世界ミステリ全集

早川書房刊


 1972年(昭和47年)から早川書房より刊行された全集。従来の古典的作品を網羅した全集から脱却した編集で注目を浴びた。
 ポケミス収録作品から選ばれた作品が多いが、本邦初訳の作品も数多く含まれていた(それらの多くは後にポケミスに収録された)。また、ポケミス収録作品でも改訳されたものもあった(ニコラス・ブレイク「野獣死すべし」)。
 ポケミス収録作品でも当時は絶版が多く、「愛国殺人」「はなれわざ」「死人はスキーをしない」等はこの全集で読むことができるようになったのである。
 本邦初訳作品は「フランクフルトへの乗客」(A・クリスティー)、「インターコムの陰謀」(E・アンブラー)、「一瞬の敵」(R・マクドナルド)等があった。
 収録作家を見ていただくとわかるように、ジョン・ディクスン・カー(カーター・ディクスン)の長編が入っていない。今となっては信じられないが、カーは売れないと言う理由で収録されなかったのだ。一部のファン(筆者もその一人だが)の怒りが当時の同人誌には掲載されていた。
 第18巻の「37の短篇」は収録作品を見ればわかるように画期的な短編集で、現在に至ってもその評価は高くなる一方である。

番号 題名 収録作品
アガサ・クリスティー そして誰もいなくなった

愛国殺人

フランクフルトへの乗客   
E・S・ガードナー どもりの主教

屠所の羊

すばらしいペテン
エラリー・クィーン エジプト十字架の秘密

災厄の町

最後の女
コーネル・ウールリッチ 幻の女

九一三号室の謎

死者との結婚
レイモンド・チャンドラー さらば愛しき女よ

長いお別れ

プレイバック
ロス・マクドナルド 人の死に行く道

ウィチャリー家の女

一瞬の敵
エリック・アンブラー ディミトリオスの棺

反乱

インターコムの陰謀
アンドリュー・ガーヴ

ニコラス・ブレイク

アイラ・レヴィン
ヒルダよ眠れ

野獣死すべし

死の接吻
ジョルジュ・シムノン

ボアロー&ナルスジャック

アルベール・シモナン
メグレ警部の回想録

悪魔のような女

現金に手を出すな
10 ミッキー・スピレイン

W・P・マッギヴァーン

リチャード・スターク
裁くのは俺だ

殺人のためのバッジ

悪党パーカー・人狩り
11 エド・マクベイン 警官嫌い

殺意の楔

暴力教室
12 フリードリッヒ・デュレンマット

ユリアン・セミョーノフ

ジョルジュ・シェルバネンコ
嫌疑

ペトロフカ38

裏切者
13 イアン・フレミング

イ*ン・フ*ミ*グ

アリステア・マクリーン
サンダーボール作戦

アリゲーター

ナヴァロンの要塞
14 クリスチアナ・ブランド

ジョイス・ポーター

パトリシア・モイーズ
はなれわざ

ドーヴァー4・切断

死人はスキーをしない
15 セバスチャン・ジャプリゾ

ユベール・モンテイエ

シャルル・エクスブライア
ウサギは野を駆ける

かまきり

死体をどうぞ
16 レン・デイトン

ジョン・ル・カレ

デイヴィッド・マクダニエル
ベルリンの葬送

寒い国から帰ってきたスパイ

人類抹殺計画
17 ギャビン・ライアル

ディック・フランシス

ジョン・ボール
もっとも危険なゲーム

興奮

夜の熱気の中で
18 37の短篇 ジャングル探偵ターザン(エドガー・ライス・バロウズ)
死刑前夜(ブレット・ハリデイ)
虹をつかむ男(ジェイムズ・サーバー)
うぶな心が張り裂ける(クレイグ・ライス)
殺し屋(ジョルジュ・シムノン)
エメラルド色の空(エリック・アンブラー)
燕京綺譚(ヘレン・マクロイ)
後ろを見るな(フレドリック・ブラウン)
天外消失(クレイトン・ロースン)
九マイルは遠すぎる(ハリイ・ケメルマン)
魔の森の家(カーター・ディクスン)
この手で人を殺してから(アーサー・ウイリアムズ)
北イタリア物語(トマス・フラナガン)
百万に一つの偶然(ロイ・ヴィカーズ)
少年の意志(Q・パトリック)
懐郷病のビュイック(ジョン・D・マクドナルド)
五十一番目の密室(ロバート・アーサー)
ラヴデイ氏の短い休暇(イーヴリン・ウォー)
探偵作家は天国へ行ける(C・B・ギルフォード)
燈台(E・A・ポー&R・ブロック)
女か虎か(フランク・R・ストックトン)
おとなしい凶器(ロアルド・ダール)
長距離電話(リチャード・マシスン)
歩道に血を流して(エヴァン・ハンター)
死刑執行の日(ヘンリイ・スレッサー)
死者のポケットの中には(ジャック・フィニイ)
白いカーペットのごほうび(アル・ジェイムズ)
火星のダイヤモンド(ポール・アンダースン)
ヨット・クラブ(デイヴィッド・イーリイ)
クライム・マシン(ジャック・リッチー)
一滴の血(コーネル・ウールリッチ)
ジョン・ディクスン・カーを読んだ男(ウイリアム・ブルテン)
最後で最高の密室(スティーヴン・バー)
アスコット・タイ事件(ロバート・L・フィッシュ)
選ばれた者(リース・デイヴィス)
長方形の部屋(エドワード・D・ホック)
ジェミニイ・クリケット事件(クリスチアナ・ブランド)

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