- 計画も成果もない投資 井上 力 - 2004年12月16日
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市会定例会で自民・民主・公明など「与党」も含めて各会派が一致して問題にしたテーマがありました。医療産業都市構想は、所期の成果が上がっていないのではないか。地元の中小企業が医療産業に参入できない、と与党が指摘したのに対し、新社会党は「すでに医療産業都市構想に投じてきた公費は財政計画に基づいているのか」と抗議しました。
60床で本格的に診療が始まっている先端医療センターには、20億円もの一般会計からの貸付金も投じられています。これを経営する先端医療振興財団は早くも債務超過。他の施設にも巨額の公費投入と税の減免がおこなわれています。ところが成果が見えない、というのが与野党の一致点です。
新社会党の問いに、決算審査最終日に明かされた総投資額は、なんと755億円。これに市民病院の移転で400億円が加わります。カネがないと言いながら・・・。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 600円負担で受診者激減 井上 力 - 2004年12月9日
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かかった病気は早期発見・早期治療が大切です。とくにバリウムを飲んでレントゲンで胃の検査をすることは、その効果が広く認められてきました。
ところが神戸市の胃ガン検診の受診率は4%へ急落しました。受診者数は一昨年度の3万3千人から1万3千人に。
予約して前夜から空腹にし、白いドロドロした液体を飲んで・・・煩わしさは一昨年度と何ら変わっていません。原因は明白で、これまで国民健康保険会計から出していた600円というお金を、自己負担にしたからです。「人間ドックやPET診断の高額負担と比べりゃ安いものだ」と役所は考えたのかも知れません。しかし、受診者は激減したのです。
老人健診も今年から受診票発送数を減らし、抗議の声があがりました。「生活の質向上」を謳う矢田市政「らしからぬ」?経費節減策の結末です。(12月3日の決算委員会から)
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 高齢者に筋トレ 井上 力 - 2004年12月2日
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介護保険が法改正され大幅に変更されるようです。'00年に始まった介護保険は、「見直し」という政府や国会お得意の用語で最初から、破たんした後のことまで準備されていました。いま5年目ですが、案の定、増える給付費に保険料が追いつかず、20歳から保険料徴収などの「名案」も不評で、維持も改正も不可能な状態に追い込まれました。
人間が人間を差別するために知恵の働く人がいるものです。介護保険改悪では、「要支援と要介護1(軽い方の2グループ)の人には、筋トレ(パワーリハビリ)で介護予防を」などと打ち出されるそうです。200万人いる軽度の高齢者への訪問介護などを、減らそうというのです。「訪問介護などが身体機能を低下させている」ですって。
健康を維持するのではなく「介護予防」。本末転倒を物語るネーミングです。介護保険法の改悪を予防したい。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 枝葉末節への加筆 井上 力 - 2004年11月25日
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中央市民病院の移転について「意見募集」が8月に行われました。矢田市長が「市民参画条例」を選挙で公約し、それに基づくものだとされました。神戸空港をめぐって市民の意見が二分されたなかで登場した市長ですから、市民病院を移転・新築することについても市民の意見を聞くのは当然だと。
「意見募集」の結果は?24日の市会・福祉環境委員会に、「市民意見と神戸市の見解」なるものが報告され、ア然としました。
移転・新築や専門医療センター構想、ベッド数削減という根幹については変更の「ヘ」の字もなく、「セカンドオピニオン充実」など、今の病院でもできることを細かに、しかも数点だけあげて「加筆した」というのです。
憲法9条のように加筆によって本質が変わるものもあります。市民病院の件は、公立病院の本来の役割否定というホンネには一字として加筆されていません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- M&Aの本質 井上 力 - 2004年11月18日
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利益を小さく見せて脱税するのが企業犯罪だと思っていたら、逆に売上高を大きく見せて、株を上場し資金を集める企業犯罪が摘発されています。IT(情報技術)関連の新興企業(ベンチャー)は、何を製造するわけでもない、何を運ぶわけでもない、しかし、企業の最終目的である「もうけ」を得るためには手段を選ばない企業が目立ちます。ITベンチャーばかりではありません。しにせの和菓子メーカーも「架空増資」だそうです。
なぜ「カネに目がくらむ」のか。カネが商品へ、商品がより多額のカネへと姿を変え、カネで企業を乗っ取れば、資本を増やすスピードは上がります。プロ野球の合併や買収を見ると本質が丸見えです。乗っ取りとか買収とか言うと聞こえが悪いのでM&Aと呼ぶのが、はやりです。
忘れられているのは、乗っ取られ買収される側の立場です。まじめに働くことをべっ視する風潮です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 豪雪が待つ被災地 井上 力 - 2004年11月11日
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阪神淡路大震災の教訓が生きているようでもあり、やはり「ここは人間の国か」と問わざるをえない現場を訪ねてきました。
10年前を思い出す光景がいたるところに広がっていました。テレビや新聞で伝えられているとおり被害は深刻で、雪が来るまでにという時間とのたたかいも始まっていました。
一方、新潟県がうち出した「全壊世帯に400万円、補修に災害救助法への上積み」などの支援策も、想定される莫大な補修費をまかなえません。中小企業が廃業し、パートや外国人が解雇され、高齢者・障害者が豪雪の冬を越せるか、正念場を迎えます。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 合併途上の震災 井上 力 - 2004年11月4日
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新潟中越地震の被災地は大合併のさなかです。
栃尾市では合併の是非を問う住民投票が、24日に行われる予定でした。11月1日から魚沼市と南魚沼市が誕生しました。被害の大きかった堀之内町や小出町の再開された小学校の看板は「魚沼市立」となったそうです。全村避難という空前(有毒ガスから逃れるための三宅島の例はある)の措置が取られた山古志村も長岡市への合併が決まっています。
