| 第1回定例市会終わる。空港、特別支援教育などで議論 「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」を全会一致で決議 |
2月15日から開かれていた、主に2010年度神戸市予算案を審議する第1回定例市会が3月25日に閉会しました。 今市会では、2010年度神戸市予算案に対する本会議代表質疑は、小林るみ子議員が行い、@特別支援教育(障がい児の教育権の保障)、A公契約条例について質疑しました。(→要旨はこちらから)。また、質疑の全文は神戸市会インターネット録画放映で見ることができます。 また、予算特別委員会では連日各局審査が行われ、総括質疑では、あわはら富夫議員が@朝鮮学校の授業料無償化について、A市営住宅の家賃減免について質疑しました(別途要旨掲載)。各局審査の各議員の質疑項目は別途掲載しています。 また、来年度に償還予定の空港島造成起債償還分650億円の内200億円を借り換え、借金を先送りするなど多くの課題を抱える神戸空港問題をめぐっては、中田作成さんらから、空港財政計画や需要予測の検証を求める請願など多くの請願が出されました。 一部マスコミ報道では、「2010年度に発行する200億円の借換債の金利が、60億円から90億円になるということが市の試算で明らかになった」という報道がありましたが、請願を審査した港湾交通委員会では、あわはら議員の質疑に対し、当局は「市としては金利は試算したことはなく、金利、償還期間・方法は今後国と協議する」という答弁にとどまりました。また、空港の需要予測が現実と大幅に乖離していることについては、「現状は厳しい状況だが、中長期的には需要は伸びると考えており、需要予測の見直しは考えていない」と、まったく反省のない従来の答弁を繰り返すのみでした。 一方、最終日には議案に対する討論をあわはら富夫議員が、請願に対する討論を小林るみ子議員が行いました(以下掲載)。また、広島市と長崎市が主宰する平和市長会議の呼びかけに応え、「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」が全会一致で決議されました。 |
| 予算特別委員会・あわはら富夫議員総括質疑要旨(3月11日) |
1,朝鮮学校の授業料無償化について −市長は授業料無償化の対象とするよう表明を− 高校授業料無償化法案が国会で審議されている。この法案は、すべての高校はもちろん高校課程に類する各種学校にも適用される。しかし、各種学校に含まれる朝鮮学校を対象外にしようとの動きが強まり、鳩山首相も容認する姿勢だと報道されるにいたり、今注目が高まっている。兵庫県では、朝鮮高級学校の生徒達が民主党県連に対象にするよう要請し、また国連人権差別撤廃委員会でも取り上げられるなど、対象からはずすことに批判の声も上がっている。外交問題を子どもの教育問題にすりかえるべきでないと思う。 朝鮮高級学校が全国で12校あり、その一つが神戸市の垂水区にある。神戸市は、朝鮮人が多く住み、震災でも朝鮮学校を避難所に提供するなど地域とのつながりも深い。神戸市も朝鮮学校に助成を行うなどその門戸を大きく開いてきた。本来、国の話であり、所管は県になることは十分承知している。今朝の一部報道では、政権内部で、朝鮮学校も含めるとの方向で動いているとの報道もなされているが、住民の安全と福祉、健康を守る立場にある市長として、朝鮮学校を無償化の対象とするよう表明するべきと思うが、見解を。 (小柴副市長) この問題は国が統一的に取り扱いを定める問題であると認識しており、市としては国の動向を見守りたい。 (あわはら議員・再質問) 市長は幼いときに苦労されて、苦学して大学を卒業された聞いている。また、人権問題や平和問題にも感心が高いことを私は知っている。しかも、国際化を標榜する神戸市長である。関東大震災では、流言卑語が飛び交い当時、朝鮮人や中国人が襲撃されるという事件が起こった。しかし、阪神淡路大震災では、逆に、朝鮮人も韓国人も中国人も国籍を超えて助け合ったことが、国際的にも高く評価された。 こういう経験を持つ神戸市長として、対立を煽るようなことをするのでなく、是非とも無償化の対象に朝鮮学校も含めるよう声をあげていただきたい。是非とも、市長に答弁をいただきたい。 (矢田市長) 私個人としては、無償化は全体でやるべきものではないと疑問をもっている。所得の低い人で向学心があり、就学が困難な人に絞ってやるのが筋だ。そのため、市も単独で奨学金も維持してきた。 (あわはら議員・意見) 人権や差別の観点から聞いているのであって、制度について言われると違う気がする。 2,市営住宅の家賃減免について −生活保護基準下回る層への対策を− 昨年4月から家賃の減免制度が大きく変更された。