第3回定例会終わる
平和施策、アスベスト含有再生砕石、生活保護制度問題などで論議
 
 9月21日から10月26日まで開かれていた、2009年度神戸市会計決算を審議した第3回定例会が終わりました。
 決算に対する市長への代表質疑は、小林るみ子議員が@神戸市の平和施策、A児童虐待と学校支援体制について質疑しました。(→質疑要旨はこちらから)
 また決算特別委員会の各局審査では、両議員とも連日質疑を行いました。その審査の最中に、10月4日付けの神戸新聞で、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターの調査により、アスベストを含む再生砕石が市内の公園3カ所で見つかったことが明らかになりました。これを受け、環境局の質疑で小林るみ子議員がこの問題を取り上げ、この中で小林議員は早急な調査と撤去を行うべきと質疑。これに対し当局は「まずは調査をし、アスベスト含有の再生砕石が見つかれば対策を行う」との答弁でした。
 しかしその後、ひょうご労働安全衛生センターが10月9〜11日に全市的に行った調査では、更に多くの場所からアスベスト含有の再生砕石が見つかりました。これを受けて、13日の総括質疑では、あわはら富夫議員がさらに突っ込んで質疑し(別途要旨掲載)、「市としては公園など再生砕石がある対象施設を10月15日を目処に把握して、この結果を受けて実態調査に入りたい」と答弁しました。また、生活保護制度改正に向けた国への指定都市市長会提案の中味について質疑しました。なお、両議員の決算特別委員会での質疑項目は別途掲載しています。
 一方、最終日には議案に対する討論をあわはら富夫議員が、請願に対する討論を小林るみ子議員が行いました。(→両議員の討論はこちらから



決算特別委員会各局審査・質疑項目

あわはら富夫議員
●交通局
 ・自動車事業のあり方について
 ・地下鉄海岸線での長期収支計画について
●みなと総局
 ・包括外部監査報告の指摘について
 ・海上アクセスについて
●産業振興局
 ・みのりの公社、株式会社神戸ワインと第3セクター抜本改正について
●都市計画総局
 ・都市計画総局所管の外郭団体のあり方について
 ・市営住宅家賃の減免見直し問題について
●消防局
 ・消防団員の確保対策について


小林るみ子議員
●環境局
 ・アスベスト含有再生砕石の徹底調査と撤去について
 ・市民に“見える”リサイクル(工房)について  
●保健福祉局
 ・弱者切り捨てにつながる全国指定都市市長会「生活保護制度改革案」は認められない(意見)
 ・介護保険制度10年の問題点の検証・改善について
 ・障がいのある児童・生徒の放課後の保障について
●建設局
 ・視覚障がい者の外出保障のための交通安全総点検事業の拡充について 
 ・都賀川の回転灯への早急な音声機能設置について
 ・王子動物園、須磨海浜水族園、花鳥園セット入園券の販売について
●水道局
 ・水道局元職員のアスベスト被害実態調査について
 ・千がり貯水池の全リン濃度の目標値を暫定から本来の目標値へ


あわはら富夫議員総括質疑(10月13日・要旨)

1、生活保護制度の政令都市改革提案について

  〜改革案の全面見直しを〜
 
 生活保護制度の抜本的制度改正に向けた国の提案骨子が、8月の指定都市市長会において合意された。この背景には多くの政令都市で、生活保護による扶助費が激増し、これが一般会計を圧迫し、地方財政に大きな影響を与えていることがその背景になっている。内容をみると、生活保護費の全面国庫負担など評価できるものもあるが、自立促進や不正摘発の思いが前面に出て、有期保護制度や医療扶助への一部負担のなどが提案され、一定期間に就労を果たせない場合は社会奉仕・貢献などペナルティと受け取られかねない提案もなされている。
 これらは憲法25条が保障する、国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を侵害するものになり、国はなん人にも苦役を強制できないとの憲法18条や生活保護法の保護請求権無差別平等の原理、また申請保護の原理にも反することになるのではないか。見解を。
 また、ケースワーカーを稼働年齢層に投入することが提案されているが、現在のケースワーカーさんたちの実情を全く理解していない提案である。この際、指定都市市長会会長である矢田市長として、生活保護制度の政令都市改革提案を全面的に見直すべきと思うがどうか。見解を

(矢田市長)
 超高齢化社会や格差社会を迎え、社会経済情勢が変化する中、稼働世帯と高齢者世帯の二極化に見られるように、きめこまかい対策ができないなど生活保護制度が制度疲労してきている中で今回問題提起がされている。その中でセーフテイネットの様々なプランを指定都市市長会で描いているが、それを国に提案している。もちろん生活保護受給の原点は憲法25条だ。本来、生活保護は国が全責任をもって行うのが筋で、これからあるべき論を国に提示したのが今回の提案だ。

