| 第1回定例市会代表質疑(要旨) あわはら富夫議員 |
2011年度神戸市予算案に対する本会議代表質疑は、2月23日(水)に、あわはら富夫議員が@収益事業における借換え債の発行について、A神戸空港について、B借上げ公営住宅の住替え問題について質疑しました。 以下、その要旨を紹介します。なお、要旨は議員団事務局のメモによるものです。また、質疑の全文は神戸市会インターネット録画放映で見ることができます。(→こちらから) |
2011年度予算案は一般会計7,452億円で対前年度比2.7%減、特別・企業会計は1兆1011億円で対前年度比2.4%増、合計1兆8463億円で対前年度比0.3%増となっている。とりわけ、企業会計の中では、港湾事業会計や新都市整備事業会計の起債償還が増加したことなどから、大幅に予算規模が増えている。世界的金融危機にともなう景気後退は依然として深刻で、法人市民税は若干持ち直したものの、個人所得の減少で個人市民税は大幅に落ち込んだが、地方交付税が国の地財対策で増加し、15億円の収支不足を、赤字公債の発行することなく財産収入で補っている。 今後も社会保障費や医療費は増加し、義務的経費は依然として高い比率で、昨年度の53.2%から55.6%に上昇している。一般会計での財政改善は進んでいるものの依然として、財政の硬直化が進んでいる。 また、企業会計では、新都市整備事業会計で企債償還が平成23年度730億円とピークを迎え、また港湾事業会計でもポーアイ2期の借換え債の償還がいよいよ始まる。しかし、土地売却が進まない現状では、借換債に依存ぜざるを得なくなっている。今後も、多額の企債償還が続くことから、償還財源がいつまで持つのか微妙な状況だ。一般会計での改善は進んでいるものの、企業会計では企債償還と資金ショートという爆弾を抱えている。 多くの市民は、神戸市のこのような財政状況に心配の声を上げ、今こそ、市民への説明責任を果たすべきときではないか。新社会党神戸市会議員団は、市民への説明責任を果たし、雇用やくらし、福祉を優先する立場から以下、2点の質疑と1点の意見を述べさせていただく。 1、安易な借換債発行でなく、将来の見通しなど市民に説明を 第1点は、収益事業における借換え債の発行について。 平成23年度予算案で港湾事業会計で108億円、新都市整備事業会計では468億円の借換債の発行が提案されている。その中味は、港湾事業会計では、ポーアイ2期で一度、10年前に先送りされた108億円の借換債を更に借り替えようとするものだ。 また、新都市整備事業でもこのポーアイ2期分108億円の再借換え、そして空港島分で平成22年度に続く同額の200億円、更に西神南では今年度償還予定分の160億円をそっくり借換えするものだ。 いずれも、土地処分を財源とする償還であり、ポーアイ2期分にいたっては港湾事業、新都市整備事業を合わせて216億円、そっくり再々借換えするという異常な状態だ。ポーアイ2期の再償還は平成28年度まで続き、平成23年度分も含めればその償還総額は、1,386億円にもなる。現在の経済情勢では、土地市況が活性化することは考えられず、平成24年以降も、ポーアイ2期や西神南や空港島での償還も、その財源を借換債に依存していくことが予想される。 ここで質疑するが、現在は国際的長期金利は低利だが、日本国債の格下げが報道されるなど、長期金利をめぐる情勢は極めて不安定であり、安易に多額の市債償還を先送りすることは、極めて危険な賭けであり、自治体として安易にとるべき手法ではない。 借換え手法については、今年度償還額をそっくり先送りするなどという場当たり的な発行でなく、上限を設けるなど一定の基準を設け、将来の償還への見通し等、安全性や信頼性などについて市民への説明ができるようにするべきでないか。市長に質疑する。 (小柴副市長) 港湾事業や新都市整備事業会計など、企業誘致も困難な状況がつづき依然として厳しい状況だが、大規模で長期にわたる事業で安定的な経営を行うためにも、償還の平準化と安定的な資金調達の観点から借り換えを行う。 借り換え額の決定は、毎年土地売却見込みをたて、会計の資金状況など勘案し、各年度の予算で示した内容を実行していくことが重要。従って、償還を単純に先送りするものではない。各会計も一定の資金を有し、処分可能な資産も保有しているので、将来の償還にも十分対応できる。 (あわはら議員・再質疑) 借り換え債については今日の新聞記事で、ムーデイーズが日本国債格下げ検討の記事があった。そうなれば今後長期金利はあがってくる。その中で多額の借り換えを行なっていく、西神南160億円全部借り換えだ。ポーアイ2期でもこれから総額で700億円近く償還だ。これら新都市整備だけでなく港湾事業でも同じ額がある。したがって、企債償還はその年の年度にいくら借り換えるというのなく、将来的な見通しを立てて、市民に説明する必要があるのではないか。 (小柴副市長) 借り換え債については、一時的にしんどい状況だが、手持ち資金や借り換え債を活用しながらやる。 2、需要予測の検証と、借入金も含めた長期管理収支計画を明らかに 第2点は、神戸空港について。 開港5年を迎えたが、乗客数は需要予測に一度も到達することなく、平成22年度では403万人の予測に対し、220万人と年々需要予側との乖離が広がるばかりだ。 そもそも、2002年度の需要予測によれば神戸市から22%、大阪府北部から53%の乗客があるというものだった。ところが、開港1年後に行われた乗客調査では、神戸市からの乗客が39.7%で大阪府北部は12.9%にとどまった。あまりにも乖離している。そもそも、大阪府北部には伊丹空港があり新幹線への利便性も高く、誰が考えても2002年度の需要予測そのものに無理があったことは明らかだ。 ここで、質疑するが、開港5年の節目であり、乗客実態調査など行い、需要予測の手法や精度がどうだったのか検証するべきと思うが質疑する。また、管理収支も、着陸料収入が当初計画約16億円が約7億円と9億円減で、市債償還が16億円に増加し、財政調整基金から2億700万円を投入しても、3億8千万円を新都市整備会計から借入れをしなければならなくなった。 しかも、発着枠30便の制約があり、市債償還が平成26年度で20億円のピークをむかえ、今後も償還額が増えていく。最終的な、新都市整備事業からの借入れがどれぐらいになるのかは、予想値でも明らかにすべきだ。 ここで、質疑するが、開港5年を迎えた区切りの年であり、独立採算が崩れたときでもあり、また、着陸料収入の乖離もはなはだしい状況から、現在の収支計画を見直し、借入金も含めた長期収支計画を明らかにするべきと思うがどうか。 (小柴副市長) 空港需要予測については、平成13年の国土交通省通知に沿い14年に行ったもので、中長期的な視点で潜在的な需要を算出するものだ。景気悪化など様々な要因で開港後の利用者数が予測を下回っているからと言って、需要予測の合理性が否定されるものではない。実態調査による需要予測の見直しは考えていない。 管理収支は、当面の間は厳しい状況だが、経費節減や発着枠拡大、運用時間延長など規制緩和を実現したい。毎年度予算でおはかりし、収支計画を見直すことは考えていない。 (あわはら議員・再質疑) 需要予測について。14年度の需要予測は、30便枠を取っ払った場合は2015年度に706万人だ。驚いたのは、どこから来るのかだ。神戸市民87万人に対し、大阪府北部からなんと287万人、全体の40%。京都府からも110万人も来るという予測だ。ところが開港1年後の調査で、大阪北部からは、わずかに12%だ。当局は潜在需要があると言ったが、これだけ予測と離れ、5年も経ったのだから、乗客調査し需要予測の精度を調査すべきだ。 管理収支は長期的な見通しに比べ、実際は着陸料収入は計画の半分もない。最大30便でも着陸料は増えないし、しかも償還は着実にやって来るし、新都市整備事業から繰り入れしなければならない状況は今後も続く。今後、新都市整備事業からどれくらい入れていかないといけなのか、市民に説明する責任がある。毎年度の予算でなく、長期的に示すべきだ。 (小柴副市長) 需要予測についてその通りにならなかったのは、神戸空港立地の特性や、潜在需要はあるが大阪方面のPRが足らなかったからで、その努力はしていく必要がある。需要予測はあくまで予測であって、今後便数30枠を撤廃したり規制緩和の努力をする。 (あわはら議員・意見) PRだけで大阪北部から来る状況でない。需要予測そのものに問題がある。予算年度ごとでなく、長期的な視点で見る努力をすべきだ。 3、あらゆる手段を講じて借上住宅への継続入居を 質疑の第3点は借上げ公営住宅の住替え問題を予定していた。 しかし、借上公営住宅の住替え問題については昨日、今日の質疑である程度でているので、意見だけ述べる。わが会派は、住替え困難者はもちろん住替えを希望する入居者には継続して住んでもらえるように、あらゆる手段を講じてもらいたいとの立場だ。 これまでの質疑で市長はあくまで、「当初の約束だから」「財政上の問題」と繰り返された。しかし、兵庫県や宝塚市では買い取りや契約延長することを先日、明らかにされた。 私は、井戸兵庫県知事や中川宝塚市長の姿勢は「被災者の立場にたって、その思いを何とかしたい」との対応と評価している。今日の本会議で「井戸知事と中川市長の発言への評価」を聞く予定だった。 しかし、先ほどからの質疑を聞いていると、「個々の事情を聞いて」「できる限り地域」「登録制にして」「不公平にならないように」など、市長からは「とにかく住替えありき」で、被災者への思いが伝わってこない。これ以上、聞いても同じ答弁の繰り返しだと思うので、私達会派の見解だけ述べさせていただく。 |