それにより、家賃が上がり、中には生活保護基準以下の生活を強いられる世帯もでてきている。都市計画総局の質疑では、「生活保護基準と逆転した現象が出ているのは事実だが、制度上この方法しかなく見直すつもりはない。」というものだった。 確かに、政令月収方式より今の制度の方が現実の生活に見合った家賃査定方式になっているが、ただ、生活保護基準前後の世帯で逆転現象が起こり、結果として生活保護世帯を増やす結果となっている。 国民健康保険等が医療や介護の自己負担分で限度額定めているが、その限度額が適用されたままでは、生活保護受給の対象になってしまう場合、限度額をい下げることで生活保護を受けなくて済むようにする境界層措置という制度がある。 これと同じような考え方を、今回の減免制度での家賃上昇で生活保護基準を下まわってしまう境界層の適用するべきでないか。結果、生活保護の受給を回避し、市の財政負担も軽減されるのではないか、見解を。 (石井副市長) 境界層措置と生活保護は制度的に異なるものであり、所得の低い世帯についてはそれぞれで負担の軽減を図っているのでご理解いただきたい。 (あわはら議員・意見) 先日、相談があり、年収が104万円の方で生活保護基準は超えているが、減免制度の変更で家賃が16,900円となり、生活費は70,000円しかなく、保護基準の77,000円を下回ることになる。政令月収方式からの変更にクレームをつけているのでなく、生活保護基準前後の人々が一番被害をこうむっており、対策を検討するべきだ。したがって、一つの考え方を提示させていただいたが、境界層の世帯に、何らかの対策が必要なことは事実だと思う。 |
| 予算特別委員会各局審査・質疑項目 |
あわはら富夫議員 ![]() ●交通局 ・自動車事業のあり方について ・地下鉄海岸線での長期収支計画について ●みなと総局 ・包括外部監査報告の指摘について ・海上アクセスについて ●産業振興局 ・みのりの公社、株式会社神戸ワインと第3セクター抜本改正について ●都市計画総局 ・都市計画総局所管の外郭団体のあり方について ・市営住宅家賃の減免見直し問題について ●消防局 ・消防団員の確保対策について 小林るみ子議員 ![]() ●行財政局 ・公契約条例の早期制定について ・指定管理者制度のもとでの人件費確保について ●企画調整局 ・「ワンストップ・サービス・デイ」の継続化について ・戦災資料の整理・保存の取り組みについて ●市民参画推進局 ・「デートDV」の相談・支援体制の充実について ・ワークライフ・バランスに非正規労働者の視点を ●教育委員会 ・友生養護学校新築、移転問題について (意見) ・特別支援教育支援員配置事業の充実について ・高校授業料無償化における朝鮮学校問題について ●危機管理室 ・アスベストマスクの備蓄、企業連携について ●国際文化観光局 ・真の国際化を求めて−外国人実習生・研修生問題− |
| 平和市長会議の呼びかけに応え「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」を決議 |
| 広島市と長崎市が主宰する平和市長会議は、2020年までの核兵器廃絶をめざし、その具体的な道筋を示す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を発表しています。この議定書が今年5月のNPT再検討会議において採択されるがどうかが大きな当面の焦点となっています。 そこで、平和市長会議では地方議会での意見書採択を進めて、核保有国など各国政府への働きかけを日本政府に求めていますが、被爆都市が主宰する平和市長会議の動きは大きな意味を持っています。 現在、平和市長会議の加盟は国内570都市、国外2,992都市へと広がり、神戸市も昨年12月に加盟しました。平和市長会議からは全国の議会に意見書決議の呼びかけが行われており、神戸市会でも今議会において「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」を全会一致で決議しました。以下、意見書を掲載します。 |
