第1回定例会終わる
新社会党−あくまでフリーパス制度を残すべき
激変緩和の附帯決議でごまかし、制度見直しに賛成した
与党(自民、民主、公明)の責任は重大


 2月21日から3月27日まで開かれた第1回定例市会が閉会しました。
 今定例会の最大の焦点だった敬老パス問題は、乗るたび自己負担方式(乗車のたびバスは100円、地下鉄・新交通は半額、低所得者対策として年150回無料乗車できるカードを発行、高頻度利用者は通勤定期の半額の定期購入)の提案に反対し、熟年者ユニオンなどの皆さんが反対集会や座り込み行動を展開、また予算特別委員会では100件を超える請願や陳情が出されました。
 新社会党は「今回の提案は事業者の立場を優先し、利用者の立場を忘れた、政令都市で最悪の制度だ。利用しやすい何度でも乗れるフリーパス制度を残すべきだ」と主張。本会議で小林るみ子議員が代表質疑したのをはじめ、あわはら富夫議員が予算特別委員会で質疑しました(要旨は別途掲載、小林議員の本会議代表質疑はこちらの神戸市会ホームページ・インターネット録画で見れます)。

 負担増に手を貸し、何の解決にもならない与党の「附帯決議」

 一方、自民・公明・民主の与党会派は、負担増に反対する多くの市民の声に押され、市の見直し提案承認を前提に「低所得者対策をより広げるべきだ」などと主張し、これをごまかすために、急激な負担を避けるための激変緩和措置として『当分の間、乗車ごとの負担額がさらに半額(バスは50円、地下鉄・神戸新交通は小児料金の半額)となるよう、再度民間バス事業者等と協議を行い、実現を図られたい』という附帯決議を提案。これを与党の賛成多数で採択し、附帯決議つきで敬老パス関連予算を承認してしまいました。この附帯決議には新社会党、共産党、住民投票☆市民力議員団が反対しました。
 与党会派は代表質疑で「交通事業者とばかり話し合いして、議会に相談もない。もっと時間と議論がいる」「民バスとの協議を先行するなど、拙速な見直しだ。低所得者対策も話にならない。市長は今議会での議論や審議にどう真摯に対応するのか」などと言いながら、結局は付帯決議でごまかし、当局の提案を承認したのです。
 今後、附帯決議をもとにバス事業者と市が協議することになりますが、本会議最後の市長挨拶において市長は、バス協会会長から「他のバス会社と調整中だが、激変緩和策は2年間限定なら可能ではないか」と連絡があった旨報告しました。今後、10月の制度見直しに向け、かなりの紆余曲折が予想されます。6月の第2回定例市会でも大きな焦点になることは確実です。
 仮にこの附帯決議により「当分の間」、さらに半額となるとしても、結局は乗るたびバスは100円に戻ることは時間の問題です。いつでも何度でも乗れるという敬老パス制度の趣旨を否定し、制度見直しに手を貸した自民・公明・民主の背信行為は許されません。
 今回の敬老パス見直しの関連予算が通ったことで、1973(昭和48年)年以来、35年間続いてきた『高齢者の社会参加の促進と移動支援を行い、もって高齢者福祉の増進に寄与する』という、神戸市が全国に誇るべき制度がなくなりました。新社会党は今後も議会で、敬老パス制度の復活、負担増や福祉切り捨てを許さない運動を進めていく決意です。
 (上写真は市会最終日、熟年者ユニオンなどが行った抗議集会)

小林るみ子議員・本会議代表質疑 要旨(2月27日)
 
 08年度予算案は、一般会計7,271億円、特別会計1兆1,111億円、合計1兆8,382億円で、前年度に比べ5.1%の減となっている。歳入は、市税収入は僅かに伸びたものの、国の三位一体改革の影響に伴う地方交付税は削減され、70億円の収支不足が生じている。既に取り崩せる基金は使い果たし、“禁じ手”の赤字公債の発行という財源対策をとることで、何とか乗り切ろうとしているのが実状だ。
 一方、私たちを取り巻く社会情況は悪化の一途をたどっている。サブプライムローン危機で、原油・小麦・食用油の国際相場が高騰し、日本の消費者物価の値上げに連動している。電気代、ガス代をはじめ食品関連業界が値上げに踏み切り、ますます私たちの生活への影響は顕著になってきている。また、この間の税制改革により引き上げられてきた市県民税、国保料・介護保険料は、3年連続の負担増を押し付け、さらに後期高齢者医療制度のもとでの保険料の負担も生まれている。
 このような状況下での予算案は、ゆりかごから墓場までの値上げの一言に尽きる。男女共同参画センターなどの使用料、斎場の火葬料などの手数料の値上げから、敬老パスをはじめ、学童保育利用料、粗大ごみ処理手数料まで値上げ、値上げのラッシュだと言わざるを得ない。
そこで質疑するが、市民の生活が圧迫され、厳しい情況下にあるときこそ、神戸市は市民が安心・安定した生活ができるよう、種々の負担については凍結を考える努力が必要なのではないかと思うが見解を。
 その上で、以下2点について具体的に質疑する。

