「新社会兵庫」 2月24日号
-
- 暖冬ならぬ「熱冬」という文字が15日の朝刊の見出しに躍っていた。14日は2月の最高気温を記録するところが多く、静岡や神奈川などの一部では2月なのに25度を超える夏日となった。神戸でも半袖姿の人にお目にかかった。だが16日には一転、また真冬の気温に逆戻り▼2月16日といえば、その日の出来事に因む運動が今なお続いている、忘れることのできない日である▼ひとつは、国鉄の分割民営化にあたり、差別を受けた国労組合員たちがJRへの不採用を通知された日であることだ。それからもう23年が経つ。その後、解雇撤回闘争が闘い続けられ、鉄建公団訴訟控訴審も昨年12月に結審、この春にも判決を迎えようとしている。見えかけた政治決着の糸口も政治の混迷でかき消され、大詰めが近づいている。3月には県内数カ所で座り込み行動が予定されている▼もうひとつが神戸空港の開港で、今年で早3年。しかし、需要・財政問題など私たちの予想通り、事業の破綻が早くも露呈してきた状況ではないのか。「それ見たことか」と言いたいところだが、ツケを市民に回すのは御免被る▼あまりいい日ではないのかと思いつつ、いや、待てよ。梅の開花が真っ盛りだ。さあ、観梅へ、だ。
- 被災地石綿被害の教訓化を
パンフ『震災とアスベスト』発行
- 阪神・淡路大震災の発生から14回目を迎えた1月17日、NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」は、パンフ『震災とアスベスト』を発行した。
発行のきっかけは、昨年3月に、震災による倒壊建造物の解体・除去作業に従事した姫路市の男性が、悪性胸膜中皮腫を発症し、労災認定されたことである。
阪神・淡路大震災からの復旧・復興にあたっては、ずさんな解体作業が行われたことは事実であり、直接に解体作業に携わらなくても、多くの住民・市民がアスベストに曝露していることは間違いない。私たちが昨年3月に開設した「震災被災地アスベスト被害ホットライン」には、アスベストによる健康不安を抱える方から、2週間で144件の相談が寄せられた。この相談件数そのものが、不安の大きさを現していると考える。
しかし、震災アスベスト問題に関する行政の対応は鈍く、被災地住民や、被災地で働き復旧・復興に携わった労働者、そして全国から駆けつけたボランティアの方々が抱く健康不安を解消するに至っていない。それどころか、井戸敏三兵庫県知事は、監督署の労災認定に対して、震災作業との「因果関係は薄い」との認識を示したのであった。
この知事発言の一つの根拠と考えられるのが、地震発生の翌月から環境省が1年間実施した、大気中のアスベスト濃度測定の結果である。阪神間を中心に17ヶ所で測定が行われ、地震発生直後の2月、3月は高い数値を示したが、その後は全ての測定地点で低くなっているのである。そうすると、濃度測定の調査結果が低位で推移しており、つまりアスベストの飛散が少量であり、だから震災作業と労災の「因果関係は薄い」との発言につながったのではないかと考える。
そこで、私たちは阪神・淡路大震災におけるアスベスト対策の経過と問題点を探り、震災時のアスベスト飛散の実態に迫ることにした。当時、被災地で活動を行っていた「被災地のアスベスト対策を考えるネットワーク」の中地氏(環境監視研究所)と、アスベスト問題に詳しい元兵庫県立公害研究所研究員の小坂氏を招き、環境アスベスト問題について学習会を開催した。その中で明らかになったのは、わが国の大気中アスベスト濃度の測定方法における問題点であった。
アスベストは鉱物であり、自然界に存在する元素から成るので、化学分析では他の物質と区別して測定することができない。そこで選ばれたのが、顕微鏡による分析である。位相差顕微鏡という光学顕微鏡による分析は、労働者への健康被害が多発する中で、作業環境測定のための手法として発展した経過がある。環境省は、この手法を一般環境測定に採用し、その際にアスベストのうち白石綿(クリソタイル)のみを測定するようルール化したのである。そのため、毒性の強い青石綿(クロシドライト)、茶石綿(アモサイト)は測定対象となっていない。つまり、環境省のデータでは、一般環境大気中濃度にも解体現場周辺濃度にも、青石綿と茶石綿は含まれていないのである。その意味で、地震後の環境省が行った測定結果の評価については注意を払う必要があり、「因果関係は薄い」とは言い切れないのである。
私たちは、阪神・淡路大震災の教訓を活かそうと、昨年の夏にパンフ編集委員会を立ち上げ、資料の収集と検討を行ってきた。その結果、英知を結集し、実行しさえすれば、アスベスト飛散とその被害は防げると確信するに至った。そのためには、市民自身が関心を深め、市民が行政に働きかけ、監視するだけでなく自ら運動する必要がある。
民間建物にはまだ多くの吹付けアスベストが残されている。それらを早急に除去しなければ、新たな被災地で阪神・淡路大震災の二の舞が演じられることになる。そして、被災地における健康不安を解消する取り組みを力をあわせ早急に始める必要がある。
