「新社会兵庫」 2月9日号
 政権が代わっても政治資金スキャンダルが絶えない。これでは自民党政治のときと変わることがない▼それに公共事業を受注した大手ゼネコンから下請けをとった企業が、億やそれに近い額のカネを渡したとかもらっていないとか。公共事業を請け負い、間に入った議員にキックバックするほど儲かるのなら、マスコミを賑わした事業仕分け、そもそも発注額が適切だったのかどうかしっかり仕分けしろと言いたい▼こうした政治資金にまつわる不透明さもあってか、昨年分からの政治資金収支報告では、法律で国会議員やその候補者の政治団体の報告書には税理士・公認会計士・弁護士の監査報告を添付しなければならないように変わった。監査はいいが、小さな団体で扱う資金がいくら少額でも、それなりの監査報酬や報告書作成報酬が発生する。億単位のカネを右から左に動かすことのできるどこかの団体とは違ってけっこうな負担なのだ▼課税されない政治資金の動きを透明にする必要性は否定しないが、この監査、じつは収支自体が適切かどうかは監査の目的とはされていない。政治絡みの事業で収益を上げる企業からの献金を等閑視して、政治資金を透明にしたと言えるのだろうか。
神戸空港開港4年
空港建設の失敗は明白/今こそ市民の判断仰げ
 今年の1月17日は大震災から15年。そして、2月16日は神戸空港開港4年。震災後、被災者の生活再建より神戸空港の建設を復興の柱に据えた当時の笹山市長に市民の批判が集まった。97年市長選挙での肉薄、そして98年には35万の直接請求署名を集めた空港建設の是非を決める住民投票運動、さらに、2000年の市長リコールの直接請求運動と、市民の怒りは頂点に達した。各新聞の調査でも、7割を超える市民が空港建設の反対を明確に示した。それでも、神戸市当局と自公民を中心とした「与党」会派は神戸空港の建設を強行した。しかし、開港後4年が経っても神戸空港建設に疑問を持つ市民は5割を超え、議会には情報の公開や中止を求める請願が、いまだに提出され続けている。
 さて、その神戸空港の現状はどうか。開港当初は1日7路線27便が就航していたが、地方路線からの相次ぐ撤退や減便が続き、今は羽田便や千歳便、那覇便など主要3路線と、離島便である石垣便、天草便の5路線22便にまで落ち込んでいる。したがって、旅客数は、われわれの試算によれば今年度230万人で、需要予測の319万人には遠く及ばず、開港後4年間はいずれの年も重要予測を下回った。来年度(2010年度)の重要予測は403万人で、達成は「夢のまた夢」である。さらに、今年の5月には日航が全面撤退となり、8便が減便となる。今のところ、当局は議会で「スカイマークの増便と全日空の機材の大型化で乗り切る」との決意を表明しているが、その見通しは暗い。
 また、空港管理収支も、当初予定の航空機材の大型化は進まず、撤退・減便で、2009年度予算では、着陸料収入が当初計画の9億円減で、財政調整基金の取り崩しで何とか予算を計上したものの、実質的には赤字予算となった。その財政調整基金も3億円しか余りがなく、市債償還がこれから増えてゆくことから、来年度以降で破綻の可能性が高まっている。
 そして、空港島の土地処分も進まず、売却予定額の6%の45億円が売れただけだ。2014年までには1982億円の起債を償還をしなければならず、今年度からその償還が始まっている。 さらに、ポーアイ2期や複合産業団地などに要した起債の償還もあり、それらを含めると償還額は2017年までに3692億円にもなる。しかも、2009年度から2012年度の4年間で、一挙に2392億円を償還しなければならず、宮崎辰雄市長時代から蓄積してきた新都市整備事業(開発事業)の財産である、「使える基金や現金預金」1927億円をすべて取り崩しても足りず、資金ショートしてしまうことになる。
 そのため、昨年末から新たに20年間の借換えをして起債の償還を先送りする動きがでている。しかし、20年の借換えは、実質返済を30年間引っ張ることになり、国の制度上それ以上の借換えは認められておらず、今は利子が安いとは言え長期金利がどう動くか不透明であり、しかも土地が売れなければ後世の市民に多大な負担を残すことになり、安易な借り換えを起こすべきではない。
 このような八方塞の状況の中、矢田市長は、関西3空港の一体運用でその活路を見出そうとしているが、関空会社が抱える1兆1千億円の有利子負債をどうするかなど、国土交通省や大阪府、兵庫県のそれぞれの思いがあり、運営主体や伊丹空港の存廃なども絡み、橋下大阪府知事からも「神戸空港は失策」と批判される始末である。
 多くの市民は、このような状況を冷ややかに見ている。それは、神戸空港の是非を決める住民投票を市長と議会「与党」会派がつぶしたことが原因だ。住民投票さえ行っておれば、たとえ建設を認める結果になっていたとしても、その責任は明確になり、この現状をどうするかを市民全体で英知を結集することが可能であったと思う。