| 平成22年3月25日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 }各あて 総務大臣 外務大臣 神戸市会議長 吉田謙治 核兵器の廃絶と恒久平和実現を求める意見書 世界の恒久平和は人類共通の願いであり,我が国は,世界で唯一の被爆国として核兵器の廃絶を強く求めてきました。本市会においても,昨年6月に北朝鮮の核実験に抗議する決議を行うなど,これまで核実験の禁止や核兵器の廃絶を求める決議等を重ねて行い,一貫して恒久平和への祈願を表明してまいりました。 しかしながら,人類は核兵器の脅威から解放されておらず,我が国も批准している核不拡散条約(NPT)の加盟国において, 2000年のNPT再検討会議で全面的な核兵器廃絶が約束されたにもかかわらず,北朝鮮はNPTを脱退して地下核実験を行い,加盟国であるイランは国連安全保障理事会の決議に反してウラン濃縮を継続するなど,核軍縮はもとより,核不拡散体制そのものが危機的な状況に直面しています。 昨年4月,オバマ米国大統領はプラハにおいて,核兵器を唯一使用した国としての道義的責任を表明し,「核兵器のない世界」を追求する画期的な演説を行いました。続く9月には,国連安全保障理事会で「核兵器のない世界」を目指す決議が全会一致で採択され,12月には同大統領がノーベル平和賞を授与されるなど,核廃絶に向けた世界的な機運が一段と高まっているところです。 よって,国におかれては,平和市長会議が提唱する,2020年までに核兵器の廃絶を目指す「2020ビジョン」を支持し,本年5月に開催されるNPT再検討会議において主導的な役割を果たすとともに,今後とも国際協調を図りながら,核兵器の廃絶と恒久平和実現に向けた努力を一層強化されるよう,強く要望します。 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 |
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あわはら富夫議員・議案討論 私は新社会党神戸市会議員団を代表して先ほどの委員長報告に対し、予算第1号議案,予算第4号議案,予算第12号議案から予算第12号議案にいたる3議案,予算第16号議案,予算第17号議案,予算第20号議案から予算第23号議案にいたる4議案、および関連議案の内、第12号議案に反対する討論をいたします。 2010年度予算案は、景気後退で個人市民税や法人市民税の大幅減がありながらも、新政権の誕生で、前政権の三味一体改革から地方主権の流れの中、地方交付税が増加し、収支不足が20億円となり、退職手当債など赤字公債を発行することなく、財産収入確保なでで収支均衡を保っています。 しかしながら、臨時的な財源対策手段は枯渇しており、また、不況での生活苦が広がる中、扶助費が伸び、義務的経費は高い比率を維持しており、財政構造の硬直化・弾力性の低下は依然として続いています。 一方市債残高は、この間の行財政改革や市民サービスに係る制度の見直しなどで、一般会計では大幅に減少したものの、空港島造成事業を抱えた新都市整備事業や新長田再開発事業などでは多くの起債が残されており、借換えなどで一時しのぎをしても、今後土地の売却や保留床の売却が進まなければ、起債償還財源が枯渇し、一般会計にも大きな影響を及ぼすばかりか、将来に大きなツケを残すことになりかねません。 バブル崩壊後も、起債・土地処分・償還との発想を変えず、空港造成事業や市街地再開発事業を進めてきたことが、このような危うい状況を作り出してしまっています。過去の起債主義に対する明確な反省が必要です。 また、六甲シンフォニーホールでの土地先行取得や基金土地での保有で208億円の含み損を抱え、包括外部監査で指摘されるまで、議会での説明がなかったことなども含め、バブル崩壊後の財政運営が土地神話に惑わされていたと言わざるを得ません。 このような財政上の問題点の指摘の上に立って以下、反対の理由を述べます。 その第一の反対理由は、景気後退が続く中、市民の暮らしを守る施策が不十分だからです。 サブプライムローンの崩壊からはじまった世界不況は、日本では第2次デフレ現象となり失業者があふれ、景気は大きく後退しています。事実、今回の予算でも70億円の扶助費増がその大きな表れです。 私は、特別委員会の都市計画総局や総括質疑で昨年から実施されている市営住宅家賃の減免制度の見直しで、「家賃が上昇し、生活保護基準以下になってしまう世帯や、生活保護基準者であるけれども生活保護を受けずに暮らしている世帯が結局、生活保護を受けざるを得なくなってしまうケースが出ている」ことを問題にしました。工夫はいるとは思いますが、生活扶助予算を増やさないためにも、このような人々を救う施策が必要だと思うのです。 また、国民健康保険事業でも近年、加入者に低所得者や高齢者が増加し、保険料を払えない世帯が増え、収納率も低下しています。一般会計から国保への繰入を増やして、低所得者の保険料を引下げ、収納率を高めるなどの施策を検討されてしかるべき時ではないでしょうか。 そして、敬老優待乗車制度が一昨年、乗る度負担制度に変更され、激変緩和措置が今年9月で終わり、10月からはバスが均一区で50円が100円に、地下鉄では小児料金に約2倍に負担が増えることになります。激変緩和措置のときでも、バスで36.6%減、地下鉄で26%減となっていますが、今年10月以降は更に利用者減が予想されます。 