「新社会兵庫」 4月14日号
 今年の桜の開花は暖冬のせいで記録的に早かったが、開花後に冷え込む日が長く続いたために、満開の時期は例年とそう変わりはなく、入学式を飾る景色として残った▼つぼみが膨らみ、花が開いていくのと時期を同じくして「騒ぎ」が大きくなっていったのが、北朝鮮の飛翔体#ュ射問題だ。当事国が人工衛星の打ち上げロケット「銀河2号」と言うのに対し、日本政府などはミサイル「テポドン2」型と言った。結局、4月5日に予定通り発射された▼おかしくもあり、そら恐ろしくも思えたのは、発射の予告時期が近づくにつれ、まるで戦争が迫っているかのように有事の事態≠ェ政府によって演出され、メディアがこれに追随したことだ。日本政府は「国民の安全、安心を確保する」として自衛隊法の「破壊措置命令」を発し、海上にはイージス艦、地上には迎撃ミサイル(PAC3)を展開・配備して迎撃態勢を敷いた。ミサイル防衛網(MD)システムをまんまと実戦態勢に置いた▼ことさらに「北の脅威」を煽って国民の恐怖感や不安感を醸成しながら、実戦さながらの訓練を自治体をも巻き込んでやれたのだ。今回の「騒ぎ」で一番にんまりしているのは、日本政府ではなかろうか。
グアム移転協定の承認を許すな
憲法違反の在日米軍再編
 中曽根外相とクリントン米国務長官は2月17日、「在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定」に署名、政府は同月24日、この協定を閣議決定し、国会に提出した。
 移転協定では、@グアム移転A普天間飛行場の移設B嘉手納以南の基地返還の3つが「パッケージ」として盛り込まれ、辺野古沿岸域への新基地建設等、米軍再編計画の実施とグアム移転費用の日本負担を明確に打ち出している。移転費用では、日本側が経費の6割にあたる約61億ドルの拠出を確認している。パッケージ論はすべてが日米合意通りに進まなければ、危険な普天間飛行場は現状のままにすることをあらためて強調するものと言える。沖縄県民への脅しとも言うべき内容で、この協定は到底認めることはできない。

米軍再編は憲法違反だ
 米軍再編は、@同盟国の役割強化A柔軟性を高めるB地域を超えた役割C迅速展開能力D数ではなくて能力重視の5原則で開始した世界規模のもので、日本との間では、「共通の戦略目標」(05年2月1日)、「日米同盟の転換と再編」(05年10月29日)、「実施ロードマップ」(06年5月1日)と3回にわたる合意が行われた。この延長線上に今回の移転協定がある。米国は、日本をアジア太平洋地域に軍事介入する際の中軸基地化しようとしている。また、そのための切れ目のない支援を日本に要求し、横田(空・ミサイル)・座間(陸)への米軍・自衛隊司令部の合同、横須賀への原子力空母配備、岩国のアジア最大規模の航空基地化、沖縄での基地新設と海兵隊司令部のグアム移転などを合意した。
 在日米軍再編は、あらゆる意味で憲法違反であるとともに、事実上の日米安保条約改定になると言える。

沖縄県民を無視した合意は無効だ
 この間、歴代首相は在日米軍再編を進めるにあたっては「地元の声に耳を傾ける」ことを明言してきた。しかし、今回の移転協定では、最も影響を受ける沖縄の声を聞くことなく合意しており、県民無視も甚だしい。もっといえば、県内移設への反対が根強い中、移設を受け入れた県や名護市などの移設自体には大きな影響のない修正さえも認めないとしていることからも政府の強引な姿勢が伺える。
 このようななかで、昨年の選挙で与野党が逆転した沖縄県議会は、3月25日、「県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定の批准を行わず、県民の声に耳を傾け、県民の目に見える形での基地負担の軽減を早急に実現するよう強く要請する」との意見書を採択し、政府に提出した。昨年7月18日には、「名護市辺野古沿岸域への新基地の建設に反対する」議決を行っていることからも県民の総意として今回の移転協定をはじめとする米軍再編に対して反対の意思表示を行っている。
 私たちは、今回の移転協定について、その内容や経緯からも沖縄県民とともに反対の声を上げていかなければならない。