 まず、学童保育について。現在、学童保育所は、児童館・学校内余裕教室・民間施設など177箇所ほど設置されている。多くの保護者が子どもたちの安全な居場所を求めて、今や時代のニーズにも押され、需要が益々高まっている。当面の課題として、過密解消対策や低賃金・不安定雇用の指導員の待遇改善などがあるが、今回、あらたに児童館の保護者負担として、利用料4,500円徴収が提案された。今まで、おやつ代など実費のみとなっていたものが一気に4倍以上の負担増になる。そのことから、やむを得ず退所せざるを得ない子どもが出てくることが予想され、さらに、利用料徴収で今まで児童館に自由に出入りしていた未登録の子どもたちとの関わりも、区別されることで薄れてしまいかねない。
 そこで質疑するが、子どもたちに放課後の安全な居場所を保障し、宙に浮いた子どもをつくらないためにも利用料負担で、垣根・ハードルを高くしてはならないと考えるが見解を。

 次に、敬老パスについて。昨日から厳寒の中、市役所前で敬老パスの維持・存続を求めて座込みをしている高齢者のことを市長はご存知なのか。彼らの思いは、多くの高齢者の思いだ。
敬老パスは存在そのものが介護の予防にもつながる効果を持ち、また経済波及効果にもつながるという多くの利点を持つものだ。無料であってこそ、その利点が生かされるというものだが、今回の提案では、利用者の負担増は避けらず、それは利用抑制にもつながってくる。乗継ぎを余儀なくされる地域によっては、負担の格差も生まれてくる。また、利用者の収入によって仕様が様々になれば、高齢者が分断され、お互いに不信感を抱かせることにもなる。さらに、はじめに有料化ありきで進められた懇話会、バス会社との水面下での協議など、議会や市民を置き去りにしてきたと言っても過言ではない。
 そこで質疑するが、今回の提案は他の政令都市の実施内容に比べても、最悪の提案だと考えるが見解を。

矢田市長
 他の政令市の話だが、利用限度のない乗車証を交付する際に、毎年一定額を負担する方式を採用しているところもあるが、利用可能な交通機関の範囲、地理的状況の違い、利用限度額の有無など、各都市の状況は様々だ。年間定額のフリーパス制度は利用頻度により1回あたりの負担額が大きくなる場合もある。一概に制度を比較するのは難しいのではとも考えられる。
 神戸市の場合、制度を破綻させずに維持・継続のためにどうすべきかが問われており、そのためには民間事業者の協力がないと難しい。撤退すると言われたら困る。そういうところとの話し合いは当然必要だ。交通事業者が利用実績に見合った収入を確保できることで、高齢化が進展しても制度を安定的に維持・継続していくことができる。

梶本副市長
 使用料、手数料についてはこれまでも負担の適正化の観点から適宜改訂を行ってきた。本来使用料、手数料については行政が行うサービスの中で、サービスを受ける市民が特定される場合には、サービス提供に要する経費の一部を受益者から徴収するものだ。一方で、残りの費用は市税などにより市民全体で負担していることになる。そのため、応益原則により、受益を受ける人と、受益を受けない人との負担の公平性の確保の観点から、受益者には適正な負担をお願いしなくてはならない 。 昨年の6月出された神戸市行財政改善懇談会の受益と負担に関するワーキンググループからいただいた報告書でも、この点が記載されており、この指摘も受けて受益と負担の観点から見直しをした。
 20年度予算編成でも使用料・手数料について国基準、あるいは都市基準との比較を行いながら、民間の類似施設との均衡などを考慮して料金改定を行うもので、将来にわたって安定的に市民サービスを確保するため、利用者にとって過大な負担にならないよう受益者負担の適正化をはかっていく。
 学童保育だが、年々需要が増加する中で、市の財政負担も大きくなり運営費が年間10億を超える状況だ。厳しい財政状況の中で、今のサービスを維持していくことも困難になっており、近隣市でも受益者負担の考えで5,000円から1万円程度の保護者負担を求めている。これまでに、行政経営方針や事務事業の外部評価でも受益者負担の適正化が指摘されている。今後学童保育需要が増加することが予想され、安定したサービスが提供できるよう運営経費のおおむね二分の一を負担していただきたい。保護者負担の導入にあたっては、昨年実施した保護者アンケートの意見も参考にして、開設時間の延長、職員体制の充実にも取り組む。