阪神淡路大震災で仮設住宅を居住地から遠く離れた場所に建設した神戸市幹部は、当時「市内に仮設を供給できた」と言ったものでした。広域行政にはデメリットがあります。今度の被災地で言えば、住民が希望する集落単位や民有地への仮設建設など細やかな復旧施策が、合併によって大ざっぱに扱われないかという心配です。自治体まで企業のM&A(吸収合併)のように弱肉強食であってはなりません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 社会の復興こそ 井上 力 - 2004年10月28日
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被災地は、まもなく雪に埋もれます。雪国ではいっさいの土木工事は冬にはおこなわれません。頻発する余震のなか、時間との争いというもう一つの力比べに、人々は必死に立ち向かっています。一人でも多くの命を救い、10年前もがき苦しんでつくった制度が活き拡充されて、生活復興が実現することを新社会党は強く願います。
10年前の被災地からは固唾を呑んできのうの救出作業を見守り、あるいはその前に居ても立ってもいられなくなって新潟へ飛んでいきました。「なぜ、いつまでも長い列をつくらなければならないのか」「なぜ地域の消防力は弱いままなのか」「『平成の大合併』で今度のような集落の孤立は防げるのか」・・・。
新社会党も現地と連絡を取り合い、救助と復興支援に全力をあげています。 「自然との力比べ」とそのための「予算獲得」もさることながら「社会の復興」が課題です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 国際反戦デー 井上 力 - 2004年10月21日
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1943(昭和18)年10月21日、61年前のきょうです。朝日新聞の見出しは「諸兄よ元氣で往け」。
「・・・この朝、午前8時、出陣学徒東京帝大以下都下、神奈川、千葉、埼玉県下77校○○名(伏字)は、執銑、携剣、巻脚絆の武装も颯爽と神宮外苑の落葉を踏んで、それぞれ所定の位置に集結、送る学徒107校6万5千名は早くも観覧席を埋めつくした・・・」
と報じました。
文系学生の徴兵猶予を解除し、太平洋戦争が最後の敗北へと突き進む瞬間でした。神戸では東遊園地で11月15日に行われた(神戸市文書館歴史年表)と記録されています。
戦後「きけわだつみの声」などに戦死学生の遺稿や遺言状がまとめられました。
この日を期して66(昭和41)年総評がストライキでベトナム反戦を訴え、翌年からは世界中で国際反戦デーとしてデモやストが行われてきました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- ライオンとハゲタカ 井上 力 - 2004年10月14日
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ダイエーの再建をめぐる動きが激しくなっています。プロ野球をもう1チーム減らそうという画策(あきらめていないそうです)とも絡んでいますし、「発祥の地」神戸では、ことのほか関心が持たれています。
ダイエーが「産業再生機構(国有化)に屈服しない」と言えば、これまで不良債権漬けにしてきたUFJなどは「提訴辞さず」と詰め寄っています。巨大外資グループが「再建提案」をしており、ダイエーはこれらと組むと言われています。
政府内も意見が分かれ、あの竹中大臣が国有化派なのは宗旨変えしたのかと思わせます。
予断を許しません。しかし、いずれの方法も政府が関与してM&A(買収・合併)を成立させる「出口」は同じです。「入口」と「手口」が少し違うだけです。まさに弱肉強食。M&A(買収・合併)の相手がライオンなら生きたまま食べられてしまうし、ハゲタカなら死体までかじられます。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 神戸空港への新たな疑問 井上 力 - 2004年10月7日
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5日の『神戸新聞』は、神戸空港開港の日が決まったと報じる同じ紙面で、ヘリコプターによる夜間遊覧飛行で観光客を呼び込むという市の方針があると報じました。
神戸市は空港の運用時間を朝7時から晩10時までとすることで国土交通省と決着ずみながら、地方空港では例のない夜11時までを主張して国に要望中です。夜9時台発の新幹線の乗客を奪うためとされてきました。
この『神戸新聞』によれば奇想天外、「一千万ドルの夜景」―夜景見物を空港島のヘリポートから、ということだそうです。
騒音問題に加え、ヘリが飛び回る状況で、離発着機の安全は確保されるのでしょうか。営業第一で安全をおろそかにする議論が出た今、あらためて神戸空港は誰のため、いったい何のため?と原点から疑問を呈せざるをえません。
市会には、この件について報告はありません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 野球には表と裏がある 井上 力 - 2004年9月30日
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神戸新聞がオリックスの宮内義彦オーナーのインタビューを掲載していました(9月26日)。「プロ野球球団を親会社の広告宣伝費と考える経営は間違い。球団経営が黒字になればチーム名から『オリックス』を外し、儲けを社会奉仕に廻したい。近鉄との合併メリットは何もない」と。
合併騒動以来、市役所前に「がんばれオリックス」のバナーをぶら下げ、選手会とは異なる趣旨の署名運動までして、さらには楽天のラブコールを断ってしまった神戸市幹部の立場は、どうなるのでしょう。
「合併メリットはない」のになぜ合併でしょう。野球で名を売り大企業、今や2チーム分の選手と保護地域を手にするや、「利益は社会奉仕に」とはよく言ったものです。
小売店を何万軒と廃業に追い込んだ参入規制緩和論者が、楽天などの新規参入には大反対。野球には表と裏があります。でも表と裏のある人間は嫌われます。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 金持ちはケンカ好き 井上 力 - 2004年9月16日
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きのう『日経』がスクープした「楽天がプロ野球に参入」というニュースを、神戸のプロ野球ファンは大歓迎です。オリックスの応援団やファンのコメントを『神戸新聞』が夕刊で報じていました。
近鉄を吸収して大阪へ行くというオリックスの「心変わり」に、何ともやりきれない思いをしてきた神戸の市民からすれば、当然のことでしょう。
ところがこれまで「参入規制撤廃=規制改革・規制緩和」一点張りだったオリックスが、この楽天の参入には意地悪をするらしいのです。自分は大阪ドームへ行くが、神戸で楽天が野球を主催してはいけない、と。病院や保育所は競争第一、大企業参入賛成だが、野球は競争なしで?