辺野古新基地建設反対の声を
 沖縄防衛局は3月14日、辺野古での環境アセスメントの現地調査を終了したと発表した。しかし、それは専門家が求める複数年調査の要求を無視し、沖縄防衛局自らが必要と認めた台風時の調査も行っていない。にもかかわらず沖縄防衛局は、十分な調査を行ったかのように装い、2014年の辺野古新基地完成に向け、強引に建設計画を進めようとしている。そして、さらに次の段階へと進むため、沖縄防衛局は、関係自治体に「準備書」まで提出した。
 辺野古新基地建設に反対する多くの声を無視し、建設を強行しようとする国に対し、私たちは、現地の仲間を孤立化させることなく全国的なたたかいを進めていかなければならないと考える。
森 哲二(平和運動研究会)
自然と人から元気をもらう
 昨年4月から1年間、大阪の「シニア自然大学」に通った。毎週1回10時から3時まで「自然」についての講義を聴いたり、野外に出て自然観察をしたりするのだ。その内容は、植物、鳥、昆虫、魚、宇宙、里山、環境問題など多岐にわたっていた。講義はたいてい大阪市内だったが、野外観察は、京都御苑、琵琶湖、奈良公園、金剛山、万博公園などいろいろな所に出かけた。
 母がデイケアに行くのを見送っていると遅刻するので、夫に都合をつけてもらったり、ヘルパーさんに来てもらったりと、1週間に1回といえども結構大変だった。
 でも出かけてしまうと、久々に家からはなれ1日勉強できることが嬉しかった。森の中をひたすら歩き、立ち止まって深呼吸すると体の中にエネルギーがたまっていくような不思議な感覚も味わった。大きなリュックと虫捕り網と虫かごを持って満員の通勤電車に乗り、冷ややかな視線に耐えながら生駒山の麓の公園まで行き、虫の観察もした。京都御苑では、きのこ観察のために1日中地面を見て歩き30種以上のきのこを見つけた。自然のことなどほとんど何も知らなかった私には、初めて知ることばかりで、「目からうろこ」の連続だった。そしてどんな生物も自分の種の保存のためにいろいろな工夫をし、懸命に生きていることに感動した。
 そして今、身近にある自然を見る目も少し変わったように思う。通勤で何年も毎日のように通っていたJR六甲道駅。その前にある大きな木がメタセコイアだということに初めて気付いた。毎日通っていた時には、そこに木があることすら気にとめていなかった。都賀川でよく見かける鳥はセグロセキレイ。篠原公園でよく見かける木はセンダン。八幡神社にたくさん生えている木はアラカシなどなど。身近な場所で、初めてその存在に気付いたり名前がわかったりする喜びを感じている。
 そしてもう一つ。一緒に学んだ人たちのエネルギーにも感心した。平均年齢は、男性65歳、女性60歳と聞いたが、好奇心いっぱいで学ぶことに意欲的、人と交わることを心の底から楽しみ、世のため人のために何かできることはないかといつも考えている人たちのなんと多いことか。自然からだけでなく人からも元気をもらった1年間だった。
(T・T)
劣悪な待遇に新分会結成
 「突然、解雇された」との労働相談を受け、団体交渉の場を設定してその会社へ行って見ると、大不況のため、受注する仕事自体が半分以下に減り、従業員を解雇するか会社を閉鎖するかの選択を迫られている中小企業が大変多くなっている。
 この大不況の中、経団連は雇用を分かち合おうとワークシェアリングを提唱しているが、会社の内部留保金については一切発言していない。例えばトヨタでは、十数兆円もの内部留保金があり、仕事が無く、かつ、社員を減らさず今まで通りの賃金を支払ったとしても80年間は雇い続けられるという。そのトヨタが一番に派遣や非正規の首を切った。トヨタは派遣や非正規を使うことによって大儲けをしてきたのに、不況になると、自分は一切血を流さず、首切りや賃下げなど、労働者の血によって不況を乗り越えようとしている。
 今年の1月26日に姫路ユニオン・タイヨウデンシ分会を結成した。(株)タイヨウデンシは、プラスチックや金属に印刷、塗装する会社だが、社員の待遇は悪く、これまでも労働組合結成の動きがあったと聞く。正社員でさえ最低賃金ギリギリで、しかも時給制だ。受注が減ると仕事も休まされ、2月の賃金はなんと手取り6万円。そのうえ、整理解雇まで強制してきた。生活ができないほどの低賃金ということは、それだけ会社が大儲けをしてきたということなのに、会社側は、不況による経営の痛みをすべて社員に押し付けようとしている。
 姫路ユニオンはタイヨウデンシに対して、@不当解雇を撤回すること、A使用者の都合による休業には賃金の60%を支給すること、B未払い賃金を精算すること、C健康診断を実施すること、D雇用保険に加入すること等々を要求した。しかし、会社側は組合との交渉事項を無視して、わずかな退職手当をちらつかせながら希望退職を強行。さらに、組合つぶしまで画策してきた。
 ストライキも視野に入れた今後の闘いにさらなるご支援をお願いしたい。
森山容光(姫路ユニオン委員長)