「新社会兵庫」 11月11日号
尼崎での公契約条例制定へ/議員立法で制定めざす
都築徳昭(尼崎市議会議員)
2月議会で議員立法による条例の制定をめざして
 尼崎では尼崎地区労や尼崎労連を中心に「リビングウェイジ条例」の制定をめざした活動が行なわれていたが、昨年5月、連合から「尼崎市に公契約条例の制定を求める」陳情が出され、10月議会で21対20という僅差で陳情を可決した。
 市の姿勢は「格差があるとすれば国の責任」「民間の労使協定にどれだけ規制がかけられるか?」等々、消極的である。そこで陳情に賛成をした議員を中心に、「尼崎市に公契約条例を実現させる議員の会」をつくり、勉強会の開催や条例案の作成に取り組み、公契約条例の素案を作り上げた。
 いま、12月議会での制定をめざして市民説明会を開催し、意見集約を行っているところである。実現すれば全国で初めての条例制定となるが、尼崎市で条例が制定されれば全国にあっという間に広まることは確実だろう。それだけ自治体の契約が問題となっていることの証左でもある。
公契約条例とは?
 一般にはまだまだなじみの薄い条例だが、年収200万円以下のワーキングプア、入札によって雇用が脅かされる労働者の労働条件の改善には大きな意味を持つ条例である。
 公契約条例は、公共事業や業務委託をする場合、切り詰めてはならないコストを明らかにし最低限のルールを決めようとするものである。低価格に価値を置いた入札制度では、非正規や派遣労働者ばかりの企業に有利に作用し、市の仕事をしながら市の福祉施策の対象となる労働者が増えることになる。一定の財政負担を伴う社会的価値(適正な賃金、障害者雇用、環境問題、男女機会均等など)の実現を含む入札制度へと根本的に市の姿勢を変えるものである。もちろん地域の活性化にもつながることだ。
なぜ公契約条例が必要か?
 公契約条例が求められる背景には2つ要因が考えられる。1つは、不正な入札が全国で摘発され、競争入札が透明性や公平性が確保されるとされていることである。そのため、憲法で最低生活を営む権利と言われる生活保護水準にもならない全国最低賃金しか歯止めがないため、官製ワーキングプアが生み出されている。2つ目は自治体の財政赤字である。尼崎市も正規職員と非正規職員の入れ替えや業務委託が拡大されている。非正規職員では年収200万から300万円以下がほとんどである。外部委託では、今春に無期限ストを行った住民票の入力業務も年収150万円以下で、雇用は入札の度に脅かされる。
 また、ごみを燃やした後の焼却灰運搬業務では06年度は4794万円の契約金額が07年度は2214万円、08年度は1399万円と、3年間で3分の1の金額に下がっている。激しい競争が行われ、人件費も出ないほどの落札金額である。この激しい競争が続けば当然サービスの低下につながり、市民生活にも悪影響が出てくる。
尼崎市の公契約条例(素案)とは?
 このほどつくった公契約条例素案は、3つの条例で構成されている。
 「基本条例」は、市が調達をする契約は社会的価値(適正な賃金、障害者雇用、環境問題、男女機会均等など)の実現に向けて、市・事業者・市民の基本的な姿勢を定めている。
 次に、契約金額のほとんどを人件費が占める「外部委託に関する条例」で、主に3つのことが定められている。@最低賃金を、市が採用する高卒初任給1千円程度の時間給にすること。A入札のたびに脅かされる労働者の継続雇用を確保するように努めること。B市に包括的雇用責任があるということで、委託会社の労働者代表、労働組合から労働条件に関する申し入れがあれば応諾する義務がある。
 3つ目の条例は「公共工事に関する」条例である。これまでは市が行ってきた公共工事の入札に関する改善を、「公共工事に関する委員会」を設置し、第3者による公共工事に関する契約・入札の改善を行なおうとするものである。
 素案が必要な方は、次のメールama_tsuduki@yahoo.co.jpまでご連絡を。  
 血液型性格診断では、嫌な思いをすることが多い。あてられた試しがないし、本当の血液型を言うと、今度はそれにあてはまる所を探される。類型化しないでと叫びたくなる▼市川団十郎が白血病治療後の貧血状態改善のため、実妹から骨髄移植手術を受けたことを知った。過日、都内のある会で、「運良く手術と輸血を受けて退院しました。私の血液型はA型でしたが、手術で血液型が変わり、今日はO型としてお目にかかっています」とあいさつ。「私の性格は変わっていません」とも▼そもそも血液型は、血球の抗原の違いをもとに決めた分類で、赤血球型、白血球型、血小板型、血清型と数十種類もある。赤血球型は現在15分類あり、ABO式は赤血球表面などから出ている糖鎖の種類と並び方の分類である▼性格を決める要因は、遺伝と環境が半々と言われている。感情は、脳内物質とそれを関知する前頭葉、大脳辺縁形によって決まるらしい。脳内物質の量により、神経回路を通る信号の伝わりかたが異なり、感情や性格に表れるらしい▼赤血球の糖の種類と並び方の違いで人間の性格が変わるとは言い難い。ちなみに麻生首相はA型だが、性格は財閥総裁という環境の影響大だと思う。
