「新社会兵庫」 8月26日号
中央区「平和in夏まつり」に300人/若者の参加で盛りあがる
 被爆から63年の8月6日、9日の「原爆の日」を前後して、県内各地で、戦争と平和の問題に関する展示会や戦争体験談を聞く会、戦跡ウォーク、映画上映会など、さまざまな“平和イベント”が市民団体などの主催で取り組まれた。あらためて戦争の悲惨さと向き合い、戦争の被害と加害の両方の視点から戦争と平和の問題を考える機会となった。

若者が「インターナショナル」を演奏、大合唱で盛りあがった夏まつり=8月3日、中央区内  新社会党中央総支部とあわはら富夫後援会は8月3日、葺合文化センターで第7回「平和in夏まつり」を開催、『週刊新社会』の読者など約300人が参加した。
 まつりは、『週刊新社会』読者やあわはら市議の支持者からの日頃の支援への感謝祭として開かれ、7回目を数える。
 今回は、「神戸空襲を記録する会」が制作した『炎の証言』と同会の活動を紹介した『明日への伝言』を上映。神戸大空襲から63年が経つが、空襲で肉親を亡くした人たちの参加もあり、空襲後の映像が出るたびに涙する姿が見受けられた。空襲による惨状と、世代を超えて戦災を記録する活動を続ける人々の姿を見て、「二度と戦争は起こさない」との思いを新たにした。
 今回のまつりには、今までになく多くの若者の参加があった。とくに、歌で舞台を盛り上げたフォーコーナーズは最近の平和ソングを演奏。第2部では、ワーキング・プアを自称する彼らが突然、若者バージョンで「メーデー歌(聞け万国の労働者)」を熱演、「汝の部署を放棄せよ」の歌詞に、高齢の参加者から「よーし」の掛け声が出るなど会場は大興奮。さらに、いまインターネット上で流行しているという「インターナショナル」を歌うと、参加していた大学院生が自分も歌いたいと飛び入り参加。あわはら市議も飛び入りで参加し、みんなで「インターナショナル」を大合唱した。会場では、「30年ぶりに歌った」「若い人がインターナショナルを歌うとは」「『蟹工船』が売れていると聞いたが若者に変化が起こっているのか」など、将来に展望を感じる集会になった。飛び入り参加した大学院生の話によると「起て飢えたる者」のフレーズが若者に受けているとか。
夏まつりには300人が参加して会場を埋めた=8月3日、中央区内  さらに、広島、長崎の被爆63年を前にして、フォーコーナーズの演奏で「原爆を許すまじ」を全員で合唱。この歌唱指導は、長崎で父親が被爆、自らも被爆2世である国労の島本宏道さんとあわはら市議が行なった。
 会場では、バザー、寿司、おでん、金魚つりやヨーヨーつり、野菜販売など出店のすべてが完売。最後は「豪華?商品」が当たる抽選会で終了した。

(A)
丹波と三田の2会場で7回上映
 被爆63年の今年8月にドキュメンタリー映画「ヒロシマナガサキ」を上映しようと、「憲法たんば」(平和憲法を守る丹波地区連絡会)世話人会で話し合ったのは4月のこと。昨年夏、全米でテレビ放送され、日本でも話題になった映画だ。
 8月6日に丹波市で、8日には三田市でも上映会を行なうことが決まった。
小学生や中学生を含め幅広い年齢層が参加した「ヒロシマナガサキ」の上映会の受付=8月6日、丹波市内  この2会場で上映するために、「『ヒロシマナガサキ』を観る会」を結成。三田市、丹波市、三田市教育委員会、丹波市教育委員会等に後援を要請するとともに、5月から6月にかけて篠山、柏原、三田3か所で試写会を行った。その試写会の参加者が中心となって上映運動が取り組まれた。
 6日、8日の「『ヒロシマナガサキ』2008上映会」は、直前にNHKが放映するという予測不能の事態にもかかわらず、あわせて約380人の参加者を集め、成功裏に終わった。
 2日間で7回の上映を行い、各回とも多くの市民が参加してくれた。上映回数を多くすれば、それぞれの都合に合わせて参加しやすいということが実証された。上映会には丹波市、三田市、篠山市のほか、県下各地からも幅広い年齢層の人たちに参加いただいた。学校が夏休みということもあり、小学生、中学生などにも参加してもらえた。
