『関八州繁馬』近松門左衛門・著/多田神社(川西市多田)
 浄瑠璃100余編、歌舞伎約30編……。今に伝えられる名作を数多く残した江戸時代の劇作家・近松門左衛門。遺作となったのが『関八州繁馬』である。
浄瑠璃『関八州繁馬』に「多田の御所」の名で登場する多田神社  この浄瑠璃に満中と共に「多田の御所」の名で登場する多田神社。満中はここを本拠として、後世の武士階級の原型をつくったとされる。以後、約700年にわたって武士の世がつづくが、鎌倉・室町・徳川それぞれの時代を支配した将軍たちは、自らの系譜のはじまりはいずれも満中としている。源氏祖廟の地としての神社もまた将軍たちの崇敬を集めた。
 ところで、近松作品でもっとも古いのは、京の四条河原で1675(天和3)年、加賀掾所演の『世継曽我』とされる。元禄期には竹本義太夫の浄瑠璃、坂田藤十郎らの歌舞伎を執筆。大阪竹本座の座付作者となってからの晩年は浄瑠璃づくりに没頭し、人情の深奥に分け入る名作を残した。
 墓所は尼崎市久々知の広済寺にあり、隣接して近松記念館がある。毎年10月下旬に近松祭が盛大に行われる(今年は10月26日)。
 多田神社へは能勢電鉄多田駅下車。西へ徒歩15分。広済寺へは阪急塚口、JR塚口から市バスがでている。
(浩)
2008年9月23日号