西山和宏(ひょうご労働安全衛生センター事務局長)
※パンフ『震災とアスベスト〜阪神・淡路大震災の教訓から〜』はA4判30頁
1部300円。ひょうご労働安全衛生センター(電話078−251−1172)まで
- 最近の楽しみ
-
今年の1月で46歳になった。肉体的には、1年ごとに無理がきかない年齢になっているのを実感している。白髪が増え、歯茎がやせ、疲れで腫れが引いてくれない。肩や腕のコリは慢性化し、激痛をともなっている。
肉体的とは逆に、精神的にはずいぶん自分が鍛えられ、強くなっていると感じている。自分を主張し、考えをしっかり述べ、無理な事、いやな事、できない事はどんな場面、どんな人にも伝える努力が始まっている。
強さも弱さも含めて自分を認め、強さも弱さも含めて自分を好きになるのは、簡単なことではない。私で言えば、ある意味、46年かかって、部落に生まれ、女に生まれ、労働者の子として育ってきたことを受け入れ、認められるところまでやっと到達したところだ。今からは誇りを取り戻し、痛めた体も少しずつ回復できたらと思っている。
ウォーキングを始めて1年が過ぎた。娘や仲間と歩く時間は、とても充実していて楽しい。また、昨年の12月から隣保館で気功を週に1度習い始めた。1週間のストレスを洗い流し、無になることの難しさを体験している。リハビリを兼ねて気功を続けている地域のおじいちゃん、党友のKSさんに会うのも気功に行く楽しみのひとつだ。おじいちゃんから元気をもらい、KSさんは不思議と私を安心させてくれる。笑顔が素敵だ。日々仕事や活動に忙しい仲間にも呼びかけ、その日はリラックス・デーとして、気功の後は、銭湯に行って体をいたわることにしようと言っている。自分を大切にすることは、人を大切にすることにつながる。
最近もう一つ楽しんでいるのは、青年女性合わせて8人で月に1回行っている経済学の学習交流会だ。当たり前と言えば当たり前のことだが、勉強はわかった時はとても楽しい。レポート式で自分の順番がまわってきたら、この章は何が書かれてあるかを説明しなくてはいけない。その章を何度も読み返したり、他の書物で調べたり、人に説明をするということは、それだけ自分の理解を深めておかなければできないことだ。仲間からの質問に答をだし、納得してもらえたら、勉強のやりがいも増す。事実を知れば、働く者としての考え方の自信にもつながる。
私の娘は、現在中学2年で不登校なのだが、理由の一つは、学校の勉強についていけずに自信をなくしていることだ。娘には、教わる側に問題があるのではなく、教える側に問題があるということと、勉強はわかるまでは難しいが、わかればとても楽しいということを伝えたいのだが、今はどこ吹く風である。母としては、勉強も遊びも、恋もいっぱい楽しんでほしいが、何より夢を持てない今の社会と闘う強さをもってほしいと願う。
(山口 みさえ)
- 地道な分会活動の積み上げ
-
ポオトデリカトオカツ分会が結成されて6年が経つ。東灘区にある潟|オトデリカトオカツは、1年365日、24時間休みなく操業して、コンビニへ弁当、おにぎり、サンドイッチなどを出荷している。そのため勤務は3交代シフトだ。
組合員の勤務時間は、基本的には夜10時から翌朝の6時30分まで。このような勤務体系なので週1度の休みの日の朝、組合員の都合に合わせて月に1度、土曜日朝9時からユニオンあしやの事務所で分会会議を開いている。この中で、組合員からたくさんの不満や要望が出る。その一つひとつが組合員の切実な思いだ。分会としては、その思いを受け止め、会社に職場要求として要求し解決を図っている。
賃金要求では、08年の春闘では、07年冬に約束していた時給30円アップを勝ち取り、08年夏の賞与では年齢制限はあるものの基本支給額一律2千円アップを勝ち取った。
しかし、会社は賞与の交渉のたびに「一律の賞与ではなく、個人評価で賞与を決めたい」と提案する。現状ではこの提案は受け入れられるものではないと撥ね付けている。
08年冬の賞与では年齢制限無く全員に基本支給額一律2千円アップを勝ち取った。この交渉でも会社は「個人評価で賞与を決めたい」と提案を繰り返し行なってきたが、原資も増やさずこれまで通り。組合は、会社が一人ひとりの労働者の正当な評価が行える状況ではない現実があるなかでこの提案は受け入れないと、今回も撥ね付けた。
雇用状況では、従業員は約500人余りで、直雇用と派遣社員がほぼ半々。製造業の「2009年問題」について、直雇用組合員の雇用・労働条件にも関わることなので昨秋から、会社はどう対応するのかを質問してきたが未だにはっきりした回答はない。今年2月の春闘要求には、「時給アップと派遣労働者の雇用」を入れる。
交渉を積み重ね労働条件も少しずつだが改善されてきた。しかし、職場にはまだまだ問題点も多く、分会会議で出た切実な声をまとめ、会社に要求し、より働きやすい職場をめざしたい。
森口道夫(ユニオンあしや)
|