☆畸人郷編集人の極私的日記 (2003年1月)☆
1月31日(金)
ようやく仕事が一段落したので、久しぶりに元町に出かけた。文庫の2月新刊の情報を見ると、創元推理文庫の刊行予定は「夜鳥」(モーリス・ルヴェル!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)なのだ。
次はビーストンをぜひぜひお願いしたい。
早川書房のHPを見ると、ポケミスの2月の新刊が載っていた。ご存じのとおり、今年からポケミスは刊行点数を増やすそうなので(新企画は、不朽の名作映画の原作をポケミスで刊行するとのことである)、その第1弾は「ハイ・シェラ」(W・R・バーネット)である。続いて、「孤独な場所で」(ヒューズ)、「狼は天使の匂い」(グーディス)、「刑事マディガン」(ドハティ)、「犯罪王リコ」(バーネット)とラインアップされている。楽しみですね。
1月30日(木)
ようやく「007/ゼロ・マイナス・テン」を読み終わった。最初は麻雀の話が長くてうんざりしたが、途中からがぜん面白くなって最後まで一気に読めた。どうしても映画のイメージが強いので(この作者もそうだ)、映画のアクション・シーンを思い浮かべてしまう。あまりに映画がヒットした作品は、小説の方が書きにくくなってしまっている。とりあえず及第点としておこう。
1月29日(水)
仕事で新刊書店さえ行けず、トボトボと夜道を歩いて帰宅した。
1月28日(火)
何とか新刊書店の閉店時刻には間に合うように帰ってきたので、短時間ではあるが書棚を探検した。北杜夫の新刊が青春出版社から出ていた。そう言えば北杜夫の新刊は何時から買っていないのだろう。昔は発売日に買って、その日に読了していたのに。嗚呼。
1月27日(月)
今日は仕事で新刊書店さえも行くことができず、すこぶる健康的な一日だった。
1月26日(日)
午後から「眉村卓先生を囲む会」に参加するため天王寺へ行った。眉村先生は「MBSチャチャヤング」時代と全く変わらぬ話し方で、当方は70年代に戻った気持ちだった。先生の話は面白く、あっと言う間に時間が経ってしまった。本当に楽しい時間を過ごした。
その後、旭堂南湖さんの「第9回 名探偵ナンコ」を聞きに福島は本遇寺まで行った。呼び物は「探偵講談・幻燈」(原作・英人ブラック 脚色・芦辺拓)である。これは面白かった。少し結末が残念なのだが、そのようなことはどうでも良い。ともかく面白かった。続けて演じて欲しい出し物だ。
その後の2次会は途中で切り上げ帰宅したが、日が変わっていた。
1月25日(土)
昨夜の飲み過ぎが原因なのか、昼近くまで寝ていた。夕方に三宮に出て、HMM3月号と「月刊プレイボーイ」を買った。HMMの分厚さに驚いたが、その定価の高さには腰を抜かした。何と1750円。確かに資料的価値は認めるが、それでも少し高過ぎはしないだろうか。
「月刊プレイボーイ」を買ったのは、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズのインタビューが載っていたことと別冊付録「ビートルズ日本未公開写真集」のためである。昨日の新聞広告に掲載されたため売れてしまったのか、少し探した。入手した書店でもあと1冊しか残っていなかったのである。
明日は「眉村卓先生を囲む会」があるので、「幻影の構成」「ねらわれた学園」を再読した。どちらも全く覚えていなかったが、こんな面白い本だったかと感激してしまった。
1月24日(金)
今日は何事もなく帰宅して、酒を飲んで寝ただけだった。
1月23日(木)
今日は午前中休暇をとって三宮で行われる「さんちか古書即売会」に行った。会場では皓露書林の金井さんに会った。本当に久しぶりである。お元気そうで何よりであった。購入した本は「樺島勝一ペン画集」のみである(目録に載っていたのを申し込んでいたのである)。売価は定価の2倍以上だったが、以前に目録で頼んではずれてしまったので、今回は入手出来て良かった。樺島勝一は挿し絵が有名で、少年倶楽部連載の「敵中横断三百里」「浮かぶ飛行島」「吼える密林」の挿し絵を描いている(これらの挿し絵は余りにも有名なので、「ああ、あの絵を描いた人か」と思うだろう)。この話をし始めると長くなるのでこれくらいにしておこう。