小林(再質問)
 学童保育所は民設民営、いわゆる地域方式の場合、大変運営が厳しい中で親の負担は一人あたり1万円以上が実態だ。そうすると少しでも安い児童館へ通っている子もいる。利用料は親御さんにとってはネックだ。今回4,500円が提案されているが、親が抱えている課題や実情を把握するために神戸市はどんなことをしたのか聞きたい。この間、2回ほどアンケートをとったことは聞いている。しかし、その内容は保護者負担について適当だと思う金額は、とか保護者負担についてどう思うかとかの自由意見が問われているアンケートで、はじめに有料化ありきのアンケートだ。
 昨年末に児童館で働く指導員からハガキをいただいた。その中で児童館の有料化は慎重にという意見があり、指導員に聞いてみると、有料化された場合、退所してしまう子どもが出るんじゃないかという不安があるということだった。この間、指導員や保護者、指定管理者にきちんと丁寧に話をしてきたのか、再度聞きたい。
 敬老パスについては、大阪市は利用限度のないパスを無料で交付、名古屋市や横浜市は利用限度のないパスを所得に応じてそれぞれ、1,000円から5,000円,2,500円から15,000円で交付している。川崎市や仙台市では選択制をとっている。川崎市では半額負担か利用限度のないパスを月数に応じて有料交付している。これらを見てみると、ほんとうに利用する人の立場に立って考えている。今回の市の提案は一方的に神戸の都合で決められた、まさに利用者の視点がない提案だ。この点ついてもう一度答弁を。

矢田市長
 他都市の議論だが、よく似ている制度をとっている川崎などは、今後見直しをしようとしている。制度がつぶれたらもどうもこうもない。制度を維持・継続することが大事だ。

梶本副市長
 18年に神戸市放課後児童健全育成事業計画検討委員会を設置し、課題と方向性を議論をした。その中で施策の方向性と基準案が示され、今回は報告を受け利用者アンケート調査を行い、全体として適正な負担をしていただこうということで今回の提案となった。できるかぎり低所得者にも配慮した。利用者が運営費を共に負担をし、サービスを守る観点が必要だ。ただで、負担がないほうがいいという発想には賛同しかねる。    

小林(意見)
 学童保育だが、はじめに有料化ありきで、この間の進め方に問題がある。広島市では公設公営100%で無料だが、有料化の話がでてくる中で検討委員会がもたれた。その中で保護者にアンケートを実施し、有料化に賛成か反対かを聞いたところ、66%が反対の意思表示をした。検討委員会で議論を行なった結果、最終的には子育て支援策になる、就労支援策になるという視点で報告がまとめられ、広島市は今でも無料を継続している。政令市ではその他にも神戸市を含めて無料が5カ所ある。子どもたちが垣根が低く、気軽に通える児童館であってほしいと思うが、利用料負担はそのネックになるので撤回していただきたい。
 敬老パスについては、維持・存続という言葉ががでてくるが、その趣旨・目的が尊重された内容でないと、ほんとうの意味での維持・存続にはならない。学童保育、敬老パスにしろ、有料化を通じて、まさに行かせない来させない、利用者抑制的提案だ。撤回を。

あわはら富夫議員・予算特別委員会総括質疑 要旨(3月13日)

1、敬老優待パスについて

 本会議や分科会で、敬老優待パスの制度見直しについて利用者の視点が忘れられていると質疑したところ、市長や当局は「制度の存続のため、民間バス事業者との合意を優先した」との答弁を繰り返された。無料か有料かということも重要な論点だが、高齢者の中では、フリーパス制度がなくなることへのこだわりが強い。何とかフリーパス制度を残すことに市長はこだわってほしかった。こういう高齢者の思いを市長はどう受け止めておられるか。見解を。
 また、先ほどの答弁で、民間バス事業者への負担は市の負担は12億円と言うことで、単純に利用者一人当たりの負担にすると、7,000円だ。あとの19億円については、新交通や地下鉄など神戸市関係であり、ここについては自らの事業の責任においては、解決するべきでないのか。一人当たり7,000円の負担についても、すべてとは言わないが新都市整備事業などの現金預金を活用する方法もある。そうすれば、少なくともフリーパス制度を存続させることは可能ではないのか。見解を。

