「新社会兵庫」 12月8日号
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- 1年ぶりのソウルで、地下鉄の様子が大きく変わっているのに驚かされた。以前は、もちろん自動券売機もあり自動改札ではあったが、それでも窓口で券は買えたし、改札にも駅員はいた。それが、ほとんど駅員の姿を見かけなくなったのだ。こうやって働く人が減らされていくのを改めて実感した次第である▼すさまじい自動化・省力化の割にというか、それ故にと言うべきか、何とも使い勝手が悪いと思ったのは発券・乗車のシステム。毎日地下鉄を利用する人がどう感じているかは知らないが、1回だけ乗る人はまず500ウォンのカード保証金と運賃1千ウォンを投入してカードを買う。自動改札を通り、降りて改札を出たあたりでまたデポジット機をさがしカードを入れれば500ウォンの保証金が返ってくる仕組みだ。乗るたびにこれをくり返さなければならないから実に面倒だ▼チャージのできるカードはカード料が3千ウォン。ただしこっちは、運賃は900ウォンで割安になってくる。正直言って「これは効率的か」とは思ったが、こうやってチャプリンの映画でも観ているような資本の「家畜」を効率的に運ぶシステムがより高度に完成されていくのは、資本主義世界に共通である。
- 労働者派遣法改正へ 求められる労働者の闘争強化
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鳩山連立政権のもとで労働者派遣法改正がどうなるのか、どう実現するのか、関心が高まっている。小泉構造改革・規制改革によりつくり出された格差社会や貧困への国民的批判が、総選挙という国民の投票行為による政権交代を実現させた原動力であったと言える。しかし、この政権交代が労働運動の再生・強化によるものでないことに重大な脆弱点がある。
さて、労働者派遣法改正の動向を簡単に振り返ろう。昨年11月に政府が国会に上程した派遣法改正法案は極めて不十分なもので、多くの批判が寄せられた。9月のリーマン・ショックによる世界同時不況のなか、昨年末からの「年越し派遣村」の取り組みで派遣法の問題点や労働者の貧困が、マスコミにより可視化され、社会問題化した。この「年越し派遣村」の現実を受け止めた民主党、社民党、国民新党の野党3党は、今年6月に派遣法改正法案を衆議院に共同提出した。しかし、7月の衆議院解散によって政府案も野党案も廃案になったという経過がある。
総選挙後には、3党連立政権が野党時に合意した内容の改正案の国会提出ではなく、再度の政府案をまとめるため長妻厚労大臣が諮問した労政審で議論が続いている。
この政治的動向よりも重視されるべきなのは労働運動における派遣法改正の闘いだ。10月29日夜、東京で「派遣法改正、まったなし10・29日比谷大集会」が、全国から約2500人の労働者の参加によって全国ユニオンなど共闘組織の主催で開かれた。ひょうごユニオンからも数人が参加した。
この日比谷大集会の是正要求は、次の4点である。@労働者保護を目的とする法律に改正、Aみなし雇用規定の創設や違法派遣への罰則導入等の派遣先責任の強化、B日雇い派遣の全面禁止と登録型派遣・製造業派遣の原則禁止、C均等待遇の義務づけ、現行専門業務の見直し、中間搾取率の上限設定などである。
今年9月9日に連立政権3党が合意した「雇用対策の強化―労働者派遣法の抜本改正―」では「『日雇い派遣』『スポット派遣』の禁止のみならず、『登録型派遣』は原則禁止にして安定した雇用とする。製造業派遣も原則的に禁止する。違法派遣の場合の『直接雇用みなし制度』の創設、マージン率の情報公開など、『派遣法業』から『派遣労働者保護法』に改める」と確認している。
この集会是正要求と3党合意内容は、ほぼ同趣旨にあるが、注意を要する点もある。先述したとおり3党合意がそのまま法案になるのではなく、労働政策審議会職業安定分科会の審議を経て法案づくりがすすめられるが、この分科会公益代表には、中野麻美弁護士が代表を務める派遣労働ネットが問題指摘するように、征矢紀臣委員が名を連ねる。肩書きは全国シルバー人材センター事業協会会長だが、90年代には労働省職業安定局長、省庁再編の2001年まで労働事務次官を歴任している。1999年のネガティブ・リスト化への派遣法大改悪に深くかかわった官僚である。この審議に注目するとともに来年の通常国会に提案される派遣法改正法案では脱官僚の民主党の手腕に期待したい。
「直接雇用みなし制度の創設」について、今年6月の3野党共同提案から説明すると次の通りである。派遣先が次の違法行為を行った場合、派遣労働者は自己の雇用主とみなす旨を通告できることとする。違法行為とは、@禁止業務で派遣を受入れた場合、A常時雇用する労働者でない者を派遣労働者として受け入れた場合(26専門業務等を除く)、B無許可・無届と知りながら派遣を受け入れた場合、C期間制限を超えて派遣を受け入れた場合などである。通告があった場合は、派遣労働者と派遣元との雇用契約は、派遣先の雇用契約に移転したものとみなす。つまり、違法派遣の場合は、直接雇用の原則を適用するということだ。
労働者派遣法は、職業安定法が禁止とした労働者供給事業を部分的に解禁したものである。直接雇用の原則に立ち戻るためには派遣法の廃止が本来であるが、派遣法改正によって派遣労働者の所属する労働組合が派遣先事業主と団体交渉権を行使できる労使関係が明記されるよう派遣先責任の強化も改正の主旨であることから労働運動の力が発揮できる。政権交代の行方を案じるよりも新自由主義的労働政策を押し返していく労働組合・労働者の闘いを強めていくことこそが求められている。
菊地憲之(ひょうごユニオン運営委員)
- 「退職後」をどう生きる?