「Yahoo」のHPを見ていたら、NHK教育テレビが4月以降に「懐かしいドラマ」を放映するとあったので、読んでみた。「ひょっこりひょうたん島」は前から聞いていたのでさほど驚かなかったが、もう一つのドラマの題名を見たときには腰を抜かした。何と「サンダーバード」(!!!!!!!!!!!!!)である。「サンダーバード」は最初NHKで放映されたのだから里帰りしたわけだ。本当に驚いた。
1月22日(水)
講談社現代新書「ミステリイは誘う」(春日直樹)を購入。少し読んだが不可思議な本である。何と言ったら良いのだろうか、困ってしまう。
1月21日(火)
家の近くの新刊書店でハヤカワNF文庫の新刊「奇妙な論理I」(M・ガードナー)を購入。これは以前現代教養文庫に収録されていたものである。ご存じのとおり社会思想社が行き詰まってしまったため、出版社を変えたようである。現代教養文庫はこういった傾向の作品が多かったが、ハヤカワ文庫でどれだけ出るのだろうか。
1月20日(月)
仕事の関係で遅くなり、そのまま帰宅した。「007」を継続して読書中。
1月19日(日)
一日中家にいた。もちろん、近くの新刊書店は覗いた。集英社文庫から「ヘリテージ・シリーズ」と題して「神曲」(作者はここに記すまでもないが、ダンテである)地獄篇、煉獄篇、天国篇の3冊が出ていた。次回配本は「ユリシーズ」(J・ジョイス)全4冊とのこと。面白いシリーズが始まった。また、朝日新聞夕刊に「かえれないふたり」というリレーミステリーが始まっている。関西を中心に在住する気鋭の新本格ミステリー作家5人が執筆するということである。既に有栖川有栖氏、光原百合氏、綾辻行人氏の3人が書いている。あと2回で完結なので、全部読んでから感想は書きたいと思う。
1月18日(土)
今日は午後から市内へ出かけ、その足で大阪へ行った。畸人郷の例会である。例月に比して参加者は少なかったが、それでも真夜中までミステリを肴に飲んでいた。帰路トラブルがあったが、無事に家にたどりついた。だんだん酒にも弱くなってくるし、体力も落ちてきている。あ〜あ、と言った感じである。本を読む方は「007/ゼロ・マイナス・テン」(R・ベンスン)に取りかかった。冒頭からなかなか面白い。このタイプの小説は中だるみがなく、最後までジェットコースターのように一気に読ませることが重要なのだが、さてどうか。
1月17日(金)
阪神・淡路大震災の日から8年たった。当日のことは今も本当に良く覚えている。犠牲となられた方のご冥福を心からお祈りします。
今日は仕事の都合で遅くなり書店にも寄らなかったので、報告することは何もありません。「箱の中の書類」(D・L・セイヤーズ)読了。ほとんどが書簡で構成されているため最初はとまどうが、半ば程から面白くなり始めて最後まで一気に行った。面白いことは面白いのだが、結末のパンチが今ひとつだった。セイヤーズらしくないところも不満が残る。
1月16日(木)
昨日に引き続いて今度は三宮に出かけた。ミステリの新刊はなかったが、「週刊 鉄道の旅」という本が出ていた。第1回配本は「大井川鉄道・飯田線」である。大井川鉄道には乗ったことはないが、飯田線は全線乗車した。途中で少し寝てしまった記憶がある。そう言えば鉄道乗りつぶしも、昨年久しぶりに総武本線を乗っただけである。今年はどこかに出かけてみたい。
三宮で「坂崎幸之助のJ−POPスクール」(岩波アクティブ新書)を買い、帰りの電車から読み始めて先程読み終わった。坂崎氏と小生は同い年なので、同じような時に同じような体験をしている。自分はそこまでフォークにのめりこまなかったので、ある程度以上になると知らないことが多かった。自分はフォークソングのかわりに、探偵小説にのめりこんだわけだ。本書を読んでいて思ったことは、70年代は本当に面白かったことだ。
