- 俵美術館
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全国唯一の「矢立」のコレクションを公開している。「矢立」は、万年筆やボールペンの源をなす携行用筆記具のこと。鎌倉時代が発祥といわれる。武士が檜扇(ひおうぎ)形をした、墨壺と筆を納めた容器を鎧の箙(えびら)に入れて持ち歩いたのにはじまる。墨壺にはもぐさや綿のようなものを入れて墨汁をしみこませてあり、墨汁が乾燥すると水をさして使った。
江戸時代になると唐木、金・銀・銅その他の金属、動物の牙や骨、陶磁器などを材に、きめ細やかな文様を施したものなど、実用品から次第に趣味的なものへと変わった。とくに、幕末から明治にかけては外国人の収集を意識したのか、刀の形をしたものや三味線型、笛太鼓など目先の変わったものが多くつくられた。
松尾芭蕉が「奥の細道」に携行した矢立は、桑製の檜扇型で、これは門人の一人が旅立ちの餞(はなむけ)に特別に誂えたもの。芭蕉は『奥の細道』の冒頭、「行く春や鳥啼き魚の目は泪 これを矢立の初めとして 行く道なお進まず」と記した。
★芦屋市月若町6の1 電話0797-23-2878。阪急芦屋川駅から南へ徒歩5分。開館は10時から17時。月曜休館。入館料=一般600円。
2009年4月28日号
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