「神戸で野球を」と、選手会とは別の署名運動までして入れ込んできた神戸市長も、コメントがありません。幹部や職員に発言規制をすることなく、明日の定例会見までに明快な説明を。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 貧乏人が金持ちを助ける? 井上 力 - 2004年9月9日
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行政が分譲住宅を販売してきた北海道、千葉、長崎の各県住宅供給公社が借金棒引きの調停を申し立てています。ゼネコンや住宅販売会社も不振を極めて同じようにいっせいに「徳政令」を求めてきました。貸し手の銀行からこの出来事を表現したことばが「不良債権処理」です。
つづいて「銀行は貸し倒れで血を流したのに、郵便局は貸し倒れがない。不公平だ」と、小泉首相と竹中大臣は「銀行国有化と郵便局民営化」を推し進めています。
ところで神戸市の住宅供給公社はどうでしょう。6日、市会「外郭団体に関する特別委員会」で同公社は64億円の債務超過に陥っていることが明らかになりました。積立金や内部留保資金を昨年69億円も取り崩し、在庫の住宅をたたき売りしてこの結果です。
同公社は「賃貸事業の収益で十数年かけて、分譲事業の穴を埋める」としています。「銀行国有化と郵便局民営化」同様、本末転倒の話です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 防災の日が泣いている 井上 力 - 2004年9月2日
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まさに「災害は忘れた頃にやってくる」という寺田寅彦の名言を思い起こします。異常気象だと片づけるわけにはいかない台風の被害が各地から伝えられています。
7月の新潟水害はいまだに避難所暮らしの多くの人びとを途方に暮れさせています。「大災害」ではないので、国の支援も受けられず、関西では大々的に報じられることもなく、行政は適切な避難誘導や災害対策を施していたということになっています。
「高齢者が高波で水死」(倉敷)とは・・・。各地で高齢者の犠牲が目立ちます。ことごとく高齢者だけの世帯ゆえの悲劇です。
神戸市内でも「いのち」直結の被害がたくさん出ています。六甲アイランド沖の産業廃棄物埋めたて現場から有害物質が流出している恐れがあるそうです。「防災監」がいて予測できなかった被害の点検に、走り回る「防災の日」(9月1日)というのも皮肉です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 関西空港10年の決算 井上 力 - 2004年8月26日
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関西国際空港が開港10年を迎えます。30年前から始まった「神戸沖か泉南か」という因縁の議論に結論がくだされ、華々しく開港したのは94年9月4日でした。
関西には「滑走路が足りない」と言われていたかと思えば、突如「就航便が足りない」という議論に変わりました。神戸空港はそんななかに「5本目の滑走路」として登場しようとしています。
この10年、バブル経済が崩壊したあとも公共事業は止まりませんでした。震災があり、関空の地盤沈下や赤字が明らかになっても「関連埋め立て」と「関連開発」はつづき、りんくうタウンをはじめ広大な造成地に草が生い茂るのを見て、初めて「景気が悪い」とリーダーたちはつぶやき退場しました。
関空U期や神戸空港の建設工事では、「特需がなかったからあとの反動もない」と、何とも妙な安心感が漂っています。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 市民病院移転の本質(下) 井上 力 - 2004年8月19日
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市民病院の新築移転について、市長は予算市会直前に「先ず移転」(われわれは「まずい点」だと指摘)を表明しました。五千万円もの調査費を議会に提案しておきながら結論を出してしまったのです。
構想案では「市民も移転新築を望んでいる」とでも言わんばかりに昨年8月に実施した「患者満足度調査結果」を報告しています。「あとだし」です。
さてその「患者満足度調査」は、外来患者、市政アドバイザー、入院患者に対しておこなわれ、「市民病院に必要な役割・機能」は「高度医療・特殊医療など専門医療の充実」がいずれも一位でした。たしかに移転新築の根拠ではあるでしょう。しかし市政アドバイザーではこの回答者が7割にも達しているのに、入院通院患者では3割台、しかも「長期療養に対応」「高齢者医療充実」などの回答とほとんど並んでいるのです。移転新築は、この声には応えていません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 市民病院移転の本質(中) 井上 力 - 2004年8月12日
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市民病院は、現在の912床から600床へベッド数を減らすそうです。「平均在院日数が12日まで短縮されれば、ベッド数は少なくてすみます」矢田市長はこう説明していますが、割り算なら誰にでもできます。「医は算術」ではありません。
かねてから全国自治体病院のなかでも最も熱心に「在院日数短縮」に取り組んできた病院として知られているのに、さらにこれを減らそうというのです。もちろん在院日数を私たちは増やそうと言っているのではありません。病院の格付けと転院回数の増加は、結果として国民医療費の高騰を招き、患者を泣かせています。
背景には昨年4月全面開業した先端医療センターのベッド数を増やしたいという思惑があります。早くも多額の累積欠損が計上され、債務超過に陥っている先端医療センターを救済する目的で、移転後の市民病院のベッド数は削減されます。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 市民病院移転の本質(上) 井上 力 - 2004年8月5日
