「新社会兵庫」 12月9日号
- 労働者派遣法「改正」案は「日雇い派遣」温存の法改正
菊地憲之(ひょうごユニオン運営委員)
-
製造業における派遣労働者の「2009年問題」がクローズアップされ、ワーキングプア問題から「日雇い派遣」の解消と称して11月4日、国会に上程された労働者派遣法「改正」法案に各方面から批判や怒りの声が高まっている。
一方ではこれらの問題に関心が高まっているが、他方では米国サブプライムローン発の世界金融危機(恐慌)による景気悪化で、日本の自動車、電機など輸出産業を中心に派遣社員や期間従業員の雇止めが数多く報道され始めている。派遣労働者とは、好景気の時は非正規・低賃金でこき使い、不景気の時は御払い箱という企業にとって非常に都合の良い、不可欠な存在になっている。ここでは労働者派遣法「改正」法案の内容と問題を探ってみたい。
先ず用語解説から始めよう。「日雇い派遣」とは何か。登録型派遣で、派遣元会社が派遣先会社へ労働者を1日だけの契約で派遣する「日雇い派遣」(スポット派遣)のことである。携帯電話や電子メール等で派遣元会社から指示を受け、直接、派遣先会社に出向いて就労する「現代版の日雇い労働」であり、若者を中心に増加している。「日雇い派遣」は、低賃金や劣悪な労働条件に置かれ、交通費が支給されないこともあり、集合時間が極端に早く設定されているという場合もある。
登録型派遣とは何か。労働者派遣には、常用型と登録型の2種類がある。前者は、事実上期間の定めなく雇用される場合で、派遣労働者は派遣されていない時でも派遣元の従業員として雇用が継続している。後者は、派遣会社に登録だけしておき、派遣先が決まると同時に派遣元との雇用関係が成立し、初めて従業員になる形態である。
この「改正」案の背景は、小泉政権が推し進めた格差社会のなか、「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」などへの社会的批判や「日雇い派遣」問題の解消を求める気運の高まりがあった。少なくても「日雇い派遣」の禁止など違法派遣等の是正を中心とした「改正」案が最低でも出てくるだろうという期待は大きく裏切られた。
「改正」案の本質は、派遣法見直しという規制強化ではなく、派遣固定化法≠ニいう代物である。その内容と問題点は、11月6日に発表された日本弁護士連合会の会長声明によると次の通りである。
@日雇い派遣について、これを全面的に禁止するのではなく、30日以内の期限付雇用労働者の派遣を原則禁止するに止まり、政令で定める広範な例外業務を認めて日雇い派遣を公認している。
A30日を超える短期雇用を容認しているため、派遣労働者の不安定雇用を是正することにはならない。
B派遣料金のマージン(利ざや)率について、平均的なマージン率の情報提供義務を課すに止めて、上限規制を設けていないため、派遣労働者の低賃金を是正し待遇を改善することにはならない。
C派遣先に仕事があるときだけ雇用される登録型派遣については禁止の方向とはせず、派遣元事業主に対して、直接常用雇用を促進するなどの努力義務を課しているにすぎない。
この他、全体として抜本改正には程遠い極めて不十分な内容となっている。したがって、今回の「改正」案は、ワーキングプアを解消し、派遣労働者の雇用と生活を安定させるものとはなっていない。
日本弁護士連合会が派遣法「改正」案に反対し、労働者派遣法の抜本的改正を求める声明を発表している。また12月4日に開催される東京・日比谷野音での集会に向けて、派遣法の抜本改正に向けた共同行動の呼びかけ人として雨宮処凛(作家)らが、同趣旨の声明を発表している。
このような声を具体的な運動にしていくための学習会が、ひょうご労働法律センターによって12月11日に神戸市勤労会館で開催される。当面のたたかいは、まやかしの派遣法「改正」法案に反対する運動を広げ強めるとともに、金融危機による景気後退で派遣切り≠ニいう派遣労働者の使い捨てに対して派遣労働者など非正規労働者の労働組合づくりによる派遣労働者も人間らしく働き続けられる
ディーセントワーク≠フ実現である。
-
- 好きな女優が主演するとあってその演技が楽しみで、それまでは見ようともしなかったNHK大河ドラマを今年は見続けた。それも、残りわずか。「エッ、もう1年が経つのだ」と妙なところで1年の短かさ≠感じたのだが、師走ともなれば、いろんなところで時の流れの速さを感じる。歳を重ねると余計そうなるのを最近はつくづく実感している▼ところが、人間、勝手なもの。なぜか逆に感じることも往々にしてある。福田前首相の突然の辞任などずっと以前の出来事のように思える。麻生政権が誕生して2カ月余りだが、国会解散を使命として登場したはずの麻生首相の解散先送りによって、こちらの準備がはぐらかされ続けてきたせいだろうか▼その麻生政権、時間の経過とともにメッキがはがれ地が出てきた。放言癖や漢字が読めないだけではない。庶民の心やくらしが読めない。つねに上≠ゥらの目線だ。求心力を失い、迷走、漂流状態となった内閣の支持率はこの間にどんどん下がり、30%の線まで下がってしまった。もはや政権の存続自体が危うい▼総選挙までの時間をどのように感じるかはともかく、与えられた時間をじっくり構え、選挙へ怠りない準備をしていくしかない。
- 家族に万歳!人間万歳!