敬老優待乗車制度の乗る度負担制度は、高齢者の社会参加の後退、高齢者の健康維持への障害はもちろん、市場や商店街の営業にも大きな悪影響を与えています。新社会党は乗る度負担制度でなく、最悪でも見直しを行った政令都市並のフリーパス制度の検討を行うことを求め続けてきました。検討を前提に、10月からの負担増は見送るべきです。 しかも、今回の交通局市バス中央営業所での料金抜き取り事件は、当初5万円の被害と報じられていましたが、当局の調査で被害額は12月だけで50万円近くにもなり、いつからこの犯行が進行していたのか全く不明の状況となっています。平成17年以前の鍵管理名簿はなく、10年以上前から犯行が行われているとしたらその被害額は、千万単位にもなってきます。現状から見て、組織的な犯行の可能性が高く、交通局の体質が問われているといっても過言ではありません。 徹底調査すると交通局長は答弁しましたが、全容の解明を行い、その責任の所在を明らかにするまで、この9月での敬老優待パス激変緩和措置終了の市民合意を得ることは極めて難しいのはないでしょうか。 第2点目の反対理由は厳しい財政状況でありながら、アジュール舞子事業やベイシャトルに多額の市税が投入されることです。 アジュール舞子事業は当初195億円(現在は203億円)の起債事業で、造成した土地の処分ですべて償還し、市民には負担をかけないと言うものでした。ところが、土地売却が進まず、平成9年から償還財源として一般財源が投入され、平成19年度末で81億円もの一般財源がすでに投入され、今回の予算案でも1億7千万円の一般財源が予定さています。 当局は、一般会計で公園用地として買い戻すとの対策の方向を打ち出しています。しかし、現在賃貸されている土地が購入されたとしても、公園整備費の市持ち出し分と起債償還の一般財源を合計すれば110億円の市税が使われたことになります。 すべてを土地売却で賄うとした事業が、結果203億円のうちその半額を超える110億円の市税投入になってしまうことは問題です。市民に負担をかけないといった事業の失敗を市税投入で補うことには反対です。 また、海上アクセス(ベイ・シャトル)は、今年度、約1億円の市税投入が予定されています。海上アクセスはすでに170億円にせまる累積赤字を計上しています。みなと総局の必死の努力で、乗降客は増加しているものの、その収益の多くは付帯事業の駐車場管理業であり、別に海上アクセス会社しかできない事業ではありません。 市民からに批判をかわすために、何が何でも黒字に見せようと逆に多額の補助金の投入や形を変えた資金融通が行われています。 しかも、累積負債の内、1996年から2000年に貸し付けた63億円は返済期限が10年間延長され、今年度返済予定の18億円についても、返済の先送りを検討していることが、みなと総局の審査で明らかになりました。将来の返済計画の見通しは、極めて難しい状況と言わねばなりません。 第3点目の反対理由は神戸空港の当初計画が大きく破綻していることです。 開港4年目を向えた神戸空港は、開港後一度も搭乗者数が重要予測に届かず、空港管理収支、空港関連土地処分に大きな影響がでています。 22年度予算では管理収支は日航の撤退などがあり、実質5億6千万円の赤字で、昨年に引き続き財政調基金の取り崩しでしのいでいますが、基金の残りも1億2千万円で、今後、起債償還が増大することから、市税投入なしでは成り立たない会計になってしまうことは明らかです。 また、空港島造成事業での起債償還が22年度で650億円になりますが、財源の土地処分が全く進んでいないことから、とうとう200億円を借換えで先送りすることになりました。今後、ポーアイ2期の起債償還も加わることから、来年度からも借換えが行われることは確実で、その利子負担の増大や次世代まで負担を残すことになり、大きな問題です。 このような八方塞の状況の中、矢田市長は、関空3空港の一体運用で、その活路を見出そうとしていますが、関空会社が抱える1兆1,000億円の有利子負債をどうするかなど、国土交通省や大阪府、兵庫県のそれぞれの思いがあり、運営主体や伊丹空港の存廃なども絡み、橋下大阪府知事からは「神戸空港は失策」と批判される始末です。 何度も言いますが、多くの市民は、このような状況を冷ややかにみています。それは、神戸空港の是非を求める住民投票を市長と議会の「与党」会派がつぶしたことが原因です。 住民投票さえ行っておれば、たとえ建設を認める結果になっていたとしても、その責任は明確になり、この現状をどうするかを市民全体で英知を結集することが可能であったと思うのです。矢田市長は、神戸空港の失敗を認め、市民に謝罪し、今後についての意見を求めるべきではないでしょうか。 最後に、そのことを付け加えさせていただいて、新社会党神戸市会議員団を代表しての討論といたします。 