「新社会兵庫」 8月26日号
- 新テロ特措法、海外派兵恒久法の息の根を止めよう
中村伸夫(憲法を生かす会・神戸)
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「局面を転換して、新たな首相のもとでテロとの戦いの継続を目指すべきだ」と、突如安倍首相が政権を放り出したのはちょうど1年前の9月12日だった。小泉内閣が誕生して安倍首相が辞任するまでの6年間、憲法情勢は改憲に向け急展開した。
01年にはテロ特措法でアフガニスタンへ自衛隊派遣、03年には「武力攻撃対処法」など有事関連3法を成立させ、イラク特措法でイラクへ自衛隊を派遣した。04年には「国民保護法」など有事関連7法を成立させた。また、05年には自民党は新憲法草案を発表し、「防衛省」昇格法で国際平和協力活動(海外派兵)を付随的任務から本来任務へ格上げし、自衛隊を「専守防衛」、つまり、侵略に対する必要最小限度の自衛力としての自衛隊の存在から「海外で戦争する軍隊」へと変質させた。さらに同年には、教育基本法を改悪し、07年には集団的自衛権行使容認へと踏み出すための「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を発足させ、改憲手続き法を強行採決した。
しかし、この1年間、改憲の動きは停滞気味だ。4月の読売新聞世論調査では15年ぶりに「改憲反対」が「賛成」を上回り、「憲法審査会」は定数や議決要件などを決める「審査会規定」が決まらないままだ。そして、名古屋高裁でイラク派遣航空自衛隊活動の違憲判決が確定し、6月に先述の「懇談会」が集団的自衛権行使容認の報告書を出したが、福田内閣のもとで「棚上げ」の状態だ。
「テロとの戦いの継続」は、今年1月に衆議院で新テロ特措法の再議決を行ったものの、派遣期限切れが迫っている。派兵恒久法は秋の臨時国会提出を断念せざるを得ず、新テロ特措法の衆議院再議決も不透明な状況だ。内閣改造後のマスコミ世論調査でも新テロ特措法延長に反対が48%(日経)、53%(産経)で、賛成は36%(日経)、32%(産経)と多くの国民が延長に反対している。
この1年間、大きく憲法状況が変化した背景には、アフガン、イラク戦争の悲惨さや愚かさに多くの国民がようやく気付きはじめ、さらにこの間の新自由主義改革が国民生活を大きく破壊しているからだ。労働、年金、高齢者医療など進行する窮乏化、生活破壊によって福田内閣の支持率は低下し、当面は改憲どころではない状況に追い込まれている。
一方、今年5月に判決が確定したイラク名古屋高裁判決は、最初の憲法9条違反の司法判断だ。判決文では、日本ではほとんど知らされていないイラク戦争の非人道的な実態を列挙・認定し、戦争の大義名分はなかったとした。航空自衛隊の活動は、人道復興支援ではなく多国籍軍兵士の輸送であることを指摘した。そしてバグダットは「戦闘地域」だと認定し、バグダットへの空自による多国籍軍の兵員輸送は、他国による武力行使と一体化した行動であり、イラク特措法を合憲とした場合でも、特措法および憲法9条第1項に違反するとしたのである。さらに平和的生存権を憲法上の法的な権利として認め、9条に違反する戦争、武力行使、戦争の準備行為などで個人の生命、自由が侵害されたり、戦争遂行への協力が強制される場合は裁判所に救済を求められるとした。
1992年、政府はPKO協力法で初めて自衛隊を海外派兵し、アフガン、イラク戦争では米軍と共に参戦した。そしていま画策している派兵恒久法は、これまでのPKO協力法、イラク特措法、新テロ特措法の枠を大きく超え、海外での武力行使を可能にし、集団的自衛権を行使できる、平和憲法の枠組みを大きく変える実質的な改憲だ。
今こそ新テロ特措法、海外派兵恒久法の息の根を止める大きなチャンスだ。今秋には滋賀・あいば野で数年ぶりの日米合同演習が行われ、来年度にはミサイル防衛(MD)計画に基づく迎撃用ミサイル(PAC3)があいば野に配備される予定だ。秋の闘いに備え、派兵恒久法の本質や名古屋高裁判決などを学習し、9条改憲阻止、既成事実化・常態化された自衛隊海外派兵をストップさせる運動を強めよう。
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- ついつい見てしまったオリンピック。球技はほとんど見た。なでしこジャパンが予選突破したノルウェー戦は鳥肌が立った▼ところで、「ママでも金」の谷亮子が銅メダルに終わり、さらに北京で子どもが感染症で発熱のニュース。ママは大変と同情したが…。アテネではトヨタから1億円のボーナスが出たという噂があったが、今回はどうなのか?▼JOCの報奨金は、金で300万円。種目別にテニス800万円、バドミントン1千万円、陸上競技1千万円など上乗せがある。中国では金の報奨金300万円に加え、省や市の体育局、企業など合計2250万円だそうだ。平均月収5万円だから37.5年分の収入にあたる▼東京オリンピックを打ち出した石原東京都知事。臨海開発事業が破綻した地に招致するという。事業負債など総額6446億円を覆い隠し、オリンピックに名を借りた開発推進と疑義が出されている。羽田空港〜築地地下道路1兆円、オリンピック会場への地下鉄2千億円、外環道路1兆3千500億円、高速多摩新宿線2兆2千億円などの計画だ▼「金まみれ」がオリンピックの実像?選手たちの真剣な闘いはたいへん感動的だが、「金まみれ」のオリンピックは果たして必要か。