「残留孤児」支援ボランティア
 私はある新聞記事を目にしたことがきっかけで、中国「残留日本人孤児」を支援する会にボランティアとして参加しています。
 大阪の地下街通路で行われた写真展は、場所柄もあって多くの人の目にとまり、そこで行われた「孤児」の方の小説さながらのすさまじい体験談は涙なしに聞けませんでした。無事に帰国できた人たちは今でもなお、生活でも仕事でも言葉では言い尽くせない苦労を強いられています。なんの罪もない幼い子どもが、なぜこんなひどい一生を送らなければならなかったのか、理不尽としか言いようがありません。
 実の親に育てられなかったという「孤児」の人達の境遇と少し似ていることが、私自身がこの活動に参加しようと思った一番大きな要因だったように思います。
 神戸市内では阪急岡本に「支援する会」兵庫の会の事務所があって、毎月2回、そこで日本語を学習したり、ゲームをしたりして、「孤児」の方たちの交流の場になっています。狭い部屋にぎゅうぎゅう詰めで肩寄せ合って2時間ほどを過ごすのですが、みんなとても楽しそうです。
 私は中国語ができないことなど考えもせず、ただ何か手伝えるのでは、その思いのみでの参加でした。でも参加してまもなく、「孤児」の人達の思いがなかなか伝わってこないことに、むなしさとあせりを感じ、しばらくは気持ちの空回りの連続でした。今から思えば、少しでもお互いが分かりあいたい、そうした気持ちのみが先行しすぎていたのだと思います。
 残留「婦人・孤児」の人達が、日本人として人間らしく生きる権利を回復すべく、国の責任を問い質し、国家賠償請求の訴えを起こすに至る過程も、活動していくなかで学び、知ることができたように、何も私は知っていなかったのだと気づかされました。 
 現代史にきちんと向きあわなければいけない、そう強く思ったのは、このことが契機になったのだと思います。
 残念なことに裁判の方は、残留「婦人・孤児」の人達が最も強く望んだ国からの謝罪のないまま、新たな支援策を受け入れることで終結しました。でも支援策が実行されても、日本語が不自由なためにおこる言葉の壁、生活習慣の違いによっておこる差別と、地域社会から孤立している厳しい状況は、すぐには解消していくわけではありません。だからこそ、この4月から始まった新支援策が、各自治体できちんと守られて、孤児の人達が日常生活を送るうえでの手助けとなっているのか、その見守りと、日本語学習への支援が本当に大事だと考えて活動をしています。
 私にとっての初めてのボランティア活動は、境遇、考え等々、ちがいは一杯あるけれど、人は人との関わりのなかで学び、育ち、癒されながら、自分自身を確立していくのだということを再認識させてくれました。
 私にとってのボランティア活動は手伝いではなく、共生への一歩なのかもしれません。
(垂水 S・H)
「09年問題」で直接雇用を要求
 三菱重工高砂製作所でいま派遣労働者として働いている圓山浩典さんは、高砂製作所の下請け会社であった溜畑鉄工に2000年に就職し、ずっと下請け労働者として働いてきた。現在までの8年半、仕事の内容はまったく変わっていない。職場では三菱の正規社員と複数の下請け会社の社員は一緒になって働いていた。
 ところが昨年、自分がまったく知らない間に下請け労働者から派遣労働者に切り替わっていたことを知る。溜畑鉄工に確かめると、06年4月から派遣労働者になっていることを聞かされた。それまでが偽装請負状態だったことを知った三菱重工の指示で請負会社は派遣業の届け出を行い、勝手に「派遣」という身分に変えていたのだ。
 高砂製作所で現在働いている派遣労働者の多くが、09年4月1日に一斉に「派遣受入れ期間制限抵触日」を迎える。いわゆる製造業における「09年問題」だ。派遣期間が3年を超える場合、派遣先企業には直接雇用の申し出の義務が生じる。そのため、高砂製作所では基本的に派遣を再び下請けに戻す作業が始まっている。
 これまで次々と下請け労働者が首を切られたのを見てきた圓山さんは、自分もいずれ首になるのではないかと不安に思い、昨秋はりまユニオンに加入した。
 高砂製作所の派遣労働者は、自分がどの身分かも分からず、ティシュペーパー≠セと言われ働き続けてきている。「使い捨て」という意味だけでなく「引っ張ればいくらでも出てくる(代わりの労働者はいくらでもいる)」という意味だ。
 派遣から下請けに戻るとなっても雇用の保障はどこにもない。
 はりまユニオンは11月6日、三菱重工業に対して圓山さんを直接雇用するよう申し入れた。今後の安定のためにも雇用をはっきりさせておく必要がある。闘うことの不安がないとはいえないが、多くの労働者と連帯できれば怖くはない。乞うご支援。 
M・O(はりまユニオン執行委員)