「新社会兵庫」 10月27日号
許すな!防災名目の軍事訓練
防災訓練の名の下に上陸訓練を行う海上自衛隊のホーバークラフト=10月4日、神戸市東灘区  10月2日から4日にかけて、神戸港に海上自衛隊の輸送艦「くにさき」が入港し、一般公開にとどまらず、防災≠ノ名を借りた軍事訓練まで行なった。この間、神戸市では阪神大震災を契機に、神戸まつりや防災訓練に自衛隊が参加するようになり、自衛隊の市民生活への浸透が進められているが、さらに、神戸まつりや「海の日」に合わせて頻繁に自衛艦が神戸港に入港しているという事態に至っている。

 とくに今回の入港では、自衛隊の主催によって艦上で県や神戸市の防災担当者や警察等を集めた「防災意見交換会」や災害救助活動の展示訓練などが行われ、これまでの入港とは大きな違いがある。
 そもそも平和的な商業港である神戸港に自衛隊艦船が入港すること自体が問題だが、今回は防災・災害に名を借りて軍事訓練が強行されたことは許されるものではなく、入港を認めた港湾管理者である神戸市の責任は重大だ。
神戸港の摩耶埠頭に入港した海上自衛隊の輸送艦「くにさき」。大型戦車を強襲上陸させる軍事的能力を持つ=10月3日  今回入港した「くにさき」は輸送艦とされているが、 軍事的実体はLST(Landing Ship Tank)、つまり戦車揚陸艦である。LCAC(Landing Craft Air Cushion)という高速で走る現代版強襲上陸用舟艇(ホーバークラフト)を使用して大型戦車を海外の地に強襲上陸させる能力を持つ、戦車を上陸させるための、きわめて攻撃的な艦船だ。
 今回の防災担当者を集めた防災訓練では、このLCACが、東灘区の新明和工業を使って実際に陸に上陸する訓練まで行われた。これは明らかに防災に名を借りた自衛隊のデモンストレーションで、軍事利用の日常化や戦争協力体制づくりを狙ったものだと言わねばならず、認めることはできない。
 今回の自衛艦の神戸港入港をめぐって、全港湾や自治労、平和のための市民行動などで構成する「平和憲法を守る兵庫県連絡会」や神戸地区労は9月28日、入港に反対して、神戸市に対して入港を許可しないように求める申し入れを行なった。

(中村)
関西でサイクルキャラバン 10.5〜9
国鉄闘争勝利や非正規労働者との連帯を訴えた関西サイクルキャラバンの出発式=10月5日、JR三ノ宮駅前  国鉄労働者1047名問題の解決への政府の決断を訴えながら、非正規労働者との連帯も求めた「関西サイクルキャラバン」が10月5日から9日にかけて行なわれた。
 5日朝、 JR三ノ宮駅前で出発式を行なった約10人からなる一行は、自転車と街宣車で兵庫、京都、奈良、和歌山、大阪と走り、9日夕、鉄建公団西日本支社前に到着、集約集会で打ち上げた。
 期間中、各地で街頭宣伝行動を取り組みながら、解雇撤回などの争議団との交流や地域の国鉄闘争支援組織などとの交流会、集会を持った。
 この行動を企画し、呼びかけたのは国労闘争団・関西常駐オルグの大串潤二さん(兵庫)と蓑田浩司さん(大阪)の2人。国労や国鉄闘争支援組織などの仲間が支援した。
 行動をやり抜いた大串さんは、「関西規模の大衆行動としては初の取り組み。全く経験のない二人が計画を立てるときは分からないことばかりだったが、仲間の経験や知恵を借りて実施することができた。この5日間、関西の各地で多くの仲間からいろんな形で激励を受け、なんとか最後までやり通せた。支援の人たち抜きにこのキャラバンの成功はなかった。このような多くの仲間の支援に応えられる解決を実現させるため全力でがんばりたい」と感想を述べた。
第23回アジア労働者交流集会in神戸
台湾労働運との貴重な交流が行えたアジア労働運動者交流集会=9月29日、神戸市勤労会館  第23回を迎えた「アジア労働者交流集会in神戸」が9月29日、神戸市内で開催された。同集会は毎年2回ずつ、自立労連、神戸学生青年センター、兵庫社労センターが呼びかけ、韓国やフィリピンなどアジアの労働運動活動家をゲストに招いて交流を行っている。 今回は台湾の労働人権協会総幹事・王武郎(ワン・ウーラン)さんがゲストとして来日。台湾の労働運動とは神戸地区労などで若干の交流はあるものの、日本ではあまり知られておらず貴重な交流の機会となった。