 市長と議会は、神戸空港の失敗を素直に認め、市民に謝罪するとともに、すべての情報を公開し、住民投票なども含め市民にその判断をゆだねるべきだ。
あわはら富夫(神戸市会議員、新社会党兵庫県本部副委員長)
韓国の「水曜集会」
 昨秋、訪れてから韓国にすっかりかぶれている。宴会と聞けばマッコルリを持参し、南大門市場で買ったチマ・チョゴリ風の服を着て「オバチャングム」と呼ばれている。
 ソウルで出会った中学生の娘さんは日本のアニメをよく観ていて、私たちよりよく知っていた。こんな風にお互いの文化が開放されたのはほんの数年前からで、2002年のサッカーのワールドカップ以降という。が、この陰で政治的には総理の靖国神社参拝や歴史教科書歪曲問題など日韓関係はもつれてきた。
 私は11月に890回目の水曜集会に参加した。その集会には若い人も来ていて聞けば中学生だという。集会は92年の宮沢喜一当時総理の訪韓以来、ソウルの日本大使館前で、従軍「慰安婦」への正式謝罪と補償を求めて、毎週行われている。この1月で900回を越えた。集会は「韓国挺身隊問題対策協議会」を中心にハルモニ(おばあさん)を支援する人々がマイクを握り、あるいはチャンゴ(太鼓)と共に踊り、抗議を示す。大使館前にはこちらに向けられた監視カメラと居並ぶ機動隊!私の参加した日は寒い日でハルモニたちは体調を崩し、マスクをつけたハルモニがお一人だけ横断幕を持って椅子に座っておられた。
 集会には日本をはじめ様々な国の人々も参加している。日本からは私たち訪韓団の代表が日本の情勢と日本政府に謝罪を求める市議会決議の活動を報告した。
 中学生たちは自分たちで書いた手作りのプラカードを持って来ていた。日本軍の蛮行と性を蹂躙されたハルモニの体験に基づく歴史をしっかり勉強してきたのだろう。そこには日本語で「戦争犯罪認定」「歴史教科書への記録」「法的賠償」とあり、マイクを握った女の子は日本政府のすべき事を訴えた。ハルモニはじっと聞いておられた。
 主催者側からは日本の政権交代で問題解決への期待が高まっていることが語られた。今年になってもう3人ものハルモニが、日本政府の謝罪を聞かずに無念のうちに亡くなっている。ハルモニには時間がない。日韓で連帯して運動を大きく進めなければ!
 兵庫でも宝塚を中心に水曜に街頭で訴えるなど、運動を進めているが右翼の妨害がひどい。彼らは人権感覚の無いナチ的な思想でアジアの人々を蹂躙している。
 この運動はたんにハルモニたちのためだけの運動ではない。私たちの国が全ての人を人として大切にする社会を作るのか、再び同じ轍を踏み、戦争への道を走るのかが問われている私たちの闘いだと思う。鳩山総理は施政方針演説で「いのちを守りたい」と言った。そのためには何をなすべきか、韓国の若い人たちが明確に示している。
(MK)
不法な解雇をめぐる2つの裁判闘争
 昨年は、2つの事件が裁判闘争に入った。
 ひとつは、前回もこの欄で紹介した誠和学院の解雇問題である。
 昨年4月に校長が新しく赴任してきたとたん、先生全員にネクタイ着用を義務づけてきたので、I学科長が「ネクタイ着用について、みんながどう思っているか、意見を聞く場をつくって欲しい」と要求しただけなのに、業務命令違反ということで解雇となった。団体交渉を重ねてきたが、学院側の態度は変わらず、裁判所に地位保全の仮処分を申し立てた。
 12月8日、仮処分「決定」が出され、I学科長の勝訴となったため、姫路ユニオンは、ただちに誠和学院に対して、I学科長の即時就労と団体交渉を申し入れた。しかし、誠和学院は、団交拒否の不当労働行為を積み重ね、裁判所の「決定」を不服として本訴した。
 もうひとつの件は、Mさんの解雇をめぐって、解雇予告がなかったとしてA社に予告手当を求めた少額訴訟(被告会社が本訴としたが、進め方は同じ)である。しかし、A社は、裁判所が提示した、Mさんの要求額の1割減である十数万円での和解案を蹴った。その「判決」が、1月14日に姫路簡易裁判所でだされた。結果は、Mさんの主張が完全に認められ、全面勝訴であった。
 Mさんは、要求が少額であるため、代理人を立てず、ひょうごユニオンと連携をとって陳述書等を作成したり、裁判で想定される場面のシミュレーションを描きながらこと細かく打合せをし、裁判の当日は、一人で法廷に臨んだ。そして、そんな彼女を応援すべく、たくさんの仲間が傍聴席を埋めてくれた。
 I学科長の本訴審第1回期日は、2月12日に行われることになった。Mさんの場合も、被告会社が上訴する可能性がある。2つの裁判に共通するところは、いくら費用がかかっても、あるいは、法律を無視してでも守りたい企業側のメンツであるように思われる。
 いずれも勝利するまでがんばって行きたい。
森山容光(姫路ユニオン委員長)