| 第1回定例市会代表質疑(要旨) 小林るみ子議員 |
2010年度神戸市予算案に対する本会議代表質疑は、2月26日(金)に小林るみ子議員が@特別支援教育(障がい児の教育権の保障)、A公契約条例について行いました。以下、その要旨を紹介します。なお、要旨は議員団事務局のメモによるものです。また、質疑の全文は神戸市会インターネット録画放映で見ることができます(→こちらから)。 |
私は、新社会党神戸市会議員団を代表し、2010年度神戸市予算案および関連議案について質疑する。 一般会計歳入については、景気後退による給与所得減で個人市民税は大幅に減少、また法人市民税も企業収益悪化で減収が見込まれる。一方で、地方交付税は、国の地方財政対策で増加したものの、歳出については、生活保護費などの扶助費の増加で、結果として20億円の収支不足が生じ、今回は財産収入の確保で収支均衡を図ったと言える。 しかし、臨時的な財源対策手段は枯渇しつつあり、義務的経費は依然として高い比率を占めることから、今後も危機的な財政状況が続くことが予想される。 そのような状況下で、多額の累積赤字を抱える海上アクセスへ前年度に引き続き約1億円という経営支援をしようとしており、神戸空港は開港4年目も搭乗者数は目標に届かず、空港管理収支や空港関連土地処分問題・起債償還問題など、空港関連予算は今後大きな焦点となってくる。 一方、事務事業の再構築として、図書館2館や市営住宅に指定管理が導入されるほか、来年度も公立保育所2箇所が民間移管される。また、昨年度敬老パスが有償化され、バスの乗客数が36.6%減になった上、今秋倍の負担になると、さらに高齢者の社会参加と移動支援が脅かされ、利用者が減少することが心配される。これら一連の施策は、まさに公の責任後退とも言えるものだ。 このような状況を背景に、2点について質疑する。 (1)障がい児の教育権の保障について 昨年の予算特別委員会での友生養護学校新築・移転の突然の提案は、児童・生徒はもちろん、保護者や教員にとっては、まさに寝耳に水の話だった。保護者の神戸市に対しての不信感が残った。今後、神戸市は、保護者や教員と十分に話し合って進めていくことで事態は一端収拾されたかのように思えたが、具体的に進められていく中で様々な課題が浮き彫りになった。 「介護のために友生の近くにわざわざ転居した人たちの事も考えてほしい」「現在でも幾度となく呼び出されている。兵庫区まで、複数回、往復するのは無理だと思う。そうすると学校待機を余儀なくされ、生活も人生もめちゃくちゃになってしまう」「子どもも命がけで通っているが、親も命がけで通わせていることを知ってほしい」という保護者の切実な声が届かず、はじめに移転ありきの対応に終始してきたように思える。 さて、先日の「文教経済委員会」の折、通学困難な児童・生徒への対応策として、新耐震基準を満たしている北校舎の暫定的な活用など、具体的な対応策を検討していきたい旨の答弁があった。しかし、これでは根本的な解決には至らないことは明らかだ。 そこで質疑するが、現在、「肢体不自由特別支援学校」通学区域については、兵庫区で東西に分け、市内の西半分は垂水養護学校に、東半分は、友生養護学校に通うように設けられている。友生養護学校が移転すれば、東半分に、「肢体不自由特別支援学校」がなくなる。今後の特別支援学校のあり方を考える時、全市的な視野で、トータルに考えて通学に配慮された学校配置が必要だと考えるが、市長の見解をお伺いする。 また、昨今、「知的障害特別支援学校」入学希望者が増加傾向にある。全国的な傾向だと言われており、神戸市も例外ではない。そもそも、ノーマライゼーションの本来のありようは、障がいのある子もない子も混ざり合って生きていくことだと考える。特別支援学校入学希望者の増加傾向は、分離教育、差別教育が進められていくようで非常に残念に思う。それは、裏返せば、普通学校での障がい児の受け入れ体制が十分に整備されていないということの現われではないかと考えるが市長の見解をお伺いする。 (橋口教育長) 友生養護学校移転については、通学が困難な児童・生徒に対しては個別の具体的な事情を聞きながらスクールバスルート変更など新しい支援策を考える。それでも困難な児童・生徒については、現在の新耐震基準を満たしている北校舎を暫定的に活用できないかなどを含め、対応策を検討していきたい。 「特別支援学校」の児童数は平成16年551人から21年743人と3割以上増加している。このような中、特別支援を要する児童生徒は支援学校だけでなく普通校でも学んでいるが、状況に応じた支援で学校全体で対応している。「特別支援学校」と普通校は役割分担・連携を図っており、トータルとして障害のある児童生徒を受け入れていきたいと考える。 