邀撃プリンセスナイン――如月女子高野球部奇襲命令
第二話『Z任務群出撃』・解説篇
項目の後ろの()は、本作に対応している。
・日下まことと野弧禅(1)(2)
日下まことは、コミック版『プリンセスナイン』にのみ登場するキャラクタ。容姿・肩書きなどは作中での表現と一致する。ただ、コミック版ではストーリーの簡略化に貢献し、アニメ版における木戸や桂子の役回りをいくつか担当する”おいしい”キャラクタであるのに対し、本作においては、木戸の重要性が増していることから相対的に彼女の価値は低下している。腕章を外すシーンは、荒尾和彦著『豪球伝説』(光風社出版)において、記者・乾龍三が西武ライオンズの清原に、”一個人として”インタビューを申し込むシーンから。
なお、野弧禅とは、『邀撃マリアナ海戦』において、源田実中佐が草鹿龍之介少将を評した言葉。
・イナズマボール習得法(2)他
一旦投球フォームを崩して一からフォームを作り直し、その上で魔球を身につける。この手法は、水島新司の漫画『野球狂の唄』において、水原勇気がドリームボールをマスターするためにボーリング漬けの日々を送ったことに由来する。また、イナズマボールの正体に関する解釈には様々あるが、本作では”クロスファイアー投法”という点でコミック版に近い。もっとも、手元でシュート回転して外角に逃げるというのはオリジナルである。
・水野(3)
オリジナルキャラクタ。『邀撃マリアナ海戦』における”銀河”操縦士の水野少尉から。他の部から転部という形ではない協力態勢を取れていれば、より選択肢は広がるのではないか、という考えに基づいて登場している。なお、校内屈指の秀才、という設定は、アニメ『美少女戦士セーラームーン』における登場人物の一人、水野亜美から。
・三田のエラー(6)
原作においては、三田はカツラとコンタクトレンズで”小中多美”に変装しており、そのカツラがずれるのに気を取られて失点につながるエラーをする。本作では三田本来のメガネで出場した為にエラーをする。
・悪夢の中でのエラー(7)
木戸が実際に体験したことのない筈のエラーの悪夢を見るのは、『邀撃マリアナ海戦』において、鼓武中佐が、戦略爆撃機による空襲を受けて燃え上がる自宅、という悪夢を見ることに由来。また、野球絡みのエラーの悪夢は、村上哲哉著『ラスト・マジック』(新潮文庫)において、主人公の父・東圭一が高校時代の痛恨のエラーがきっかけで野球嫌いになったシーンを何度も悪夢に見るという箇所がある。
・風間(7)
オリジナルキャラクタ。『邀撃マリアナ海戦』における風間参謀から。木戸(鼓武)より立派な体格と風采の持ち主であるという描写も準拠。『邀撃マリアナ海戦』においては、樋端中佐の葬式の際に、鼓武中佐と会い、またマリアナ開戦直前、敵に作戦が漏れた可能性についての貴重な情報を鼓武にもたらしている。
・アメリカンフットボール風ヘルメット(8)
漫画『DH』(作・森谷耕三、画・ほんまりう)より。主人公・藤村慎一が使用しているヘルメットから。作中に記したとおり、マウスピースを加えて奥歯を噛みしめての打撃はインパクト時のパワー増強につながる。
・虎田美郷(8)
オリジナルキャラクタ。『邀撃マリアナ海戦』における虎田飛曹長より。虎田飛曹長も、顔面に大きな裂傷を有する。”顔面に傷のある元剣道部の野球部員”のアイデアは、12式臼砲氏のもの。剣道・剣術出身者が強打を誇るスラッガーとして活躍するという小説は幾つか存在している。新宮正春『ピンチヒッター・武蔵』『隠密ジャイアンツ』など。
・ゴーグル状眼鏡(8)
(6)における、三田のエラーの絡み。コンタクトレンズより眼鏡が性にあうものの、通常の眼鏡では咄嗟の動きに支障を来す、という観点からの導入となっている。『美少女戦士セーラームーン』において、水野亜美が変身時にゴーグル型のヘッドマウントディスプレイを装着するシーンがあったことに由来している。
また作中にも記したとおり、千葉ロッテマリーンズの小宮山悟投手などがこのゴーグル状眼鏡を使用している。
・スピードガンの撹乱策(8)
新宮正春氏の著作に幾つか、同様のアイデアが提示されている。詳細は第三話および第三話解説篇に譲る。また、レーダー波を乱反射させる”チャフ”は『邀撃マリアナ海戦』において、海戦の帰趨につながる重要な役割を果たしている。
・早川英彦の手帳(9)(10)
退部寸前だった涼を翻意させ、強硬姿勢をとっていた保護者会を一気に軟化させ、と二度に渡って如月女子高野球部及び木戸監督を救う。『邀撃マリアナ海戦』において、鼓武中佐が”山本五十六の遺書”を用いて軍令部とGF長官・小沢治三郎を説得した事から。
・行方不明の子供二名(10)
原作においては、野球部を飛び出し、あてもなく父親の故郷に足を踏み入れていた涼が助けた子供である。
(※ちなみに、初期投稿段階では、子供が救助されたという速報を聞いて涼が顔をほころばせるというシーンは存在せず、「意味もなく子供を虐待するシーンを掲載するのはどうかと思う」と金物屋忘八氏からチェックが入った結果追加された。この場を借りて、金物屋氏の賢明な指摘に感謝の意を述べさせていただく)
・「1000回投げたところで役に立たない」(11)
宍戸の台詞。『邀撃マリアナ海戦』における宍戸中尉の「1000機のグラマン相手でも恐れるに足りず」より。
・枕投げ(11)
原作20話においては、「好きな男の子」の話題から枕投げに発展していた。ただし、原作では部員全員が同じ部屋に宿泊していたため、本作とは顔ぶれがかなり違っている。
・「一人に足を引っ張られて負けるような目には――」(12)
いずみは原作では、足りない部員を母・氷室理事長に頼んで補充して貰う、と発言していた。本作ではオリジナルキャラクタが控え選手として既に在籍しているため、その分台詞にはインパクトがなくなっている。
・青白い光(12)
原作においては、”フィーフィーちゃんの乗ったUFO?”と思わせる演出になっていたが、その正体に関しては言及されていない。”フレア”としたのは、(8)のチャフとの対比から。
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