小林るみ子議員・請願討論 私は、新社会党神戸市会議員団を代表し、請願第89号「神戸空港の財政計画と需要予測の検証を求める請願」、請願第90号「神戸空港の管理収支及び空港島造成に係る市債償還計画を見直し、市民に知らせることなどを求める請願」について、委員長報告に反対し請願を採択する立場で討論致します。 2006年2月、神戸空港は開港しました。この4年間、市民は需要予測をはじめ、財政問題・安全問題・空域問題・環境問題などの検証を再三求めてきました。しかし、神戸市は、市民の指摘に十分に向き合うこともなく今に至っています。一方、神戸空港をめぐる諸課題の矛盾はますます顕著になってきていると言えます。開港後一度も達成していないという需要予測。土地売却・処分が進まない中での起債償還計画。あらたに市債を発行し、返済を先送りをしようとする財政計画。そして、今年5月の日本航空の全面撤退。 このたびの請願2件は、神戸空港がこのような硬直化した厳しい状況にありながら、諸課題に真摯に向き合おうとしてこなかった、神戸市の姿勢を正そうとするものです。 課題の一つは、財政問題です。空港島造成事業での起債償還がすでにはじまっていますが、その財源の土地売却・処分がいっこうに進まず、売却できたのは予定面積の3%、収入は約45億円です。新都市整備事業会計からの流用で、今年度は賄うことができたものの、次年度については新都市整備事業会計から更なる流用と新たな200億円の借り換えで、さらに返済が先送りされることになります。また今後、ポートアイランド2期の起債償還も加わることから、ますますその額が増大し、金利負担を膨らませながら、次世代に多くの負担を押し付けることになってしまいます。 神戸市はこの間、市税は投入しない、市民に迷惑をかけない、と言い切ってきました。しかし、すでに空港関連事業である海上アクセス、ベイ・シャトルに次年度もまた約1億円の補助金を予算化しています。このままだと神戸空港への市税投入も時間の問題なのではと、危惧せざるを得ません。 このような破綻の兆しと指摘されている財政計画について、神戸市は財源の土地売却・処分については、企業のニーズも高く、時間はかかるが誘致は十分に可能であり、安定的な財政運営だとし、破綻とは考えていないという考えを示しました。 課題のもう一つは、需要予測です。3月9日、国土交通省は空港を建設したり、拡張したりする際の判断基準となってきた国内線の需要予測と2008年度の利用実績を公表しました。全国の空港のうち、実績が需要予測を上回ったのは、羽田空港や那覇空港など8空港に留まり、約9割の空港は需要予測を下回りました。建設優先での甘い需要予測のもと、地方空港を乱造してきた国の航空施策が厳しく問われています。 神戸空港も需要予測を下回る空港の一つであり、神戸空港の航空需要予測結果の総需要値において、2005年度の319万人という需要予測に対して、2008年度の実績は約258万人、達成率81%となっています。需要予測と実績に大きな乖離が生じています。さらに、その「総需要値」によると、次年度(2010年度)の需要予測は403万人とされています。これらの需要予測の甘さについては、当初より、市民から多くの疑問が出され、指摘をも、されてきました。 しかし、神戸市は、需要予測の手法の考え方は、現在でも妥当であるということ、需要予測は、短期的要因で見直すものではないということ、中・長期的には、需要は伸びていくものであるということ、このような理由から需要予測については、見直すことは考えていないと繰り返しました。また、需要予測の根拠ともなる利用実態調査の必要性についても、前向きな姿勢はありませんでした。 国土交通省の2009年航空輸送統計によると、国内線の旅客数は3年連続の下落で、その背景には、世界的不況の影響をはじめ、少子高齢化や航空会社の路線廃止、新幹線などの地上交通の整備などに伴う航空需要の減少があると言われています。右肩上がりで増えることを前提とした需要予測の、航空施策を徹底的に見直すことが求められています。 また、今、関西3空港のあり方について、住民不在の様々な発言が飛び交っています。揺れ動く関西3空港のあり方について、徹底した議論なくして、解決に向けての道筋、方向性は見えてこないと考えます。そのためにも、神戸空港が抱える諸課題についての検証の裏づけが必要となってまいります。 需要予測のみならず、財政問題・安全問題・空域問題・環境問題などの検証を行い、それを市民に明らかにし、私たちの住むこの神戸の街の将来を、市民とともに考えていこうとする姿勢が、今神戸市に求められているのではないかと思います。 以上、請願2件の採択に賛同していただくことをお願いし、新社会党神戸市会議員団を代表しての討論と致します。 |