(あわはら議員・再質疑)
 経済的理由以外の条件をつけることは保護請求権の無差別平等に違反する。期限をきって、就労がなかなかうまくいかなかったから社会奉仕活動にいってもらうというのは、経済的理由以外の条件をつけることにならないか。ケースワーカーについても一人が100人を超える人を担当しているわけだから、例えば50人に一人とかを求めていくほうが重要ではないか。 

(矢田市長)
 今の検討している中味で有期保護制度については、なかなか自立できない、就労できない中でどう前に進んでもらうのかが提案の主だ。


2,再生砕石へのアスベスト混入問題について

  混入の経過と理由を明らかに〜

 昨年から全国で再生砕石にアスベスト建材の混入が問題になっており、ひょうご労働安全センターが独自に公園などを調査し、市の公園など3か所で発見した。この問題を、環境局審査で小林議員が取り上げ、当局からは「砕石を利用した市有地を調査し、石綿が見つかれば除去する」との回答を得た。
 ところが、この9日、10日、11日にNPOひょうご労働安全衛生センターで新たに調査したところ、中央区の復興公園、灘や石屋川の公園で見つかった。私も、昨日復興公園でわずか30分の間に、2枚の石綿を含んだとみられるスレート板の破片を発見した。神戸市としてまず、再生砕石にアスベストの混入があることを認めるべきでないのか。
 早急な調査と除去をしてもらうのは当然だが、当局は「解体現場でも立ち入り調査してきたし、14か所の中間施設も従前から立ち入りしている」と答弁されているが、このような混入がどのような経緯で、なぜ起こっているのか見解を伺いたい。

(中村副市長)
 10月4日の報道を受けすぐに現場調査を行い、6日にはNPO法人の方と一緒に現地調査したが、報道されていたようなスレート片は発見できなかった。ただ、今おっしゃるように、2カ所で見つかったと聞いたので調査する。市としては公園など再生砕石がある対象施設を10月15日を目処に把握して、この結果を受けて実態調査に入りたい。
 アスベスト含有建材を含む解体工事は、飛散防止基準の遵守、アスベスト含有廃棄物の適正処理などの基準があり指導しており、再生砕石の不正処理防止に努めている。その中で委員がおっしゃるような事実があるが、意図せざる形で入っていたという理解しかしようがない。ただアスベスト含有スレート片は非飛散性なので簡単には飛ばないので、そんなに健康には影響ない。

(あわはら議員・再質疑)
 私が復興公園や石屋川公園で見つけた現物をここに持ってきている。またNPOの連休中の調査でも多く発見されている。しかし公園で見つかったということが問題ではなく、問題は意図してないか意図しているかは別にして、解体作業の流れの中で現実に混在されている事実だ。解体現場でこのような混入がされているとすれば、適正に処理されていない可能性があるということだ。非飛散系でも破砕すれば飛散することになり、現場で暴露している可能性があるということだ。そういう視点で私は警鐘を鳴らしているが見解を。

(中村副市長)
 解体現場等への立入調査はやっている。



指定都市市長会が国へ改革提案を提出。市民団体は撤回求める
 あわはら議員が、生活保護制度の指定都市市長会改革提案を総括質疑で取り上げた後の、10月20日、指定都市市長会は期限付き受給や、医療費の一部自己負担などを盛り込んだ抜本改正を国に要望しました。(→指定都市市長会提案はこちらから
 この中で、自治体が原則4分の1を負担している保護費を全額国庫負担とする一方、働くことが可能な受給者に対しては就労支援を進めながら、自立の努力が足りないと判断した場合は一定期間で保護を打ち切りも検討する、事実上の「有期保護制度」導入も提案されています。これは、あわはら議員が指摘したように、生存権を規定した憲法25条に反し、生活保護制度の理念に反するもので、認めることはできません。
 また同日の20日には、「生活保護問題対策連絡会議」など12の市民団体は「失業者や低所得者を生活保護から排除する危険な構想」として、撤回を求める意見書を発表しました。(以下、掲載)