1月15日(水)
今日は元町に出かけた。扶桑社文庫「昭和ミステリ秘宝」の「初稿・刺青殺人事件」を購入。やっと、4冊同時に配本されたものがすべて揃った。金欠も極まれりと言った感じである。陳舜臣「三色の家」は未読だったので読んだ(10年以上前に初版を譲ってもらったのだが、本棚の奥に眠っている)。面白かった。未読の方はぜひどうぞ。しかし、陳舜臣の最高傑作は「炎に絵を」だろう。これは絶対騙されますよ。ともかく凄かった。
1月14日(火)
今日は、おとなしく帰宅した。「箱の中の書類」を継続して読書中。
1月13日(月)
連日遊んだので、一日中家の用事をした。
昨日のシンポジウムの後、三宮、元町と書店をまわったのだが、元町の丸善で「洋書そるど市」なる洋書のバーゲンをやっていたので覗いた。実はこの「洋書そるど市」は皆勤で、間違いなく毎回出かけていると思う。
最初は結構ペイパーバックの量もあったのだが、だんだん少なくなってきて今回は段ボール2箱という有様だった。その分ヴィジュアル本が増えているのは言うまでもない。ペイパーバックの箱の中を真剣に探したが、ペンギンブックス中心なのでミステリは無かった。結局買ったのは1冊だけであった。タイトルは「The
Penguin Book of Irish Comic Writing」である。いかにも面白そうでしょう。内容は題名どおりで、有名作家も結構入っている。ジェイムズ・ジョイス、フラン・オブライエン、J・P・ドンレヴィー等々である。残念ながらジョイスは「ユリシーズ」からの、フラン・オブライエンは「第三の警官」からの抄録であった。序文ではスウィフトの「ガリバー旅行記」、スターンの「トリストラム・シャンディ」、オブライエンの「第三の警官」についても書かれている。前の二つは読んで猛烈に面白かったが、「第三の警官」は2種類の訳本を持っているにもかかわらず未読である。読むことにしよう。「ガリバー旅行記」は大人、小人の国だけが知られているが、面白いのは第3部、第4部で、第3部は空飛ぶ島が出てきて、その島の名前はラピュタと言うのだ。この第3部では自然科学者が茶化されている。第4部は馬の国の話で、人間は確か奴隷か食糧になっていたと思う。そして、その名が「ヤフー」なのである。
「トリストラム・シャンディ」は朱牟田夏雄の極めつけの訳があって、岩波文庫にも入っている。天下の奇書である。どう奇書なのかは書かないので、自分で確かめて下さい。読んで絶対に損はしないと思います。
1月12日(日)
京都を9時半に出発し、阪急電車で六甲まで行った。神戸大学であるシンポジウムを聞きに行くためである。シンポジウムはミステリとは無関係なので詳しくは書かないが、非常に興味深いものだった。本当に真剣に話を聞いていた。
昼食をとるため阪急六甲駅の方へ歩いていると、何と畸人郷会員の藤井鞠子さんに会った。何という偶然。近くの喫茶店に入って少し話をした。どこで誰に出会うかわからない。恐ろしいですね。
1月11日(土)
SRの新年会で京都泊。本当によく飲んだ。しかし、もう若くはないのであろうダウンする時間が早くなった。本の方は「箱の中の書類」を読み始めた。
1月10日(金)
疲れのせいか、晩飯を食べた後眠くなってしまい翌朝まで寝てしまった。
1月9日(木)
「マルタの鷹」読了。面白かった。シリーズの残りの9冊も楽しみだ。エド・レイシイ、トマス・B・デューイという懐かしい名前がある。
仕事の帰りに新刊書店に寄ると光文社文庫の新刊が出ていた。もちろんお目当ては「甦る推理雑誌」シリーズである。今月は「「妖奇」傑作選」であった。今回は驚いたことに長編一挙掲載である。「生首殺人事件」(尾久木弾歩)がそれだが、作者紹介で尾久木弾歩はあの「十二人の抹殺者」の輪堂寺耀とあるではないか(もっとも輪堂寺耀は一人のペンネームではないようである)。今から読むのが楽しみだ。
