第1回定例市会がスタート
代表質疑は2月23日に、あわはら富夫議員
 
 2011年度神戸市予算案を審議する第1回定例市会が、2月16日から3月22日の会期で始まりました。(→日程表)
 新社会党議員団の予算案に対する本会議代表質疑は、2月23日(水)午後に、あわはら富夫議員が行う予定です。
 2月24日から3月4日までは予算特別委員会の3つの分科会で、午前10時から夕方まで局別審査が連日予定され、3月8日には、小林るみ子議員が総括質疑を行ないます。傍聴は本会議、各局審査いずれも自由ですから、是非とも傍聴をお願いいたします。
 各局審査の新社会党議員団の担当は、第1分科会−小林るみ子議員、第3分科会−あわはら富夫議員で、質疑時間はおおむね午後3時〜4時ぐらいからです。

2011年度予算案 神戸空港関連予算など焦点
雇用や福祉・くらしへ最優先の施策を
 
 提案された2011年度予算案は、一般会計7,452億円で対前年度比2.7%減、特別会計は7,356億円で対前年度比0.2%増、企業会計は3,655億円で対前年度比7.1%増、合計1兆8,463億円で対前年度比0.3%増となっています。とりわけ、企業会計の中では、港湾事業会計や新都市整備事業会計の企業債償還が増加したことなどから、大幅に予算規模が増えています。

 歳入では、景気後退による個人所得減少で個人市民税が大幅に減少した一方、法人市民税は企業収益の持ち直しで増加しています。地方交付税は、国の地方財政対策で増加しました。一方、歳出では子ども手当拡充や生活保護費などの扶助費の増加で民生費が増加、その結果15億円の収支不足がおこり、財産収入の確保で収支均衡を図ったということです。
 しかしながら、今後も市税収入の回復は見込めず、今後も社会保障費や医療費は増加し、また臨時的な財源対策手段は枯渇しつつあります。義務的経費(人件費、扶助費、公債費の容易に削減できない経費)は依然として高い比率で、昨年度の53.2%から55.6%に上昇ました。財政構造の硬直化・弾力性の低下は依然として続いており、自由に使えるお金はなく、今後も厳しい財政状況が続くことが予測されます。

 その中で、神戸空港は開港5年目も搭乗者数は目標に届かず、空港管理収支や、売れない空港関連土地処分・起債償還問題など空港関連予算は大きな焦点です。特に空港管理収支には、初めて他会計から市税を投入することが予算で示されました(別記)。
 また、昨年から問題になっている「復興公営借り上げ住宅」の住み替えも第2次市営住宅マネジメント計画で推進されます(下記掲載)。さらに、7月には中央市民病院が移転し新病院が開院しますが、1人部屋が増え、4人部屋が減少する中で、ほんとうに市民の命を守る病院として機能していくのかが問われています。さらに介護保険は第4期事業計画の最終年度にあたりますが、制度発足から10年を経て、利用者や介護者の立場にたった検証や総括も求められています。
 このような中、今議会で新社会党は、厳しい経済情勢が続く中、市民の雇用やくらしの不安をなくし、福祉を優先する立場から議論・質疑を行っていきます。

 
神戸空港開港5年 需要予測には遠く及ばず、空港管理収支はついに破綻
空港管理予算へ他会計から初めて繰入れ、市税投入へ
 
 
2月16日で神戸空港開港5年を迎えました。開港以来相次ぐ撤退や減便が続き、昨年5月にはJALが全面撤退しました。スカイマークが路線拡大をしたものの小型便が中心で、今年度の旅客数は現在の実績から推計すると約220万人前後となり、今年度の需要予測である403万人には遠く及びません。
 また、空港管理収支も、機材の大型化は進まず、撤退や減便の影響で、2009年度決算では、着陸料収入は当初の管理収支計画の約9億円減で、財政調整基金の取り崩しで何とか黒字決算だったものの、実質的には赤字決算となりました。その財政調整基金も2010年度も5億6千万円を取り崩し、財政調整期金は2011年度予算では約2億円しか残らない予定です。

 今回示された2011年度予算案では、財政調整期金の残高2億円を投入しても、市債償還が16億円に増加することから、2011年度は収支不足になり結局、初めて他会計である新都市整備事業会計から3億円8千万円の資金を繰り入れないと収支が保てない状況に追い込まれました。