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8月の『広報こうべ』に中央市民病院の移転構想が発表されました。あわせて「意見募集」は8月31日までとされています。
空港島をつくったものの用地を平米あたり27万円という高額で分譲する計画は実現の兆しがない。いやそれ以前に手前のポートアイランドU期の土地も買い手がつかない。・・・八方ふさがりのなかで「医療産業都市構想」がひねり出されました。「アメリカでは都市に個性がある」・・・
ガンの早期発見などに威力を発揮する先端医療センターが昨春からオープンしたものの早くも赤字まみれ。周辺に製薬企業が研究所や工場を建てる構想も不発。先端医療センターのベッド数を増やしたいし、協力する大病院がとなりにあったほうがいい。何やら高度成長期、大企業を支えた下請け企業の趣です。
「市民病院は、まず先端医療センターに協力する病院であれ」
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 改憲への懸念もる平和宣言 井上 力 - 2004年7月29日
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8月6日が近づいてきました。神戸市役所2階ではヒロシマ原爆展が初めて開催されています。若者が県内を走りつぐ「平和の灯リレー」も、平和行進も、今年も多くの人びとの参加で行われました。
8月6日午前8時15分、黙祷のあと広島市長によって読み上げられる「平和宣言」が今年も注目されます。『毎日新聞』が27日に報じたところでは、今年初めて改憲への懸念がもり込まれるそうです。
秋葉忠利市長は昨年の平和宣言で、アフガニスタンからイラクへと世界に戦争を広げるブッシュ大統領と、核開発宣言をした金総書記に「広島を訪れ核戦争の現実を直視せよ」と呼びかけました。ヒロシマは報復ではなく和解の道を歩んできたというのが一貫した考えです。平和宣言・被爆者の叫びは、憲法とともに日本の平和主義の拠り所です。平和宣言から、59年前の夏の決意を学びとりたいと思います。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 足下は災害大国 井上 力 - 2004年7月22日
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新潟と福井の集中豪雨で大きな被害が出ました。
新潟では13日、河川が決壊、被害は16市29町15村におよび、お年寄りばかり15人が亡くなりました。三条市ではいまも千人をこえる人びとが避難所で水道・電気の復旧を待っています。20日には阪神淡路大震災で市民がつくった被災者生活再建支援法の適用もきまりました。神戸市は福井の豪雨で消防ヘリコプターを飛ばし人命救助に活躍しましたし、21日、職員を福井と新潟へ派遣しました。
震災直後、新潟県からエアーテントを持って医療チームが西灘公園(都通)に来てくれていたことを思い出します。
小泉首相も現地を訪ね地場産業の包丁工場などを慰問したそうです。イラク・サマワの水事情にまで気配りできる大国日本です。救援を急ぎましょう。
新社会党も三条市の地元総支部をとおして義捐金を送りました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 天城通の事務所から 井上 力 - 2004年7月15日
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原和美の選挙に東京から駆けつけ、応援してくれたMさんという若者からメールをいただきました。「原さんや皆さん、ありがとうございました。灘総支部のビルも羨ましかった」と。
ビルと呼んでもらえるほどのものではありませんが、12年前、寄付を募り、灘の社会党員がお金を出しあって建てた3階建て、天城通の事務所です。12年前、参院選の移動事務所びらきを兼ねて竣工を祝いました。この事務所が選挙事務所となったのは、このときと3年前の上野恵司を擁立した参院選、そして今回「原和美・移動事務所」が3回目でした。
固定資産税は驚くほど高く、外壁塗装など補修が迫られていますが、震災の時には鉄骨造りである故に行政未指定の「避難所」にもなりました。
「となりに新社会党」「顔の見える政党」でありたい。灘の新社会党の夢がややふくらんだ選挙でした。お世話になりました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 空白の一日 井上 力 - 2004年7月1日
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プロ野球の近鉄が身売りを試みて果たせず、オリックスとの合併騒動に発展し、プロ野球ファンとしては心配事が一つ増えてしまいました。神戸市長や大阪府知事までまきこんで。
日本のプロ野球にも「ネオコン」がいて、他との協調より自らの力を優先し、協約や伝統を破壊して新秩序をつくろうとしているのだという解説がおこなわれていました。某球団のオーナーは、ネオコンを操って新帝国をつくろうとしている。かつて「空白の一日」で江川選手を入団させた強引なやり方はちっとも変わっていない。それが他球団やファンにどれほど不利益をもたらすかを考慮さえしない。
イラクの政権移譲が約束を破って2日早められました。「同盟国」はあわてて「持ち回り閣議」で、イラクの新かいらい政権を「承認」しました。「空白の一日をつくってはならない」と。ルールをもてあそぶ人に信頼と尊敬は集まらない。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 国際協調という一国主義 井上 力 - 2004年6月10日
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悪名高いシベリア出兵も、最初は「国際協調」で「各国7千人の派兵」という合意がありました。
ブレスト講和を結び第一次世界大戦から離脱したボルシェビキ政権を、懲らしめようというものでした。21世紀風に言えば、対テロ戦争です。日本は田中義一内閣が派兵を決断、革命の翌年、1918年8月から4年3か月にわたり、最後は一国になるまで最大時7万、のべ20万の大兵力を厳寒の地へ送り続け、4千6百人の戦・病死者をだしました。「国際協調」が最後には「一国戦争主義」となって、長い侵略戦争の時代の幕が開けました。