(矢田市長)
 単純に割り算をすると7,000円になると言うことだが、実際はもう少し多くなるのでないか。フリーパス制度のことは理解しているつもりだが、制度の存続を考えると財政スキームが成り立ちにくいのも事実だ。したがって、利用実態に応じた収益という事業者の要請もあり、一定のスキームを事業者と話し合いをしてきた経緯もあり、ご理解いただきたい。



2,震災アスベスト対策について

 震災で解体作業をしていた30代の男性が2月末、姫路基準監督署から労災認定を受け、心配された震災によるアスベスト被害が早くもでたことに多くの市民から不安の声があがっている。NPOひょうご労働安全センターが、3月9日、10日に実施した震災時による倒壊建物の解体作業に従事し、アスベストを吸った疑いのある人を対象にした電話相談「震災アスベストホットライン」によると、2日間で103件の相談が寄せられ、その4割が何らかの健康異常を訴えられ、13件が肺がんや中皮腫に罹病し、その内7人がすでに死亡との内容だった。
 危機管理でも質疑したが、市としては相談窓口を準備しており、相談があれば対応するとの待ちの答弁であった。しかし、今回が第1号とすればこれから5年10年後には、このような事例が多発することは容易に予想され、待ちの対応で問題があるのでないか。
 市長は、今回の姫路の労災認定や市民グループの相談内容など、震災アスベスト被害が現実のものになったことにどのような思いをたれているのか。見解を。また、疫学調査を踏まえた対応策をとり、解体作業に携わっていたなどリスクのある人を登録し、継続してモニタリングするなど、受身でなく、積極的な対応を行う必要があると考えるがどうか。

(矢田市長)
 震災アスベストの相当な状況は熟知している。今後、地域的な特定も加味して考えていかねばならない。

(梶本助役)
 平成17年7月に庁内にアスベスト対策連絡調整会議を置き、この中で相談や検診、健康対策などの対応してきた。震災時は神戸でもアスベスト飛散防止のため指導や対策をとってきた。アスベストの相談件数は年々減っており、検診を受け、要精密に該当する場合は助言もしている。健康相談窓口と検診の案内は昨日、市ホームページトップヘ掲載した。
今後、「広報こうべ」5月号でも掲載する。                    

(あわはら・再質問) 
                                               
 NPOが行った電話相談の中では、ほとんどの人が市の相談窓口を知らなかったそうだ。ホームページトップや広報こうべへの記載は評価する。市は震災時アスベストの調査をしたといったが、内閣府の報告では「解体工事が次々と進行していく中で実態調査を行ったことから、十分にアスベスト建築物の実態を把握するには至らなかったとの指摘もあった」ということも言われている。アスベストが処理されないまま解体され、今後アスベスト被害が増えていく可能性がある。市は待ちの姿勢ではなく、公費解体を行った業者は登録されているのだから当時の解体業者の追跡調査などを行って実際に作業した作業員などを把握して積極的な対応をすべきだ。

(梶本助役)
 公衆衛生の立場から言うと、自らおもむいて検診していただくのが基本。不安な方や身に覚えのある方は相談して欲しい。

(あわはら・再質問)
 全国の政令指定都市が共同で、平成17年に国に対し「アスベスト健康被害問題に関する緊急要望」を行い、神戸市長が代表して、待ちでない行政が前に出て対応できるよう国に支援を求めた要望書を提出した経緯もある。積極的な対応をすべきだ。また、市長が答弁した地域的な特定とは具体的には何を想定しているのか。 

(矢田市長)            
 建物を撤去したゾーン、大きく言えば市全体だが、西地域は火災が多く、ビルなどの倒壊が多かったのは、市街地中心部だ。そこらを特定して考えてみたい。



予算特別委員会各局審査・質疑項目

あわはら富夫議員

●環境局
 ・容器包装プラスチックの回収について ・家庭ごみ指定袋制度について
●保健福祉局
 ・病病連携と中央市民病院の移転について ・児童館学童保育の有料化について ・敬老パス問題について
●建設局
 ・アジュール舞子事業について
●水道局
 ・水道管のアスベスト被害について ・ボトルウォーターについて

小林るみ子議員

●行財政局
 ・行政サービスのアウトソーシングについて ・指定管理者制度導入後について
●企画調整局
 ・小学校などの校舎や跡地利用について ・神戸市文書館について
●市民参画推進局
 ・男女共同参画について(DV対策の強化、「父子手帳」作成について)
●教育委員会
 ・教員の精神疾患増加への対応について ・DV(男女共同参画と暴力に関する)アンケート調査について
●危機管理室
 ・国民保護計画について ・震災アスベスト対策について


◇あわはら富夫議員・議案反対討論(3月27日)はこちら
◇小林るみ子議員・請願討論(3月27日)はこちら