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最近、私の知り合い、友人に「退職者」が増えてきました。また、退職年令にあと2〜3年残しての「早期退職」も増えてきました。私自身は退職まで、あと2年と半年です。
先日、大学(教育科)の同窓会に久しぶりに参加しました。女子大でしたが、参加者15人のほとんどの仕事は、元も含めて教職です。宴もたけなわになり、お互いの近況報告になりました。その中で、3人が今年の3月に教職を「早期退職」したと報告がありました。 退職理由は、親の介護、心労などですが、基本的には「もう、いいかな…」ということでした。
3人が共に言っていたのですが、「今までは、日曜日の夜が辛かった。月曜日からあれして、これしてと頭の中が一杯で…。ところが辞めてからは、日曜日の夜が楽しくてしようがない。来週は何をしようと考えるのが。あれもしたい、あそこへも行きたい」と。
その中のSさん(元小学校教師)が「毎朝、散歩するようになったが、緑がこんなにも美しいものかと感動してしまった。今までそんなことを感じることも、気がつくこともなかった」と。
宴の後、帰り道を歩きながら彼女と話したのですが、私が「辞めようと思ったのは、なんやったん?」と聞くと、「自分に余裕がなくて、子供たちをものすごく怒っていた自分が嫌になったんよ。今は、自分に余裕を残して辞めて良かった」と。
今回の同窓会は、やっぱり昨年、塾講師を辞めて、奈良のガイド資格を取ったKさんが、東大寺・二月堂などをガイドしてくれるということで企画されたんです。彼女は今、活き活きとしています。自分の第2の人生を見つけたようです。
この時代、今の教育現場……今を生きる子供たちや若者にとっては、そう、今しかない。それなのに、私も含めた年配の教師が口癖のように「今の生徒たちは…、前はこんなんやなかったのに…」と嘆く。だから、どうなんだという議論をせずに。嘆くだけでは、何も良くはならない。
Sさんと同じで、最近、私自身が自分自身に嫌になっています。生徒たちに向かって本気になれない自分が。
そうなってしまっている根幹は、わたしやSさんや、また年配者での個人的なものだけではないということは、十分わかっていますが。
それでもあと2年半は、経済的な理由からなんとか踏ん張らないといけません。私は、働くのは好きです。退職後も、何か仕事はしたいと思っています。
この2年余りの間に、「第2の道」を見つけたいなと思っています。
(N)
- 会社の身勝手な給与改定(時給アップ)案
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P分会に9月末、会社から給与改定の提案があり、会社と3回の交渉を持ち妥結した。この改定は、来年5月1日の時給改定の前倒しの形で行なわれ、今年10月に行う、今回だけのものだった。
今回の時給アップの提案には理由がある。これまで会社は、人手が足りない時は派遣に頼っていたが、来年2月末には派遣雇用が3年となり、派遣労働者を雇用できなくなる。だから、10月のこの時期に、いま働いている派遣の人を直雇用にするか、新たな人を募集せねばならないことになった。会社がパートを募集しようとした時の時給が、「昼勤は時給830円〜」「夜勤は時給1040円〜」としなくては募集広告ができなかったのだが、これでは、これまで直雇用で何年も働いているパートの時給より高くなってしまう。給与改定は、その矛盾の解消のための提案だったのだ。
ちなみに65歳以上=現行時給+一律40円、64歳以下で現在の時給830円以上=現行時給+<勤続年数×4円>、同じく現在時給830円以下=830円まで引き上げ+<勤続年数×4円>、64歳以下で現在時給1040円以上=現行時給+<勤続年数×4円>、同じく現在時給1040円以下=1040円まで引き上げ+<勤続年数×4円>という具合。
さらにこれに「自己分析加算」というのがついて、例えば64歳以下は、「自己分析表」の結果にもとづき、勤続年数×4円のアップに対して下記の通りの増額がある。○の数10〜12個=30%増、○の数7〜9個=15%増、○の数0〜6個=0%
今回の給与改定は、自己分析表とセットであったため、結果的に「評価」をのむ形になったのがとても悔しい。
また、65歳以上については、60歳になった時から時給の減額がされていたのをやめさせ、次に、64歳以下と同様に時給をアップさせるところまで頑張ってきていただけに、一律40円しか上がらなかったことに悔しい思いが残る。
また、自己分析表は会社も認めているように、評価する人の感情が入る内容になっていることもあり、今回限りとさせる取り組みが必要だろう。ただ、組合員は約5500円〜約1万円、賃金がアップしたそうだ。
森口道夫(ユニオンあしや)
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