英仏からは、世界大戦開戦直後から参戦要請があり、シベリア派兵も「チェコ軍の救出」という、何やら「人道的」な目的でカモフラージュされていました。
小泉純一郎の、イラクの自衛隊をそのまま多国籍軍に参加させるという決断は、86年前の田中義一と、どこか似ています。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 巨木倒れる 井上 力 - 2004年6月3日
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灘区で6期にわたり県議会議員を務めた太田猛さんが5月31日、神戸赤十字病院で82歳の生涯を終えました。きょう、葬儀が営まれます(吉田俊弘・葬儀委員長)。
鉄鋼労連組織部長など労働運動の経歴や、公害防止条例の議員提案という功績があります。河原自治会が実現した「都賀川・市民の水辺」は、治水・利水から親水へ、環境保全運動へと河川行政を変える大きなできごとでした。ろっこう医療生協や大工さん・職人さんの労働組合運動にも大きな力を発揮されました。
一通の弔電をご紹介します。
巨木倒れる。その巨木は人を癒し、人々は雨宿りをし、平和の道しるべでした。巨木倒れて土に還り、また若木をその土は育てていただくのでしょう。太田猛先生、まだまだ教えていただかなければなりませんでした。ありがとうございました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 内緒の旅は神戸空港? 井上 力 - 2004年5月27日
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グローバルウィングス社の「神戸空港への進出」を前号で紹介しました。
これをめぐって神戸市長と大阪府知事の間で「神戸空港」対「関西空港」の論争になっています。大阪府は「民営関西空港」の出資者であり、大阪市は関連投資の債権を放棄し、破たん処理に莫大な借金を背負う立場であってみれば、当然の対応です。神戸空港は国内線の地方空港という約束なのに、国際ビジネスジェットを誘致するのはいかがなものか、と。
問題の会社は従業員7人。なにやらバブル時代のゴルフ場を思わせる会員制で、「専用ターミナルの利用で出発から到着まで第三者の目に触れることなく移動することも可能です」などとしています。
過大な需要予測で「にぎわい」を売る神戸空港も見くびられたものです。さらに設計変更や入管・検疫も必要に。神戸市もまた関西空港の出資者であることをすっかり忘れて。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 本質見えた神戸空港 井上 力 - 2004年5月20日
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神戸空港の格納庫用地が売れた!と言っても8人乗りジェット機を保有する「グローバルウィングス社」が神戸市のビルの1室を借り、「進出」しただけの話。
「ジェット機で、躍進著しい中国にビジネスを広げませんか」「・・・充実したエンターテイメント設備、フライトアテンダントによるきめ細かなサービス……快適で優雅な旅をご満喫いただけます」「各地の提携ゴルフ場・リゾートを利用した・・・プランもご用意しています。また、大切なお客様をご招待するような場合に最適です」・・・。
操縦士1人、アテンダント1人、乗客8人のために出入国管理、税関、検疫を国が準備するよう神戸市が働きかけるのだそうです。しかも土地は分譲ではなく借地に、とも。当て込んでいた土地売却収入も固定資産税も入らない。そもそも、なぜ行政が私経営やその道楽に助成するのか。大阪の太田房江知事もさっそく怒っている。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 資本原理主義の年金制度 井上 力 - 2004年5月13日
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小泉構造改革を私たちは「日本型新自由主義」だと批判しています。西欧型社会主義の経験もなく、人道主義もない剥き出しの資本主義です。中東世界を「イスラム原理主義」と言うなら、これは資本原理主義ではないか、いや古典的自由主義だと。
ある人が定年を迎えたが、年金を満額受給するまでの間、公団住宅の家賃はとても払えない。病院は短期間で追い出されるが、介護リフォームにはそれよりはるかに長い期間を必要とする。仕事を探している人がこれほど多くいても「ミスマッチ」で片づけられる。正規の仕事を見つけられない間、どんなに働いても年金は「未納期間」・・・。
「改革」は、小売店を廃業に追い込みシャッター商店街をつくり、失業者を街にあふれさせました。年金「改革」は、与野党が組んで給付削減・保険料引き上げをもくろむものです。「餓死するしかない」。うったえを聞き流せません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 「社畜」議員の末路 井上 力 - 2004年5月6日
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閣僚や元閣僚の国民年金未払い・未加入問題は、物わかりの極めてよいメーデーと大型連休に「救われた」かのようです。少なくともワイドショーに当事者たちが引っ張り出されなかったという意味で。連休が明け、衆議院本会議での採決から参議院の審議へと、国民の生活を知らない国会議員によって生活が論じられることほど、国民にとっての不幸はありません。
会社員のままの「社畜」議員(家畜のように主人に従順に働く・・・佐高信さんの造語)が一般的で、閣僚になったとき役人から受ける説明は「行政の立場になったのですから、会社の籍をはずれてください」というものです。「ふざけるな」と3兄弟をなじった野党党首の「勘違い」も、このとき生まれたものと思われます。