生活保護の有期化は最後のセーフティネットの形骸化を招く暴論
〜指定都市市長会・生活保護制度改革案についての意見書〜

第1 意見書の趣旨
1 生活保護制度の形骸化を招く市長会案の撤回を求める。

 生活保護の有期化や医療扶助一部負担等を内容とする指定都市市長会の生活保護改革案は、やっと生活保護による救済が始まった失業者やワーキングプア層を生活保護から排除する危険な構想である。
 生存権を保障した憲法25条に明確に違反し、生活保護制度という最後のセーフティネットを事実上崩壊させ、餓死者などを出しかねない重大な結果をもたらすものであり、断じて容認できない。市長会にはこの改革案の撤回を求める。

2 生活保護利用者の増加は雇用状況の悪化や、低額な年金など社会保障の不備が要因で
 ある。貧困の拡大のもとで求められているのは、生活保護の有効活用である。

 生活保護利用者の増加は、失業率の高止まり、非正規雇用の増大や社会保障制度の不備等を要因としており、生活保護制度に問題があることが原因なのではない。生活保護制度は増大するワーキングプア(働く貧困層)をはじめ、生活困窮者の救済には欠くことができない制度である。また日本の貧困率(標準的所得の半分以下の所得人口15.7%、6.4人に一人が貧困状態。2009年10月厚労省発表)や捕捉率(生活保護費未満の低所得者で、かつ貯金無しの世帯中、現に保護を利用している世帯は32%。2010年4月厚労省発表)から考えれば、もっとその役割を果たさなければならない。
 現在求められているのは、労働者派遣法の抜本改正など企業に雇用責任を果たさせること、さらに、失業給付や年金の充実など社会保障の充実とあわせて、生活保護も最大限に有効活用することであって、その制限ではない。

3 財政負担増は国家責任により解決し、自立支援は期限を切らない支援計画によって行うべきである。
 生活保護費の負担軽減の方策は、有期保護によって、生活保護から利用者を追い出すことに求めるのではなく、市長会も要望している通り、生活保護に至る前段階での第2のセーフティネットの充実等によるべきである。また、同会も要求しているように、もともと生活保護は国家責任の制度であること、またリーマンショック以降の雇用状況の悪化は国金体で起こっていることから、国が生活保護費の全額を負担することによって解決しなければならない。当会議の見解とも一致するこの方向での運動を、市民とともに強化することが重要である。
 また、生活保護利用者の自立支援は、長期的な支援計画の下で、働く場を用意すること含め、資格等を獲得していくステップバイステップの取組が有効であることが明らかになっている。また、公的就労の充実がなければ、自立支援は有効に機能しない。
 期限を切って利用者を追い詰めるのではなく、このような取組によってこそ、正規雇用など安定した就労に就くことができ保護からの安定的脱却が可能となる。

(以下項目のみ)
第2 指定都市市長会生活保護制度改革案の検討
1 改革案の概要
2 改革案の問題点
 骨子案は、生存権を具体化した生活保護法の変質をもたらすと言ってよい重大な問題を含む。明らかに憲法違反の提言である。
(1)改革案の基本認識  〜貧困の自己責任化、生活保護「問題」論
(2)有期保護の問題点
 ア 憲法25条、生活保護法2条違反
 イ 生活保護が有期化されれば、最後のセーフティネットがなくなる
 ウ 3年〜5年で貧困から脱却できる実証的な根拠がない
 エ 実効性のある自立支援とはまったく逆行
(3)医療扶助一部自己負担化の問題点


小手先の費用弁償見直しに反対
費用弁償は完全に廃止すべき
  
 神戸市会議員には条例にもとづき、月々の歳費や政務調査費(日常的な調査研究活動のための経費)の他に、「議員が職務を行うために費用を必要としたときは、その費用を弁償する」(市条例)として、本会議や委員会に出席するごとに毎日「費用弁償」が支払われています。この金額は、議事堂から議員の自宅までの距離に応じて日額8,000円〜13,000円の定額制です。新社会党議員団はかねてから、この費用弁償については歳費の二重支給にあたり、市民感覚からも大きく外れていると廃止を主張し、議長にも「議会改革の提案」の一つとして申し入れを行なってきました。そのため、費用弁償については受け取りを拒否してきました。
 ところが今回の議会で、民主、公明、自民系の4会派の合意として費用弁償の見直し条例が突然提案され、11月1日から適用となります。その見直し内容は議員の居住地により日額3,000円〜5,000円の定額制へと金額を変更するものです。その見直しの理由として他の政令都市との均衡や最高裁判決をあげ、額の設定を「公共交通機関や自動車を利用した場合の議事堂までの交通費と諸雑費の合計額」とするとしています。
 しかし、公共交通機関を利用すれば議事堂まで、遠距離の議員でも1,000円前後もあれば往復できます。また「諸雑費」という概念もあいまいで、これではとうてい市民の理解は得られません。費用弁償は完全に廃止するか、最低でも交通費の実費弁償にすべきで、新社会党は今回の条例見直しに反対、今後も費用弁償は受け取りを拒否し続けます。
 以下、あわはら議員の議案に対する反対討論を掲載します。 
 