- 母のデイサービス
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我が家は、認知症の母と夫、長男の4人家族。一昨年、母の世話をしていた父が亡くなり、最初に頭に浮かんだことは母をどうしようかということでした。私が仕事を辞めるか、夫に看てもらうか。すぐには特養に入れそうもなく、いろいろ思い悩んでいる時、近所の人に「○○さんとこも毎日デイサービスを利用して、ヘルパーさんにも入ってもらってがんばっているから、大丈夫よ」と励まされ、これは何とかなるかもしれないと、少しほっとしたものでした。
幸いにも、父の亡くなる半年ほど前からデイサービスを週2度ほど利用しだしていたので、ケアマネージャーもすぐに連絡をくれ、デイサービスに相談に行って、週5日利用で、朝9時半から夕方6時までの長時間みてもらうようにしました。朝の送り出しはヘルパーさんに入ってもらい、迎えも都合がつかない時はヘルパーさんに入ってもらっています。日曜日にもデイサービスを頼んだり、ショートステイも入れたりと色々なサービスを利用して何とか毎日が成り立っています。
デイサービスに毎日行くようになってから、母の表情がよくなりました。父が看ていた時は、母がぐずぐずしているとよく叱られていたのですが、それがなくなり、今までとは違う、生き生きした母の表情を見ることができるようになりました。母にはこんなにユーモアがあったのか、とうれしい発見です。また、お風呂に毎日入れてもらえるので身体もきれいにしてもらえ、これまではよく浴槽を汚し、その度に消毒をするということがたいへんだったのが、その手間が省けるようになりました。母も生活のリズムができ、喜んでデイサービスに通っています。
反面、調子のよい時は、すぐにデイサービスに行こうとして一人で杖をつきながら出て行ってしまうことが何度かあり、近所の人に最寄のデイサービスのステーションに連れて行っていただいていたこともありました。
最近の母は、2、3日ぼうっとしている日が続いた後、2、3日はっきりしている日があり、そのような時は、私の名前や孫のことも思い出せます。でも、そんな時は、夜中に片付け物をしようとして、いろんな書類を捨ててしまったり、衣類をありったけ出したりと、後片付けもたいへん。以前の優しい母に会いたいと思うこともありますが、今は、母が小さい子どもに帰ってしまったようで、2度目の子育てをしているような気分です。
これからの心配は、母が熱を出した時などは看てもらえないのでどうするかということや、母の貯金が底をついたらどうするかということです。今は要介護度4で、保険対象外の負担も入れて月に8万円ほど。兄ともいつもそのことは貯金がなくなってから考えようということにしています。
介護保険制度のおかげで共働きを続けられますが、介護の仕事に携わっている人の条件は厳しく、辞めたり、何度も職場を変わっていったりと、私が出会うデイサービスの職員もとても入れ替わりが激しいように思います。これから先、私たち自身がその年代になった時のことも含めて、サービスを利用する人も、介護現場で働く人も安心できる体制を作っていってほしいものです。
(M)
- 介護職は死に絶えそう
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この間の新聞記事に、ほとんどの市長は「介護報酬を上げるつもりはない」と、その上、事業所が儲けようと介護報酬を取り過ぎているためにヘルパー達の給料が少ないのだ、と載っていました。「事業所が取り過ぎだ」と!!―何を言うかと、腹が煮えくり返ってお鍋の具になりそうでした。
どこの事業所も赤字を抱え、職員は低い賃金で長い時間働き、くたくたの体を引きずって夜勤をこなし、それでも生活が出来ずに職場を後にせざるを得ない……。希望に燃えて資格を取り、介護職に就いたものの、あまりに低い賃金、待遇、職場環境に愛想を尽かすのは、当たり前ではないでしょうか。
それを、発展途上国の人たちに高齢者をまかせて、低賃金で雇おうとする―その考えに、また、お鍋の具になるぐらい腹が立ちます。
日本にたくさんの介護師がいるのに、家族を養っていけるだけの賃金を出してくれれば、夢を持って介護の世界に入ってきた若者を、他の職業に取られなくてもよかったのです。お金を使うところを間違えています。
年金も、後期高齢者の保険料天引きや介護保険料もしかりです。介護保険料を払っていても、離島であったり、山の上であったりで、ヘルパーが来てくれない、行けないところもあるのです。保険料は天引きされているのに!
何が「平等に支え合って」でしょうか。サービスを受けたくても受けられないのです。
人は、物ではありません。ただただ、物のように、食事介助やおむつ交換の時だけに介護職が要るのではありません。
日本のなかで補っていけるもの、人材は、たくさんあります。夢破れて職場から離れた人たちを連れ戻し、豊かな、安心できる老後、障害のある方には将来を見据えて、どこに金≠かけるべきか、今一度考えていただきたい。そうしないと、介護職は死に絶えてしまいます。あとに残るのは、煮えくり返った腹わたかも……。
村中英美子(ひょうごヘルパーユニオン委員長)
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