 台湾では80年代末まで長く戒厳令下にあり、労働運動は政権党・国民党の指導下にある全国総工会があったのみで、自由な労働運動は存在しなかった。戒厳令の解除とともに自由な労働運動も活発化し産業総会を発足させ一定の発展を見たが、陳水扁政権のもとで政権との関係を強めたものの、昨年末には自宅待機者が25万人に達するなど失業率も高まり、新自由主義政策に有効なたたかいを組織しきれず急速に力を失っている。それに対し、新たな潮流をめざす運動もあるが、産業総会からの完全な独立はできずに活動を続けている。台湾では、すべての社会運動は「独立か、統一か」が最大の関心であり、労働運動も大きくは独立派、統一派、中間派に分かれている。
 以上のような王さんの報告のあと交流が行われたが、お互いに前提となる労働組合の組織形態などもたいへん不十分な理解の水準で、もっと頻繁な交流が求められているといえる
(M)
「平和憲法を守る高砂市民の会」が講演会
今後の護憲運動のあり方にについても問題提起がなされた憲法講演会=9月26日、高砂公民館  「平和憲法を守る高砂市民の会」主催の憲法講演会が9月26日、高砂公民館であり、上脇博之・神戸学院大法科大学院教授が「総選挙後、どうなる改憲の動き」と題して講演した。
 上脇さんは、まず改憲のねらいについて解説。「非軍事平和主義こそ平和憲法の本来の立場であったにもかかわらず、明らかに憲法違反の『戦力』である自衛隊が誕生し、それが海外にまで堂々と出ていく現況に至っている。日米安保条約に始まり次々と出された特措法での海外派兵、有事法制の整備、海賊対処法、宇宙基本法等、実質的に集団的自衛権を行使し、日本は戦争のできる国へと突き進んでいる。これまで自民党政権は解釈改憲で本来の憲法の立場を踏みにじり、すでに実質的改憲を成し遂げているが、政府見解として集団的自衛権の行使は現憲法下では認められないとの立場を表明せざるを得ない。その壁を、憲法を変えることで突破しようとしている。改憲のねらいは自衛隊を憲法上認めることにあるのではなく、集団的自衛権を認めさせることにある」。
 さらに連立政権について、「衆院総選挙で改憲を党是とした自民党が大敗し、鳩山連立政権が誕生したとはいえ、民主党の立場はそのマニフェストに見る通り『緊密で対等な日米関係』の構築であり、『米国との役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす』にある。社民党との連立合意があるため、当面は合意を尊重する立場で事を処するであろうが、しっかりと監視していく必要がある」と述べた。
 そして、今後の護憲運動のあり方として、「@衆議院憲法審査会を始動させない、参議院に規定をつくらせないA自衛隊海外派兵一般法(恒久法)を制定させないBワーキングプアを生み出す新自由主義政策の転換を求めること」などをあげて、講演を締めくくった。
(高砂・S)
被爆記録映画も上映 新社会党中央総支部
 新社会党神戸中央総支部とあわはら富夫後援会は9月26日昼、葺合文化センターで「平和in秋まつり」を開催した。
地域の支持者ら300人が昼休みの会場も満杯状態=9月26日、葺合文化センター  『週刊新社会』の購読や日頃からの支援・支持へのお礼の気持ちを込めて例年、「夏まつり」として開かれているが、今年は総選挙のために実施時期が延期されて「秋まつり」となった。「まつり」には地域の支持者など約300人が参加した。
 「まつり」の始まりは映画『ヒロシマ・ナガサキ―核戦争のもたらすもの―』の上映から。1982年に岩波映画製作所によってつくられた記録映画で、広島・長崎の被爆の実相を被爆者や学者の証言とフィルム・写真によって描いたものだ。会場を一杯に埋めた参加者は、被爆の現実をつぶさに伝える映像に熱心に見入っていた。
 手づくりのおでんやお寿司などで昼食を済ませたあと、ヨーヨー釣り、金魚すくいのコーナーでは子どもたちが大いに楽しみ、ステージでは会場を和ませる企画が続いた。「フーテンの寅さん」に扮したそっくりさんや地元の歌手が登場しては会場の笑いや感銘を誘った。戦後間もない頃の旧葺合区でのくらしぶりや、旧市電の駅名が織り込まれた自作の歌なども披露され、年配の参加者たちは懐かしさで顔がほころんだ。