高等部の急増は、既存の校舎の空き教室利用などを利用した「特別支援学校」の分教室の開業なども模索されており、県教委と役割分担を求めながら検討していきたい。 (小林議員・再質問) 友生養護学校問題は、まず移転ありきでの答弁で、全市的な視野での学校配置についての答えがない。この間、市の「複数障害対応研究会」は、より居住地に近い学校をという方針を示し、「特別支援学校のあり方検討委員会」でも通学の負担を軽減するためには、学校の位置は居住地に近い方が良いという方針がある。友生の保護者の中では、「東灘に早急に学校を作ってほしい」「東灘に学校ができるまで友生に留まりたい」「友生に分教室を作ってほしい」という声がある。 居住地と学校は、距離だけの問題ではなく、それをとりまく地域や子どもの家族の生活圏の問題だ。移転することでこれがすべて崩れ去って、壊れていく可能性がある。長年培ってきたものを尊重しつつ、通学に配慮された今までの学校配置を尊重するべきではないか。そういう意味でも東西に学校を残し、配置すべきだ。 「特別支援学校」入学希望者増加傾向の理由は、神戸市は専門教育を追い求める親が多くなったとか、発達障害が周知されるようになったからというが、保護者に聞くと、情報の入手が容易、就職率が高い、何よりも手厚いフォローがあるというのもその理由だ。一方、普通学校の現状は「特別支援教育」支援員体制や医療的ケアの必要な子どもの受け入れ体制も不十分で、保護者の負担が未だに大きい。その意味でもノーマライゼーションの観点で普通学校での障がい児の受け入れ体制の充実にも力を入れるべきだ。 (橋口教育長) 春にも芦屋に「県立特別支援学校」を開校するが、将来受け入れが可能かどうか含め、県と役割分担を協議しながら、「特別支援学校」をどう配置するか検討していく。 (小林議員・再質問) 東と西に「特別支援学校」を残すべきだ。現在の北校舎を残すことができるのだったら、もう一度現地建て替えも視野に入れながら考え直すべきだ。 (橋口教育長) 北校舎はあくまで通学対策の一環として暫定的に活用できないか、その可能性を検討するということだ。現地建て替えについては考えていない。 (2)公契約条例ついて 官製ワーキングプアが問題視されている昨今、一方で公契約条例制定の動きが活発化してきている。この間、いくつかの市や議会で、一定の段階まで進んだことはあったが、正式に議会提案されたのは尼崎市議会だけだ。残念ながら不成立に終わったが、その後、公契約のもとで働く労働者の賃金の最低額を設定することなどを盛り込んだ公契約条例が、千葉県野田市議会で全会一致で可決された。条例制定は、全国初の快挙だ。 その条例の前文には、「低入札価格の問題によって下請けの事業者や業務に従事する労働者にしわ寄せがされ、労働者の賃金の低下を招く状況になってきている」と記されている。入札のたびに落札できずに仕事を失うのではないか、入札しても時給が引き下げられるのではないか、常に事業者も労働者も不安にさらされている。そしてそのしわ寄せは、市民へのサービスの質の低下となって現れてきている。 そこで質疑するが、野田市の根本市長は、全国の市長に、趣旨の賛同と同様の取り組みの呼びかけをされたようにお聞きしているが、この呼びかけをどのように受け止められたか、そしてお応えになられたか、また、この時期においての公契約条例の必要性についての市長の見解をお伺いする。 (小柴副市長) わが国では、労働者の賃金などの労働条件は労基法などの法令で統一的に定められており、公契約制度は特定の地域で実施すべきものではなく、国の労働行政の分野において全国一律に法律で規定すべき事項であると考える。今後、国の方で新たな動きがあれば研究し、対応する。 厳しい経済状況の中で公共投資の減少の中、労働者の労働条件が厳しいことは理解しており、本市の入札や契約においてもダンピング対策や業者に対する労働関係法規遵守の要請の取り組みなどを進めている。 (小林議員・再質問) 国の動向を見るということだが、条例をつくることが国を動かす力になる。川崎市は条例制定に向けて検討をすすめていくということであり、千葉県我孫子市も市長が公契約条例は必要、制定に向けて検討するとしている。釧路市も続いている。神戸市としても、少なくとも検討を始める時期ではないか、同時に、国に対しても声をあげていくべきだ。 (小柴副市長) 民主党のマニフェストでも最低賃金を1,000円をめざすとしており、今後国においても何らかの動きがあるのではないかと考える。 (小林議員・意見) 尼崎市と野田市の決定的な違いは尼崎市は議員提案、野田市は市長提案で、野田市長は一石を投じる意味もあって条例を作ったが、あとに続く動きが見えてこない、動きが広がなければ、私の一人相撲になると言っている。時代の要請にマッチしたものという自信をもっているので、ぜひ作っていただきたい。 |