これまでのところ、10人が10人とも年金制度についての無知を言い逃れの材料に使ったという点で、年金制度の未来は漆黒の闇。深刻です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 「自己責任」3つの誤り 井上 力 - 2004年4月22日
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訴えてきたように「命救えるのは平和の声だけ」でした。しかし、小泉政権からの返事は「テロとの戦いは自己責任で」でした。
「自己責任」論には3つの誤りがあります。まず、政府は5人の若者を救出する際に、自衛隊を派遣して占領に加わったまま、宗教指導者や部族長など「占領されている側」に依頼せざるを得ませんでした。しかも無力でした。日本外交の大失策です。
第二に、政権への批判をかわすため、政府の自己責任を拘束された5人に転嫁したうえ、情緒的キャンペーンを張りました。ファシズムの匂いがします。
第三は、アメリカ社会の自己責任論を直輸入した愚かさです。「銃で自由を守る社会」には連帯は生まれません。企業も国家も、家族さえも新自由主義の下で、連帯を失います。社会は社会であるために排他的団結を求めます。声高な自己責任の叫びは連帯喪失の序章です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 空港会計の破たん 井上 力 - 2004年4月15日
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私たちは神戸空港の建設財源の問題で、すでに900億円もの「穴」があき、返済不可能に陥っていることに警鐘を発してきました。
78fもの広大な土地を平均単価平米あたり27万円で売却する(98年の住民投票臨時市会での説明)という方針は、必要な金額を面積で割っただけの数字で、何の根拠もないものでした。案の定、ターミナルビルでさえ借地となり、ポートライナーの車庫用地が「当分不要」となったとき、この財政計画は破たんしたのでした。
『毎日新聞』の取材に対して、「1社さえ土地購入希望がない。分譲ではなく借地で」と方針の転換を表明したそうです。
購入かレンタルか。生活者も企業も売り手もソロバンをはじくのは当然です。しかし空港計画のこの大転換で、皮算用していた固定資産税収入がどうなるのか、忘れ去られています。「空港で雇用拡大」は、はるか彼方に消えています。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 開国150年 井上 力 - 2004年4月8日
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NHKの大河ドラマが幕末を扱うというので期待した人が落胆しています。史実をねじまげ無茶苦茶だと。
押さえても押さえても資本主義が頭をもたげようとするのを、江戸時代の三大改革は防ごうとしました。アヘン戦争は家康以来の鎖国政策の危機をすでに伝えていました。そして黒船・ペリーの来航。お台場を造り幕府は外敵に備えます。
内外のグローバリズムの荒波に加え、開国した1854年11月に大地震と大津波が2夜連発、1年後には大都市直下型の安政江戸地震で首都は壊滅します。幕末・維新は「改革」という抵抗が成功せず封建制が倒れた歴史です。
今年はペリーが再び来航し日米修好条約が結ばれて150年です。そんな折り、「すべての渡航者から指紋と顔写真」という「21世紀の鎖国政策」がアメリカから伝わってきました。「他民族を抑圧する民族は自由ではない」
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 「名判決」・空港裁判 井上 力 - 2004年4月1日
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神戸空港裁判の判決が3月30日神戸地裁で言い渡されました。
神戸市当局は裁判のなかで、「議会で可決された」「国の認可や免許を適法に得てきた」ということに終始しました。裁判所が論点を整理しようとしてもはぐらかし、原告の主張との「すれ違い」をめざしてきたと断ぜざるを得ません。従来の行政訴訟ではそのやり方が成功しました。
しかし判決は「棄却」ではあっても、神戸空港についての財政・環境・安全性・必要性などに深く踏み込み、この10年間の議論を総括しています。そして暴走する神戸市当局に重大な警鐘を発しました。
「市の航空需要予測が大きく外れ、市債を返還できず、空港管理収支が成り立たない恐れ」「日本全体の利益を考えると、2空港が存在する関西圏に建設する必要性も疑問」・・・
「平成の名判決」です。神戸市長は立ち止まって考えるべきです。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 日本の夢、神戸の夢 井上 力 - 2004年3月25日
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季節は春。木々や草花は嬉しそうです。去年のように選挙で季節の移ろいを楽しむ間がないわけではないのに、何とも気分が春にならないのは、なぜでしょう。
「春」を運んでくるはずの「大阪」でした。大相撲、高校野球、就職や進学。ところが今年は「三セク破たん」「債権放棄」「地価下落」。春を運ぶどころか大阪はまだ厳寒です。住みよい町としてのよさを個性にすればいいのに大阪に空港が2つあるからと言って神戸空港を造ろうとしたり、「都市間競争」自体が逆効果でした。能力のないコーチは選手に競争しか教えません。いま、近畿圏が地域デフレの暗雲の下にあります。
辛いとき、わからなくなったとき、憲法を読んでみませんか。「憲法や社会主義でメシは喰えん」なんて言わず、憲法の夢、日本の夢、神戸の夢を描いてみませんか。平和のもとでみんなが仲よく暮らす夢です。私たちは夢を捨てません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 市民病院の暴走 井上 力 - 2004年3月18日
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神戸中央市民病院をどこへ「暴走」させるのか。