 以下は、参加者から寄せられた感想の一部。「子どもがもう少し大きかったら、子どもにも見せたかった。今日知ったこと、感じたことをいつまでも大切にしたいと思う」(30才代)。「ヒロシマの人のくるしみ、ナガサキの人のくるしみがよくわかった。すごく原爆のおそろしさがわかった」(10才代)。「とてもグロかった。げんばくがこわかった。げんばくで死んだ人がかわいそうだった」(10才代)。「昔を思い出し、涙、涙の連続だった。あの日のことは忘れない」(80才代以上)
 映画の内容や上映会の詳細は、ブログ「『ヒロシマナガサキ』を観る会」を参照されたい。「ヒロシマナガサキを観る会」で検索できる。
(K)
憲法を生かす会・灘
 「憲法を生かす会・灘」は8月3日、3回目となる「なだ戦跡ウォーク」を行なった。戦跡ウォークは、区内の戦跡をめぐり、「平和憲法の原点である戦争を忘れない。戦争を記憶、記録に残す」として、06年から毎年取り組んでいる。
腹話術で戦争と平和の問題を生徒に語りかけている吉田美音子さんが体験談を語った=8月3日、六甲道勤労市民センター  今年は、午後3時に六甲道勤労市民センターに集まり、ウォーク出発前に、会代表世話人の一人である今村稔さん、腹話術を交えて小学校などで戦争の語り部をしている吉田美音子さん、ずっと灘区に在住している山田ツヤ子さんの3人から疎開の経験などを中心に戦時中の体験談を聞いた。
 その後、陽が少し西に傾きかけた4時30分からウォークに出発。空襲当時、灘区に住んでいた野坂昭如さん作の『火垂るの墓』が今年実写映画化されたこともあり、それに因んだコースを会事務局長の吉田俊弘さんの案内で歩いた。
 野坂昭如さんは、灘区の中郷町3丁目に住んでいて、そこで6月5日の神戸大空襲に遭った。ウォークは、野坂さんが通っていた成徳小学校や実家のあった付近を通り、あたり一面が焼け野原になりながら火災を免れ、今も現役≠ナ残っている御影公会堂を訪ね、最後はアニメ映画『火垂るの墓』の一シーンが描かれたモニュメントが立っている石屋川公園に到着、解散した。
ギャラリー展示・戦争体験を語る・ダンス・講演・・・  8.6〜10
 「2008年ピースフェスタ明石」が8月6日〜10日、明石勤労福祉会館で盛大に開かれた。このフェスタは、「戦後60年」を機に、平和を願う明石市民の共同事業(26団体の実行委員会で構成、窓口は明石地労協人権平和センター)として開催され、今年で4回目。
原爆や空襲などの展示には600人を超える入場者があった=8月6日、明石市内  6日からのギャラリー展示では、「原爆と人間展」「明石空襲展」に加え、防空ずきんなど戦時下の人々の暮らしを偲ぶ品々も展示された。また、現在の問題として、教科書検定問題(軍による集団自決強制記述の削除)、イラクへの空自派遣に対する違憲判決(名古屋高裁)などの新聞記事を紹介した。ギャラリー展示には600人を超える入場者があった。9日には、中国残留日本人孤児による戦争体験の朗読劇、市民の戦争体験を語る集いが開かれ、貴重な戦争の実相を伝えた。
 最終日10日には、明石市在住の鯛中卓也さんのピアノ演奏と記念講演「伊藤千尋が語る―世界と日本の平和」が行なわれ、200人を超える市民が参加。美しいピアノの音色と心を熱くする伊藤さんの講演に耳を傾けた。当日は、フリーマーケット、手作りランチ、いなみ野特別支援学校児童のよさこい踊り、ダンスなど盛りだくさんな中身となった。
的確な分析と熱い語り口で参加者を元気づけた伊藤千尋さんの講演=8月10日、明石勤労福祉会館  伊藤さんは、「9・11」直後とブッシュ批判が7割となった今日のアメリカを比べ、アメリカは「変わった」のではなく、市民の声と行動が「変えた」と解説。また、新自由主義への反発を強める中南米は、今や「反米大陸」となり、平和憲法を持つコスタリカでは、「兵士の数だけ教師を作ろう」と国家予算の30%を教育費に回していることも紹介し、国家予算の使い道でその国のあり方が見えると述べた。
