「新社会兵庫」 9月23日号
- 製造業「2009年問題」 何が起きようとしているか
菊地憲之(ひょうごユニオン運営委員)
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製造業における派遣労働者の「2009年問題」をご存知だろうか。
労働者派遣法といえば、06年7月に朝日新聞が、トヨタ、松下、キャノンなど世界的に有名な大企業で発覚した偽装請負問題をキャンペーン。日雇い派遣で有名なフルキャストやグッドウィルの二重派遣や違法派遣によって、日雇い派遣の禁止も含めてそのあり方が厚労省労政審で議論中、9月10日に朝日新聞が一面で「刑務所9割で偽装請負」の黒ベタ白抜きの3段抜き見出しで報道。法改正問題はじめあちこちで労働者派遣が問題なっている。
はじめに述べた製造業における派遣労働者の「2009年問題」とは何か。2009年3月に製造業で働く派遣労働者を派遣先企業が直接雇用しなければならない事態を迎える。製造業に労働者派遣が派遣期間1年の上限で解禁されたのが04年3月である。07年3月から派遣期間を3年に延長するとした。大手製造業は、期間延長を見越して06年3月から派遣労働者を受け入れた。派遣期間が3年であるので09年3月を超えて派遣労働者を使用する場合は、派遣先企業に派遣労働者を雇用する義務が課せられる。間接雇用から直接雇用への道が切り拓かれるように見えるが、事態はそう簡単ではなさそうだ。
1986年に施行された労働者派遣法は小さく産まれたが、20年後には労働者を食い物にする怪物に成長した。労働者派遣法とは、施行以前は職業安定法44条で禁止されていた労働者供給事業をほんの一部解禁して制度設計されたものである。戦前の人貸し業のような、中間搾取で労働者をモノとして扱う前近代的な労働慣行を禁止したのが職安法44条である。当初は、中野麻美弁護士が言う値崩れしない£ハ訳・翻訳など13の高度専門業務に限定した派遣、その上で派遣期間は1年に制限されていた。そして26専門業務に拡大され、さらに1999年12月には対象業務が26業務というポジティブリストから港湾運送、建設、警備、医療関係、製造業、弁護士業等は派遣禁止とするネガティブリストに大転換された。そして、ついに04年3月から製造業にも期間1年で解禁された。この改悪の背景には国際競争に駆り立てられた資本の人件費・コスト削減の渇望がある。
派遣労働者の「2009年問題」を迎える事態の複雑さに戻ろう。様々な問題が予想される。ひとつは、派遣先企業による「クーリング期間」を利用した脱法行為。ふたつは、派遣先企業による直接雇用といえども期間工・契約社員など有期雇用、そして雇止め。もうひとつは、例えば派遣から2年11月で派遣契約を満了、そして雇止めなどである。
「クーリング期間」とは、厚労省告示第50号「派遣先が講ずべき措置に関する指針」を逆手に取った企業の脱法行為である。労働者派遣法は、継続した仕事の場合は直接雇用する原則のもと、派遣期間に最長3年の上限を設定(専門26業務除く)。3年を越えると、派遣先企業に直接雇用の義務が生まれる。厚労省の指針では派遣終了後、次の派遣を受け入れるまでの期間が3カ月以下の場合は継続した仕事とみなすとする。これを逆手に、3カ月を越えて直接雇う「クーリング期間」を設ける例が少なくない。
「クーリング期間」について、07年の名古屋地裁判決では直接雇用の期間を派遣先への「出向」状態と判断、厚労省需給調整事業課の鈴木課長も直接雇用による派遣期間のリセットは「脱法行為」と指摘。「この場合の直接雇用は出向にあたり、職安法44条違反の労働者供給事業になる。今後厳しく取り締まりたい」と言う。
派遣労働者の「2009年問題」を論じることよりも、この問題に直面した労働者の闘いに全力をあげることが有益で楽しい。昨秋にT製作所で働く派遣労働者のMさんが、はりまユニオンに「周りの情報から自分が派遣であるらしいと知り、3年を越えたらどうなるのか不安である」と相談、「今までの経験から考えるとクビになる可能性も高い」と考えて闘う決意からユニオンに加入した。今年7月に派遣元のT鉄工との交渉で、来年4月から改めて請負労働者として働いて欲しいという回答に、「偽装請負期間を含めると派遣受け入れ期間抵触日はとっくに過ぎている。T製作所に直接雇用になるよう会社から申し入れて欲しい」と要求した。派遣労働者の直接雇用の闘いが、すでに始まっている。
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- 街中で1枚のポスターを見た。「打倒CO2」という某政党のポスターである。ふと、200年ほど前にイギリスで猖獗(しょうけつ)をきわめたと聞いているラダイツ運動、機械打壊し運動を思った▼産業革命とともに工場に採り入れられた機械は、それまで補助労働力だった幼少年工や女子労働者をもって、誇り高き熟練工を職場から放逐し、失業に追い込んだ▼仕事を失った熟練工は、自分たちをこのような立場に追い込んだのは機械のせいだと思い込み、憎き機械の打壊しに走った。「天誅」を加えられた機械の残骸には「ラッド」と署名された紙が貼られていた▼ラッド一味(ラダイツ)の「犯行声明」である。わが国でいえば「鞍馬天狗参上」というところか。「ラッド」とは、ローマ時代に民衆から正義の味方と思われていた将軍の名であるらしい▼機械が労働者の首切りをしたわけではない。首切りをしたのは、機械を利潤のために、首切りのために使った資本家である▼宇宙のかなたからCO2が環境破壊のために押し寄せているわけではない。CO2は人間がつくっている。利潤のために。CO2打倒では環境破壊の真犯人を隠してしまう。利潤のために、人間性を蹂躙する真犯人を隠匿する党に世の中は変えられない。