-
7月のはじめに、自転車どうしの接触で転びそうになり、手をついたが支えきれずに、右手ひじを剥離骨折した。路地の曲がり角でのことだ。相手は猛スピードで走ってきた高校生だ。
運転免許を持たない私は、何となく交通規則の知識はあるが、はっきりとは教えてもらったことがない。おそらく高校生もそうだと思う。
自転車は道路のどこを走ればよいのだろうか。
幅2メートル以上の歩道なら自転車も歩道の車道側を走っても良いとのことだが、どの歩道が自転車可≠フ歩道なのか道路標識がはっきりしない。
また、歩道を走っていると歩行者とぶつかりそうになる。小学生などはまわりのことなどお構いなしである。
車道のはしを走っていると、道がでこぼこしていて危ないし、ゴミも散乱している。道路工事で危険な目に遭うのは自転車である。車道は車のためにあると思えるほどである。
行政は、自転車の安全通行について、講習を定期的にするなど普及啓発を図る必要があると思う。そして、このごろは交通弱者対策はだいぶんとられるようになっているが、自転車にも目を向けた道路管理をしてほしいと実感している。
自転車は、CO2は出さないし、ダイエットにもなるし、とってもエコな乗り物だ。
今日は風が冷たいなとか暖かくなったなとか季節を体で感じることができる。自転車を見直して活用してほしいと思っている。
右手が使えなくなっていろいろ不自由なことがあった。なかでも袋が左手だけでは開けられないのだ。口を使ったりいろんなところを総動員したが、なかなか開けられない。お菓子などの個包装は、人に頼まないと自分では開けられなかった。手が使えない人だけでなく、高齢者なども握力が弱くなって開けられないこともあるのではないか。今までは、個包装は必要なだけ使って後は湿気なくてよいと思っていたが、弱者に優しい商品開発が望まれると思った。
骨折は災難だったが、人の優しさを感じたいい機会でもあった。
包丁が持てない私に代わって頼まなくても切ってくれたり、洗い物がさっとできていたり、家族のさりげない思いやりも感じた。
いろいろな人の優しさにも包まれた。
調理ができないだろうと「おかず」を家族分つくり続けてくれた友人。通院の時、自転車に乗れなくて不自由だからと車で送ってくれた近所の人。外食に行っても、お寿司かサンドイッチしか食べられないのだが、サンドイッチを食べやすいように小さく切ってくれたウエトレスさん。電車では席を替わってくれた人もいた。この他にも様々な親切を受けた。
現在は人間関係が希薄になっているとよく言われるが、なかなかどうして、「人間まだまだ捨てたもんじゃない」と思った。
家族に万歳! 人間万歳!
(姫路・M)
- 後期高齢者医療制度廃止へ全力投球
-
熟年者ユニオンは、カラオケ、マージャン、ハイキング、日帰り旅行など楽しい行事とあわせて、姥捨て山医療制度≠ニも言われる後期高齢者医療制度の廃止に向けて、サンドイッチマンデモで廃止を訴え、阪神間の各市議会に対して、国に廃止を求める意見書を提出するよう求める請願やビラ配布、署名活動などに全力で取り組んできた。
各市議会への請願・陳情は、意見書の文面が変更されたものや他団体からのものも含め、神戸、伊丹、宝塚、西宮、尼崎で採択された。明石、芦屋は不採択となった。
この請願で特徴的だったのは、公明党が先頭に立って採択に反対したことである。
ビラ配布と署名活動は毎週1回、阪神間各市と明石、神戸は10個所で実施。各場所1時間ずつなので署名の数は約1160筆と少なかったが、ビラ、マイクでの呼びかけが共感を呼び、毎回何人かから「頑張って」と激励された。
しかし、ここでも署名活動に嫌悪感を示したのは創価学会員だった。「国が医療費の半分を出すのだから、よい制度だ」「若い人に迷惑をかけてはいけない」などと文句をつけてきた。おそらく創価学会では総選挙に備えて「素晴らしい制度」だと洗脳≠オているのであろう。
政府は総選挙対策として後期高齢者医療制度の見直しを繰り返したため、現在は以前の国民健康保険と保険料も医療の給付もほとんど変わらないが、将来、保険料は大幅アップし、医療の給付も制限され、それ以上の治療は全額自己負担となるばかりか、現役の医療制度にも同様の混合診療を導入するための突破口と政府は位置づけている。
後期高齢者医療制度は勤労国民全体の問題で廃止する以外にないのだが、廃止までもう一歩だ。近々実施される総選挙で、自民・公明を少数に追い込めば、後期高齢者医療制度は廃止される。
今後は、総選挙までに各市議会への請願でどの政党が反対したのかビラで市民に報告し、自民・公明を少数に追い込むための運動の一助にしたい。
米岡史之(熟年者ユニオン会長)
|