 私は新社会党神戸市会議員団を代表し、「議員提出第81号議案 神戸市市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の件」について、反対の立場から討論を行います。
 現行の条例にもとづく費用弁償は、「議員が職務を行うために費用を必要としたときは、その費用を弁償する」という条例の根拠にもとづき、議事堂から議員の住所までの直線距離に応じ、日額8,000円〜14,000円が支払われています。
 新社会党議員団は改選後の2007年に、費用弁償は、全国的にも廃止の方向であり、また、歳費の二重支給との市民からの批判もある、市民感覚からも大きく外れているとの観点で、議長に「議会改革の提案」の一つとして「廃止すべき」との申し入れを行なってきました。しかし、制度が存続されたことから、自らの主張を実践するため、今日まで、費用弁償については受け取りを拒否してきたところです。
 
 今回の議案に反対する第1の理由は、費用弁償の額の根拠があいまいだということです。今回の議案は費用弁償を、議員の居住地の区分に応じ、日額3,000〜5,000円に改めるとしています。これまでの高額な費用弁償を、定額制を採用している政令指定都市の平均に改めることは、一定理解できます。
 しかしながら額の設定の基礎として、定例会などの出席にともなう「公共交通機関や自動車を利用した場合の議事堂までの交通費と諸雑費の合計額」としています。
 ところが、公共交通機関を利用すれば議事堂まで、遠距離の議員でも1,000円前後もあれば往復できます。また「諸雑費」という概念もあいまいで、何を基準に算定したのか合理性や必要性を著しく欠いています。
 これではとうてい市民の理解は得られず、小手先の費用弁償見直しだと、市民から見られても仕方ありません。仮に費用弁償を行うとしても、交通費の実費支給にすべきです。

 第2の理由は、議員が本会議などに出席するのは、議員本来の任務であり、こうした議員本来の職務を保障するため、すでに議員報酬と一定額の期末手当が支給されているからです。報酬以外に算定根拠不明な費用弁償をうけとることは、一般市民の感覚からかけ離れています。
 さらに、職務遂行のための日常的な調査研究活動のため、会派には政務調査費も支給されており、費用弁償に言う「諸雑費」は、政務調査費の支出目的と重複する可能性も否定できないからです。これでは、市民から「二重取り」と言われても仕方ありません。

 第3の理由は、費用弁償は全国的に廃止の方向で見直しが行われていることです。政令指定都市でも既に、大阪、堺、横浜など9つの都市がすでに廃止しています。
 また、神戸市が財政難を理由に、敬老パスの乗るたび負担制度導入など、市民のための福祉等のサービスの切り下げに市民の不満が高まっているときに、議員のみが実費以上の費用弁償を受けることの合理性はもはやないと言わざるを得ません。市民感情からしても算定根拠があいまいな費用弁償支給は許されないものです。このような理由から、新社会党議員団は費用弁償は廃止すべきと考えます。

 最後に、いま議会基本条例が全国で注目され、広がっています。この背景には、大阪府や名古屋市など首長と議会の対立で、議会への市民の目線が厳しくなっており、定数削減を求める声が常態化し、一部では議会不要論もが出始めていることなどがあります。また地方分権の進展にともない、地方議会の責任が大きくなった現実もあります。
 地方自治体が首長と議会の2元制であることを前提にして、議会基本条例はこれまでの市長など当局が議案を説明し、議員は質問するだけという従来の地方議会のあり方を見直し、議会が市民に直接働きかけるなど、住民への議会の透明性を担保し、市民主体の議会活動を促し、市民にとって「見える議会」にし、市民の信頼を議会自らが勝ち得ていくことを目的にしています。
 先ほどの、賛成討論で、費用弁償が法律で認められ、最高裁判決で支給事由や支給額は議会の裁量判断に委ねられているとの討論が行われました。
 いくら、法律や最高裁判決で認められるといっても、今回の条例改正案は市民感覚から大きくずれていることは明らかです。
 市民に信頼され、「市民に見える議会」にしてゆこうとの全国の議会改革のが大きな流れのなかで、今回の条例改正は逆行するものにほかなりません。
 議会自らが市民の目線にたった改革を進めていくのが本来の議会改革ではないでしょうか。
 以上、議員提出第81号議案に反対する理由を述べまして、新社会党議員団としての討論といたします。