 
土地処分進まずのしかかる起債償還。さらに200億円を借換え

 しかしながら、新都市整備事業会計も「火の車」状態です。
 空港島の土地処分は進まず、売却予定額の6%の45億円が売れただけです。2014年までには空港島だけで1,982億円の起債を償還をしなければならず、すでにその償還が始まっています。更に、ポーアイ2期などを含めるた新都市整備事業会計全体で、償還額は2017年までに3,692億円にもなります。しかも、2009年度から2012年度の4年間で、一挙に2,392億円を償還しなければならず、「使える基金や現金預金」1,927億円(平成20年度現在)をすべて取り崩しても足りず、資金ショートしてしまうことになります。
 そのため空港島造成償還財源の穴埋めとして、2010年度は新都市整備事業会計からの流用と200億円の借り換えで乗り切ろうとしています。さらに2011年度予算では、374億円の償還が予定されていますが、このうち200億円を借り換えようとしています。新都市整備事業全体では、740億円の償還予定ですが、このうち468億円を借り換える予算です。このことによりさらに返済が先送りされることになり、結果として次世代に多くの負担を押し付けることになっています。
 神戸市は神戸空港の失敗を素直に認め、市民に謝罪すると共に、すべての情報を公開し、需要見通しや財政計画を検証・見直すべきです。

(左写真は、2月16日に市役所前で開かれた抗議集会で挨拶する新社会党議員団)



 

借り上げ復興住宅は契約延長を  1月15日にはシンポジウム開催される
 
   自治体は震災で住居を失った被災者のため復興公営住宅を建設しましたが、需要に対して充分に対応できなかったことから、民間や都市再生機構(UR)などから住宅を借り上げて復興公営住宅にしました(写真は灘区の復興住宅)。神戸市が20年契約で借り上げた復興公営住宅は3,805戸。しかし、2015年から借上契約期限切れを迎えるにあたり、行政は被災者の声も十分に聞かないまま住み替えを迫ろうとしています。
 借上住宅の居住者の構成を見ると、神戸市の場合、実際入居している3,598世帯の内、65歳以上の単身高齢世帯は1,882世帯で全体の52.3パーセント、75歳以上は1,049世帯にもなります。期限が切れる5年後では、70歳以上世帯が過半数を超え、80歳以上世帯も全体の3割を超え、90歳を超える単身世帯も多く存在することになります。
 被災者は震災当時、着の身着のままで避難所に避難し、その後住み慣れた地域から遠く離れた仮設住宅へ移り住むことを余儀なくされました。さらに、復興住宅に移り住み、今ここを終の棲家として居住している高齢者が多く、すでに2度も3度も住み替え、そのたびにコミュニティは崩壊し、復興住宅での孤独死も後をたたないという状況が続いてきた。
 これに対し、昨年12月の神戸市議会で新社会党議員団は、「高齢者がこのまま住み続けたいと主張した場合、住み替えを強要することは人権上も問題があり、移転強要はできないのではないか」などと追及しましたが、神戸市は「20年は契約であり、住み続けるとの選択は難しい」と、始めから住み替えありきの答弁に終始しました。

 一方、宝塚市は昨年12月「金銭面など入居者の不安は高まっている。市の方針を早めに伝えて安心させたい」として、URから借り上げている市営住宅について契約期間満了後も引き続き入居者が住めるように対応する方針を明らかにし、また兵庫県は、URから借り上げている住宅を一部買い取って県営住宅化する検討を始めたことを明らかにしています。
 終の棲家として入居した多くの被災者はこのまま住み続けたい考えており、復興県営住宅における兵庫県の調査でも、高齢化・病気・体調不良などの理由で住み替え困難と回答した住民は半数にのぼっており、毎日新聞の調査でも8割以上が高齢化・病気やコミュニティ崩壊などの理由で「転居したくない」と回答しています。80歳を超える単身者や日常生活で地域でのサポートを受けているような居住者が、このまま住み続けたいと主張した場合、住み替えを強要することは人権上も問題があり、居住の安定を定めた国際人権規約にも違反するものです。一方、神戸市が借り上げた76団地、1,527戸分の民間の貸し主も、神戸市のアンケート調査では、「引き続き借上市営住宅として契約してほしい」「市が必要とするなら引き続き契約してもいい」と96%が契約延長を要望しています。 

  震災16年を前に、1月15日に震災復興研究センターの主催で開かれたシンポジウム『今なぜ「借上住宅」からの追い出しか』(右写真)では、入居者から「震災で負った障害を抱えながらやっと復興住宅に入れた。ようやく見つけた場所を離れたない」「退去させられれば、なじみの人や病院との関係を断ち切られ、高齢者には死ねというのと同じだ」などの声が出されました。
 またポートアイランドの公団住宅自治会長をしている、あわはら富夫神戸市議は「2,300戸のうち329戸の県借上住宅があるが、自治会として県に再契約の延長申し入れをしたい」と述べました。行政は、借上住宅へ引き続き居住希望者には、あらゆる手段を尽くして契約延長の措置を行うべきです。