市会定例会の冒頭、矢田市長が「個人的には」としたうえで、「ポートアイランドU期への移転が望ましい」と表明。一方で五千万円の調査費を提案し、「移転」という結論は、さらに時間をかけて市民的な議論をしていくのだと説明しました。
2週間後、しかし事態は急展開。17日の予算特別委員会・総括質疑では梶本助役から「独立行政法人化も」と、経営形態まで変更するという答弁まで飛び出しました。
移転は先端医療センターによる「市民病院連れ去り事件」ですが、経営形態変更は民営化への一歩で、患者と納税者は置き去りです。
行き詰まる「医療産業都市構想」を失速させないために、実際は移転ではなく、「高度・先端医療」希望患者を供給する病院を新たに建て、市税をつぎ込もうというものです。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 平和記念館に平和時計を 井上 力 - 2004年3月11日
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かねて市政の大きな課題だった平和記念館について、神戸市は三百万円の予算で「インターネット平和記念館」をつくるという「奇策」を提案しています。
新社会党は、いかに政府が戦争への歩みを速めていると言っても、平和記念館を「仮想空間に置くのはいかがなものか」としながらも、平和行政の前進を求める立場からこの記念館構想を支持します。
ネット上では、従来考えられなかった情報の伝達も可能です。例えば「日本の借金時計」「大阪市の借金時計」は、その額を刻々と増やし続けています。インターネットならではの手法で、行政のあり方に警告を出し続けています。
インターネット平和記念館が、神戸空襲を記録する会の遺品や戦争史を証言する画像、あるいは伝言で満たされ、「平和時計」が「神戸に平和が訪れてからの時間」を刻み続け、「平和時計をとめません」と誓うことを期待します。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 年金改革も日米同盟 井上 力 - 2004年3月4日
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『世界』3月号が「公正・公平な年金とは?――政府・与党の年金改革案を批判する」という特集を組んでいます。
いまや久しぶりに一つのテーマで国民的議論と関心を集める年金改革について、それぞれの論者が明快に「改革」を斬っています。厚生労働省が、あの絶望的な試算を公表する前に執筆された論文や対談ですが、不安ではなく「希望」への40ページだと感じました。
短いことばで国民に衝撃を与え続けてきた小泉政治は、ついに「百年の安心」という表現で国民に「来年の不安」をバラまき、それでも世代間の対立を煽って安泰に見えます。われわれは「働いて払い続けてなお募る老後の不安に身を震わせる」のに・・・。
特集の冒頭で「真の改革、政府の社会保障責任を明らかに」と論じる東大の神野直彦教授は「国内矛盾を輸出する覇権国家アメリカ型ではいけない」と結んでいます。ご一読を。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 年金減額して国際貢献 井上 力 - 2004年2月26日
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年金国会と名づけられている割に低調な論戦にしびれを切らし、マスコミが「年金改革」の行方を報じています。
ありもしない、と言えば言い過ぎかもしれませんが「夫は40年間、フルタイムで働き、妻は一生を専業主婦で終える」夫婦を「標準モデル」とし、この「標準モデル世帯」だけが年金改革後も「現役の50%台の年金を受給」するというのです。一生を共働きの夫婦やシングルの男女にとっては現役の4割前後の収入しか約束されていません。
しかも巨額の積立金を確保したまま、グリーンピアなどに無駄づかいし、資金運用で大穴をあけた責任は野放しです。当然のように未納者が増え年金不信が渦巻きます。マスコミでは「いつ離婚するのがトクか」などの特集が行われ、あたかも「弱い者同士が言い争う」観を呈しています。
年金を減額して国際貢献?掛け金アップで戦費を賄えるはずもなし。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 徳政令から臭う社会の腐臭 井上 力 - 2004年2月19日
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「自治体倒産」にむけて神戸空港建設に邁進する神戸に住んで「目くそ鼻くそを嗤(わら)う」わけではありませんが、大阪のニュースは驚くことばかりです。
アジア太平洋トレードセンター(ATC)、ワールドトレードセンター(WTC)、港町開発センター(MDC)、3社が破たんし、特定調停を申し立て、大阪市は470億円を債権放棄しました。さらに30〜40年間の再建期間に2185億円をこれらにつぎ込むことや、二次破たんも「確実視」されていると。
しかもこれだけではない、あの、バブルを画に描いたような「フェスティバルゲート」という遊園地なども「信託解消」だそうです。
江戸時代の徳政令は、押さえても押さえても頭をもたげる資本主義勃興の証明でした。いま残念なのは21世紀の徳政令が、次代の担い手誕生の証明ではなく、社会が芯から腐っている証拠だけを示していることです。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 市民と患者 置き去り 井上 力 - 2004年2月11日
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中央市民病院がポートアイランドU期へ移転されると7日の『神戸新聞』が報じました。週明けの2日間、行政からの説明は、ないままです。新年度予算案の議長内示までに既成事実をつくっておきたかったとすれば、お粗末というほかありません。誤報であれば、抗議と訂正の要求を新聞社に行うべきです。
わざと情報を漏らす手法がイラク戦争に関して、米英で大問題になっています。正確な情報を伏せ、「大量破壊兵器がある」という情報をリークしたことが国を誤らせたのではないか、と。