 いま世界は軍事基地をどんどん減らしているが、日本もEUや中南米のようにアメリカから自立し、変わらなければならないと強調。そのためには憲法をただ護るだけでなく、暮らしに生かすこと(「活憲」)の重要性を訴えた。
 豊富な知識とジャーナリストの目を通した世界情勢の的確な分析、その熱い語り口に、参加者の多くから「とても元気づけられた」との感想が寄せられている。
(お)
神戸市東灘区と灘区の区境にある石屋川公園(国道2号線南)にある「火垂るの墓」のモニュメント 今年は実写映画が制作された野坂昭如作の『火垂るの墓』。そのアニメ映画にゆかりの場所を歩いてみた。
 @「火垂るの墓」のモニュメント(灘区記田町4)=神戸市東灘区と灘区の区境にある石屋川公園(国道2号線南)には、アニメ映画の1シーンが描かれたモニュメントが建てられている。
 A御影公会堂(東灘区御影石町4)=映画では回りが空襲で焼き尽くされたなか、公会堂の建物が焼けずに残っている。今も残っている築70年を超える建物。
 Bニテコ池(西宮市満池谷町)=清太と節子が二人で暮らした防空壕のある貯水池。給水塔の形がユニークだ。
 C香露園浜(西宮市大浜町)=清太と節子が水浴びして遊ぶ浜辺。今は沖合いが埋め立てられ、当時の面影はない。
平和友好祭第19回関西祭典
 平和友好祭兵庫県実行委員会(実行委員長=上野勇治・自治労兵庫県本部青年部長)は8月2、3日の2日間、養父市ハチ高原で第19回関西祭典を開催した。
記念講演は永井俊作・明石市議が行った=8月2日、養父市ハチ高原  記念講演は「格差・貧困社会から公正・連帯社会へ」のテーマで明石市議会議員の永井俊作さんから受けた。永井さんは、国民保護法の問題点や自衛隊の派兵恒久法案について触れた上で、自公連立政権は資本の権益擁護を貫く政権だと指摘、「政治に対する怒りを持つことが大切」と話した。
 その後、課題別の分科会を持つとともに、沖縄とアウシュビッツの旅の報告を受け、意見交換を行った。
 また、その後の分散会では参加者の職場実態を交流。「処分歴のある者は年金機構に採用しないと言われているが、国民年金不正免除などは、国民年金の徴収率を上げるために当局が指示してきたことだ。それを忠実に行った者が処分されるという馬鹿げたことが行われている」「仕事に対するモチベーションが低下し、退職者も後を絶たず、すでに欠員状態になっている」という社保からの報告に関心が寄せられた。さらに、「メンタルで診断書を出し療養休暇に入ってしまう人がいると仕事が回らない」など、急増する精神疾患とそういう人たちを受け入れる余裕のない自治体の職場実態が交流された。
 こうした実態を生み出している効率化が求められる社会≠ノついての共通認識を労働者が持つためにも、企業・産別を超えた交流の重要性がいっそう高まっていることを確認した。
(K)
近畿資本論入門講座
 毎月第2日曜日に開講、すでに8回の講座を終えた「近畿資本論入門講座」(実行委員会主催)が、これまでの講義の総復習をと、8月2、3日の両日、神戸市灘区の神戸学生青年センターで夏季合宿を行なった。
『資本論』第1巻について講義する神津朝夫さん=8月2日、灘区内  合宿でも、いつもの講師の神津朝夫さんが、これまで学習してきた『資本論』第1巻(岩波文庫版では第1〜3分冊)について、全体の構成や展開、各章の要点などを概括的に講義した。合宿には若者も多く参加し、交流会では参加者自身の派遣労働の実態なども交流、意見交換の場も持った。
 講座はあと3回を残すだけで、第2巻、第3巻の概論を学習する。
インフォメーション
■映画『母べえ』上映会
  • 日時=8月30日(土) 14時
  • 場所=パティオホール(名谷健康館)
  • 上映協力金=500円
  • 連絡先=憲法を生かす須磨区の会 078-731-4567
■長田区・平和の集い
  • 日時=8月31日(日) 14時
  • 場所=新長田勤労市民センター(予定)
  • 反戦・平和映画の上映
  • 連絡先=憲法を生かす会・長田 078-576-3544