分署の刑事全員が主
人公という異色のシリーズである。スティーヴ・キャレラが主人公かと思うが、
彼が結婚して新婚旅行に行っている間に事件が起こり、旅行から帰った時には
事件は解決しているといった作品もある。ともかく初期の頃の作品は読みやす
く本当に面白い。未読の方はぜひ「警官嫌い」からどうぞ。
9月11日(水)
暑さが再びぶり返してきて、本当にこたえる。一度涼しくなったから余計に
そう感じるのかも知れない。今日は駅前の本屋が開店している時間に帰れなか
った。どうせ新刊は出ていないのだろうが、書店に行けないと何となく
気分が悪い。やはり中毒なのだろう。
9月10日(火)
少し疲れているのか、通勤電車で新書を読んだ。ちくま新書「さみしい男」
という本である。なかなか考えさせられるところがある本だった。少しステレ
オタイプの中高年男性像が気になったが、このようなタイプは今でも多いのか
しらと思った。新書なら短い通勤時間でも1冊読みきれるから不思議だ。
9月9日(月)
SR全国大会への往復の電車の中で、ポケミスの新刊「ストーン・ベイビー」
を読んだ。感想は「今月のポケミス」に記したとおりだが、クラシックに比べ
るとどうもしっくりこない。どこでも言っていることだが、ミステリには「そ
うこなくっちゃ」と言うのが必要なのだ。たとえ陳腐な展開でも良いから、こ
う思わせて欲しいというのが現在の率直な意見だ。
9月7日(土)〜8日(日)
長野の松本の浅間温泉でSR全国大会があった。やはり酒ばかり飲んでしま
った。帰りの電車で反省することしきりであった。と言いつつ、また飲んでし
まうのだろう。
9月6日(金)
明日からSRの会の全国大会が長野県松本市で開催されるので、体力温存の
必要があり早寝することにする。
岩波文庫「モーパッサン傑作選」を読んでいる。高校の時に英語の教科書
(!)に「首飾り」が載っていたのを思い出す。後味が悪いものが多いが、読
み始めるとやめられない。
しかし、短篇作家ではO・ヘンリーとサキがベストだろう。O・ヘンリーの
「賢者の贈り物」の素晴らしさはどうだ。そしてサキの「開いた窓」の不気味
さはどうだ。
9月5日(木)
「饗宴」のことばかり書いていて、肝心のことを書き忘れていた。「島久
平傑作選」のことである。傑作選を読み終わったが、どれも水準以上の出来
で感心した。今でも十分通用すると思う。どれか一つ選べと言われたら、や
はり表題作の「5−1=4」であろうか。それにしても、このほのぼのさ。
本当に良い。
9月4日(水)
昨日に引き続いて「饗宴」を読み続けている。物語もいよいよ佳境に入っ
てきて次の展開が全く読めないといった状況である。明日には読み切れると
思う。
先日部屋を掃除していたら、「文庫版 横溝正史 インデックス−探偵小
説篇−」が出てきた。発行は昭和53年10月で畸人郷第24号付録となっ
ている。現在自分のパソコンに入力しているものと比較しても、結構正確に
出来ている。
これを機会に完全版を作成しようと思う。入力は終わっているので、後は
整理だけだ。しかし、思い立ってから完成するまでが長いのですねえ、これ
が。
先程のインデックスは角川文庫「芙蓉屋敷の秘密」までのインデックスで
ある。他に春陽文庫、ソノラマ文庫、少年倶楽部文庫を収録している。
9月3日(火)
昨日から柳広司「饗宴」を読んでいる。ソクラテスが探偵なのだが、これ
も「贋作「坊ちゃん」殺人事件」に負けず劣らず面白い。今で半分くらいだ
が、この調子で最後まで読ませて欲しい。
寝床では筑摩書房の「明治の文学 斎藤緑雨」を拾い読みしている。こち
らの方も面白い。小説は有名な「油地獄」とかが収録されているのだが、冒
頭に入っている「短文・寸評・警句」が面白いのだ。しかし、緑雨は少し気
取り気味なところがあって、その分内田魯庵に負ける。同全集に入っている
「内田魯庵」を騙されたと思って読んでみて欲しい。掛け値なしに面白いの
だ。
9月2日(月)
「図書」「波」「一冊の本」を入手。どの広報誌もいつもながらの内容だ
った。「図書」は岩波新書新赤版800点特集である。新赤版は1988年
1月からの刊行とある。昨年は新書ばかり読む日が続いたのだが、あまり岩
波新書は買わなかったようだ。9月の新刊に「読書力」が予定されている。
これは買うつもりである。「図書」の楽しみは翌月刊の欄である。10月は
岩波文庫が数多く出る予定だ。8冊ラインアップされていて、これはいつも
の月の倍の量である。しかも岩波文庫らしい題名が並んでいる。
・ドイツ・イデオロギー(マルクス、エンゲルス)
・漱石・子規往復書簡集
・雁(森鴎外)
・山椒太夫・高瀬舟 他四篇(森鴎外)
・蒲団・一兵卒(田山花袋)
・破戒(島崎藤村)
・小僧の神様(志賀直哉)
・羅生門・鼻・芋粥・偸盗(芥川龍之介)
「波」では10月刊行予定欄にまたもや「ブラッディ・マーダー」(J・シ
モンズ)が載っている。今度で確か三回目だろう。今度こそ本当に出ることを
祈る。
9月1日(日)
とうとう9月になった。秋の気配を感じ、夕べに吹く風にもどことなく哀愁
が漂う。なんて書くと笑われてしまうだろう。
秋と言えば読書であるが、活字中毒(本当はアル中?)の身にしてみれば年
がら年中読書をしている(ような気がする)。世間にあわせて、秋には「この
夏のポケミス」に引き続き「この秋の創元推理文庫」をやってみたく思ってい
る。
9月第1日目の今日は、近くの図書館に行っただけだった。予約してあった
本を取りに行ったのである。柳広司「はじまりの島」である。「贋作「坊ちゃ
ん」殺人事件」は結構面白かったので期待しているのだ。