今月は横溝正史の「人形佐七」も出ていた。こちらも買う必要があるのだ。
1月8日(水)
継続して「マルタの鷹」を読んでいる。面白い。現在半分を少し過ぎたあたりだが、スペードが薬を盛られてダウンしてしまうくだりを読んだ時には笑ってしまった。現在に至るまで、ちょうどこのあたりで探偵は頭を殴られてダウンしてしまうのだ(ハードボイルドの悪しきパターンである。しかし、これがあると安心するのも事実である)。あと少しだが大いに楽しませてくれそうだ。
1月7日(火)
年末に古書店から購入した「アメリカン・ハードボイルド」全10冊を第1巻から読もうと決めて読み始めた。第1巻は何と「マルタの鷹」(作者はご存じダシール・ハメット)である。訳者はこれまた極めつけの小鷹信光氏である。読み始めるとやめられない。こんなに面白い小説だったのかと驚いた。冒頭にサム・スペードの相棒、マイルズ・アーチャーが殺されてしまうのだが、このアーチャーという名前を探偵を使ってミステリを書いたのがロス・マクドナルドである(と言う話を読んだことがある)。「マルタの鷹」は大学時代に読んでさほど感心しなかったのだが、今回はどうやら違うようだ。
1月6日(月)
今日から仕事である。年末年始の休みにはあまり本が読めなかったが、これからは気を入れて読もうと思っている。
1月5日(日)
図書館に行って「本を書く人読まぬ人 とかくこの世はままならぬ」(金井美恵子)を借りてきて読んでいる。これも面白い。「一冊の本」に毒舌たっぷりのエッセイが載っているが、これも同じ調子である。いいねえ、いいねえ。
1月4日(土)
今日は上の子供の下宿に二度行った。その後大阪に行ったが、残念ながら「風の翼」の新年会には参加できなかった。神戸に戻って新刊書店、古書店をまわって帰宅した。そして、年賀状の宛名書きをした。
さて、本の話の方だが「最終章」(スティーヴン・グリーンリーフ)を読んだ。これがまた面白かった。タナー(主人公の私立探偵)が何者かに脅かされているロマンス作家のボディ・ガードを引き受けるのだが、見事に失敗。自動車が爆発して作家は全身に火傷をおう。もちろん、これがきっかけで意地で犯人を見つけ出すという話なのだが、途中に出てくる作家の熱狂的なファンの描写が笑わせる(本当は自分自身にも身に覚えがあって笑っている場合ではないのだが)。これも未読の方はぜひどうぞ。なお、本編はジョン・タナー・シリーズの最終編で、最後も思いっきり笑えるので絶対のお薦めであることを付け加えておこう。
1月3日(金)
昨日の夜の体調は最悪で、熱は出るは、咳は出るはで本当に大変だった。今日の高校の同窓会に行けるかどうか心配だったが、熱はおさまったので出かけることにした。多少の無理をしてでも行きたかった理由は、高校卒業30周年の学年の同窓会だったからである。
同窓会の内容を細かく書いても仕方がないのでやめておくが、ともかく面白かった。酒を飲んで話しているうちに風邪の方が逃げていったみたいであった(完調というわけではない)。
本はポケミスの「最終章」(スティーヴン・グリーンリーフ)を読んでいる。これも面白い。昨年のポケミスは大収穫の年ではないだろうか。
1月2日(木)
体調はますます不良。家内の実家に行ったが、酒をあまり飲まないうちにダウン。ずっと寝ていた。本当に何とかして欲しい。
1月1日(水)
「紅白歌合戦」は見ないので、テレビの横で「煙突掃除の少年」を読み切った。これは良かった。「神学校の死」も良かったが、ルース・レンデルも負けてはいない。裏表紙に書いてあるように「娘が作家であった父の過去を調査しようとするのだが、何と父の名前を持つ人物は幼い頃に死亡していたのである。何故、他人にならなければならなかったのか。」この謎一つで全編を引っ張っていく。真相は最後のページまで明かされないのだが、これが強烈。よく読めば気が付くのだが、全く思い至らなかった。未読の方はぜひどうぞ。