- 『砂の城』遠藤周作・著/カトリック夙川教会(西宮市霞町)
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夙川あたりは大阪、神戸のほぼ中間にあり、早くから住宅地や別荘地として開発された。
ゴシック・リヴァイバル様式の壮麗なこの教会は阪神間最初のカトリック教会として、この地域の人口増・信徒増を背景に1932年に建設された。
西洋仕立てのブカブカの洋服を着せられて、母親と共にこの教会で洗礼を受けたのは12歳のときだった。「狐狸庵先生」の印象が強い遠藤周作だが、少年期に阪神間で暮らしたことがその後の作品に反映している。
1976年発表の『砂の城』は、若者3人の青春物語。西は過激派に入って警官に射殺され、トシという女性は詐欺漢に身を捧げて刑務所に送られた―。スチュワーデスになった泰子は、2人とも美しいものを求めて懸命に生きたことに気付く…。「青春は挫折」されど「青春は美しい」といった内容だが、「人間の歴史は…ゆっくりと大きな流れの中で1つの目標に向かって進んでいるはず」と言い、その目標は「人間がつくりだす善きことと、美しきことの結晶」であると、その行き着く先を示している。
教会は阪神大震災で甚大な被害を被ったが完全に修復されている。
阪急夙川駅下車。南西へ徒歩5分。
(浩) 2008年11月25日号
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