 最後は、賞品たっぷりの「大抽選会」で会場が大いに盛り上がったなか、粟原富夫神戸市議のリードで「原爆許すまじ」をみんなで歌い、「まつり」を締めくくった。
ひょうご労働安全衛生センター 実際の相談事例をもとにメンタル野労災請求や職場復帰支援対策などを講義する田島陽子さん=10月9日、神戸市勤労会館
 NPO法人ひょうご労働安全衛生センターが秋の全国労働衛生週間にあわせて毎年開催している恒例の「労働安全衛生講座」が、今年は「メンタルヘルスと労災」をテーマに、10月7日に姫路、9日は神戸、19日は豊岡の3会場で開講された。
 9日に神戸市勤労会館で開かれた神戸講座では、講師の田島陽子さん(関西労働安全衛生センター)がプロジェクターを使いながら、メンタルヘルスをめぐる概括的な解説とともに、労災請求や職場復帰支援対策などの対処法についても、自身の実際の活動経験にもとづいて提起、紹介した。
 厚労省が発表している2008年度の「精神障害等」(メンタルヘルスやパワハラ)の労災をめぐる状況は、労災請求件数が927件(前年度比25件減)に対し認定件数が269件(同1件増)で、3年連続で過去最高を更新している。一方、その認定率は31.2%と、他の疾病に比べるとたいへん低いのが特徴だ。「脳・心臓疾患」(過労死案件など)の労災請求は889件で47.3%の認定率。これ自体も低いが、「精神障害等」の認定率の低さが際立っている。
 仕事のストレス(業務による心理的負荷)が原因で精神障害になったり自殺したとして労災請求が増えている事態を受け、今年4月、厚労省の「心理的負荷による精神障害等の業務上・外の判断指針」が一部改正された。これによって「違法行為の強要」「達成困難なノルマが課された」「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」などの「具体的出来事」も新たに判断指針に加わった。
 昨年4月の第1回につづく「ひょうご社会主義ゼミナール・第2回」が11月1日に開催される。
 今回は経済学者の伊藤誠さん(東京大学名誉教授)の講演で、テーマは「社会主義を考える」。伊藤さんは、一貫してマルクス経済学の研究に携わり、早くからヨーロッパのマルクス・ルネッサンスの紹介などもされてきた学者。
 リーマン・ショック以降の世界金融危機のなかで明らかになった新自由主義の破綻局面。新自由主義に代わる批判的対抗軸をどう構築するのか、マスコミや論壇でその議論が登場するが、ゼミナールを主催する同実行委員会は、こうしたなかであらためて「社会主義」について真正面から問題提起を受け、ともに考えようと呼びかけている。
 新社会党兵庫県本部も後援している。
 鳩山政権が米軍再編や普天間基地移設問題で、さらにはアフガン問題に関わって、アメリカ政府に対してどういう態度を取るのか、マニフェストや社民党との連立合意をしっかり守るのかどうか、政権そのものの性格を問う課題として大きな注目を集めている。
 そうした問題を考えるためにも「憲法公布62周年 兵庫憲法集会」が11月13日に開催され、岩波新書『「戦地派遣」―変わる自衛隊』を著した朝日新聞論説委員の半田滋さんを講師に迎えて講演を聞く。
インフォメーション
第13回働く女性の交流集会
劣化する労働現場
  • と き=10月31日(土)午後1時30分〜4時30分
  • ところ=ひょうご共済会館5階
  • 講 師=竹信三恵子さん(朝日新聞編集委員)
  • 参加費=1,000円(資料代等)
ひょうご社会主義ゼミナール
第2回「社会主義を考える」
  • と き=11月1日(日)午後2時〜
  • ところ=神戸市勤労会館405・406
  • 講 師=伊藤 誠さん
  • 参加カンパ=1,000円
2009たんば憲法集会
〜講談「はだしのゲン」 講談師 神田香織
  • と き=11月4日(水) 午後7時開会
  • ところ=四季の森生涯学習センター
  • ミニコンサート=はるまきちまき
  • 主 催=実行委員会(憲法たんば気付)
  • 前売券 1,000円(当日1,200円)
憲法公布63周年 兵庫憲法集会
「自衛隊海外派兵−過去・未来」
  • と き=11月13日(金)午後6時30〜
  • ところ=神戸市勤労会館
  • 講 師=半田 滋さん(東京新聞論説委員)
  • 参加費=500円