- 私は辞めないぞ
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旅行が好きだ。
先週の金曜から2泊3日の北海道の旅に夫と出かけてきた。
札幌→襟裳岬→十勝川温泉→ナイタイ高原牧場→旧国鉄タウシュベツ川橋梁跡→オンネトー→阿寒湖→釧路大漁どんぱく→釧路湿原→シラルトロ→釧路市動物園。振り返ればなんともりだくさんな。そりゃあ、ガソリン満タンのレンタカーも最後にはガス欠寸前になるはずだ(気づいたら750キロも走ってた)。私の体力もエンプティー。
行く前は「襟裳岬」ぐらいしか聞いたことがなかった私だが、行くところ行くところ、すばらしかったなあ。運転疲れでこの感動を忘れるのが惜しくていっぱい写真を撮ってきた。空がこんなにきれいだなんて。夕日の美しいこと。緑がきれいだー。感動がよみがえる。動物園のレッサーパンダの写真さえ愛おしい。よく考えたら北海道のレッサーパンダと兵庫県のレッサーパンダもいっしょだけかわいいはずなのにね。どアップのラーメンも海鮮丼もサイコー。
毎日毎日残業で、土日も出られる時間には出勤。この1年半そんな毎日だったから、金曜日にたった1日休むこと、土日続けて出勤しないことには随分勇気と準備が要った。絶対おかしいけど。
高齢の母を土曜日には整体に連れて行き、日曜日にはお風呂に入れることにしているのでそれも気にかかった。
でも、どこかに行きたい!旅行行かなきゃ退職するぞ!(ありえない理屈。でも、ほんとの気分)という私の脅しを夫が受け入れ、飛行機と宿を予約した。でも1日しか休めない私。旅行社の方のコメント「え〜!!このコースを2泊3日ですか?!」。北海道の友達の感想「そりゃ随分強行軍すぎないか!!」。
超ハード、毎日心配で母に電話、でも楽しい3日間だった。日曜の夜遅く帰宅。翌朝、普通に出勤。しんどいっちゃあしんどいけれど、行ってよかった。
3日ぶりに出勤してみたら「あ〜また仕事か、しんどいな」と思う私はいなくて、職場の仲間の顔、何気ない会話の中で、かえって非日常の楽しさと日常の暖かさを実感する私がいた。職場を大切にしてきてよかったなと思えた。母が元気でいてくれたこともうれしかった。その日は思い切って定時で帰って母をお風呂に入れ、晩ご飯をつくり普通の生活ができて、これまたいい1日となった。
あれから3日。再び、山ほどの仕事に押しつぶされそう。決して人間らしい毎日ではない。けれど、これからも倒れないように職場が暗くならないようにできることはやりながら、「普通に働いて、普通に暮らす」ことを求めていきたいと思う。
そういえば北海道の道みちに福田首相の「誠実に 着実に」(だったけ?実は忘れた)ってポスターがあったけど、「うそつけ!」って心から思う。あなたは辞めても私は辞めないぞ!!
(fukurou)
- “郵便局”にユニオン分会
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8月25日に郵便事業会社長田支店に働く非正規労働者が武庫川ユニオンに加入し、「郵便分会」を結成。翌日、長田支店長に武庫川ユニオン加入を通告し、団体交渉を申し入れた。
ことの発端は、8月末に非正規職員に対し管理職より「10月1日からの次期契約は6時間となる。合意できるかどうかのアンケートを25日までに提出するように」と求められ、「6時間がいやならどうなるのか」と質問すると「契約できない場合もある」などと雇い止めを臭わされたことである。
非正規労働者の中にはJP労組に加入している人もいたが、組合からは何の説明もなかったようである。1日の労働時間が2時間減らされることは彼らにとっては死活問題。とにかくユニオンに加入し、会社と団体交渉をするしかない、と決意を固めたのである。
私たちが団体交渉を申し入れた翌日、JP労組の組合掲示板に「分会交渉不調、支部交渉不調で地方本部へ、地本書記長―支社対応が」との壁新聞が出されたようだ。もともとJP労組も今回の問題に取り組んでいたのか、武庫川ユニオンの団体交渉申し入れで刺激されたのかはわからないが、労働組合としての本来の運動をされたことは良かったと思う。
9月9日に開催された団体交渉で、労働条件に関する武庫川ユニオンとの事前協議を確認し、不利益変更は撤回された。また、これまで正社員の終業時刻が16時45分で非正規が17時であることの問題を追及すると服務表を見直すと回答し、前進することができた。
今回の闘いは、企業内の労働組合と地域ユニオンが敵対関係だと見るのではなく、有機的な関係が結べれば、働く者の権利を守ることができることが証明された事案である。職場の労働組合の機能が弱体化しているとすれば、地域ユニオンが役割を果たす必要がある。各労働組合は互いに切磋琢磨し、働く者の権利確立という共通の目標に向かいたいものである。
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)
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