どちらも命に関わる大問題。「戦争じゃない」と、はぐらかせる問題ではありません。かねて激論の渦中にある問題を、だれが、何を根拠に決定したのか。
あと240のベッドと、できるだけ多くの治験をしたい先端医療センターによる市民病院連れ去り事件。市民と患者は置き去りにされました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- おろか!電子政府の「樹立」 井上 力 - 2004年2月5日
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「なりすまし」や改ざんを防ぎ、自宅からパスポートが取れます。電子政府・電子県庁の時代です――1月29日から始まった公的個人認証制度なるものの実態をきいて驚きました。
公的個人認証制度とは「印鑑証明の電子版」だと兵庫県知事が説明しています。ところがこの「電気印鑑証明」は、ウィンドウズの上でしか役に立たず、パソコン利用者のうち3割が排除されたシステムだといいます。いわば、役所が「○○堂の印鑑」しか印鑑証明として使わせないようなものです。
住基ネットは一昨年8月に11桁の背番号をつけ、昨年住基カードの交付が始まり、そして今回、そのカードのなかに「電気(子)署名」を「登録できる」というのです。
パソコンやネットをしない人は無関係ではありません。「電子政府」が国民の合意なしにスタートし、大半の人々と無縁の政府が「樹立」した政府だという証明です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 外交は派兵の道具ではない 井上 力 - 2004年1月28日
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「大量破壊兵器が存在していたとは思えない」「(CIAなどの)情報収集能力の問題」
イラクで千人を投入して大量破壊兵器を捜索してきた調査団のデビッド・ケイ団長が辞任して口を開きました。
昨年3月20日、イラク攻撃が始まった「理由」はやっぱりなかったらしい。
国会ではどう扱われているでしょう。「未解決の問題」(首相)。
昨年3月20日の開戦まで国連の検証査察委員会(UNMOVIC)が国連決議に基づいてイラクで調査をしていたことや、国連承認の下での武力行使決議を新たに出したものの、フランスなど常任理事国の賛成が得られなかったこと、そして国連決議なしに戦争が始まったことを、首相はすっかり忘れているようです。
戦争は政治の延長ですが、外交は自衛隊派遣のための道具であってはなりません。「国連は日本を守らない」という発言は、空前の憲法違反です。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 戦争の対案? 井上 力 - 2004年1月22日
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19日の『北海道新聞』などが伝えたところでは、18日、札幌市内で行われた「派遣隊員を激励するつどい」で挨拶した石破防衛庁長官は「日本は石油の九割を中東地域に頼っている。その地域の安定は間違いなく国益である」と述べたそうです。
あの「日本会議」が主催したそうです。
ミサイル防衛構想、武器輸出禁止3原則の撤廃、そして「(憲法を思い出すと)日本人を辞めたくなる」が持論で、戦車や軍艦のプラモデル遊びが大好きという軍事オタクですから、もはや驚きの声をあげる方が物知らずなのかもしれません。
「国益」を「生命線」に置き換えれば・・・。せめて「中東」ではなく「イラク」にとどめてほしい。
そして聞いたような野党攻撃。「対案を示せ」ですって。
戦争と平和の関係はどういう関係か。中間はない。「対案」は平和のために長官が辞職することです。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- 大震災9年「絆」は? 井上 力 - 2004年1月15日
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市民の目線で被災地の復興を検証してきたグループの一員として、大阪市内に完成したコーポラ住宅の見学会に参加しました。コーディネーターをしたTさんも、このグループの一員で、一緒に芸予地震の被災地・呉に調査に行ったりした仲間です。
ウナギの寝床のような細長い公有地に50年間の定期借地権を設定し、9戸の「共同注文住宅」が完成していました。マンションではなく「現代長屋」。「共有・共用」空間が屋上にあり、「長屋風」の近所づきあいが実感できました。公営住宅からの住み替え例としても注目されそうです。
大震災から9年、「絆」「助けあい」が懐かしい言葉になり始めているかのようです。その懐かしい暮らし方が可能であることを教わった気がしました。
震災を神戸大学で経験したTさんの仕事に拍手し、同時に目の前が明るくなりました。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
- それほど利用者は少ない 井上 力 - 2004年1月8日
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大晦日の神戸新聞が報じたところでは、神戸空港を「活用」するため、小中学校の修学旅行を飛行機で行けるように「規制」を緩和するのだそうです。
小学校の先生たちが、百年?続く「伊勢・志摩」から広島など他の行き先に変えるためには、想像を絶する苦労が必要でした。経費など「規制」もさることながら、私たちにはわからない「抵抗」は、きわめて大きいようです。
かと言って「神戸空港使って修学旅行」は、断じて腑に落ちません。
飛行機はどこへでも飛べる乗り物ですが、降りる飛行場が必要です。チャーターするジャンボ機にあわせて往復の生徒数を調整しても、バスや鉄道ほど融通がきかないから、行き先は限られてしまうでしょう。
何より「造ったからには乗客を増やす」「目的のためには手段を選ばず」では、やがて神戸空港は軍事利用されるための空港になりかねません。
(注:本文は井上力HPの 木曜コラムに掲載してあります。)
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